2014年2月15日土曜日

絵にみる図でよむ千葉市図誌 上下巻 紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 7
              
「絵にみる図でよむ千葉市図誌 上下巻」(千葉市発行)は千葉市史近世史料編の一環として絵図編として発行されたもので、近世史料編編纂成果の1つです。

絵図がすべてカラー刷りであり、他に類例のない充実した町丁目別歴史地図集です。

この図書により、花見川流域の町丁目成立の歴史を江戸時代以降現代まで詳しく知ることができます。

1 「「絵にみる図でよむ千葉市図誌 上下巻」諸元
編集:千葉市史編纂委員会(委員長 鶴岡清)
執筆者:編集スタッフ、版下作成、校正メンバーは下巻巻末に記載
発行:千葉市
発行年月日:平成5年(1993年)年331
価格:上下巻ともに6500
サイズ:上巻A4判、683頁、下巻A4判、647

絵にみる図でよむ千葉市図誌 上下巻

2 内容紹介
千葉市立郷土博物館のホームページではこの図書の内容を「千葉市域の絵図・地図・写真の集大成です。」として紹介しています。

上下巻の目次
上下巻別
主な目次
絵にみる図でよむ千葉市図誌 上巻
千葉市概要  中央区・緑区・美浜区

収録キーワード/千葉市域の大小区、住居表示と区画整理、千葉城、明治初期の地籍図、道路、千葉市空襲、復興都市計画、遊廓、鉄道、千葉駅、千葉港、政令指定都市移行と行政区、鉄道連隊、千葉市域の藩領、京葉臨海工業地帯、迅速測図、小弓城と生実城、村をめぐる絵図、絵師、境、明治の開墾、大椎城と立山城、埋立と漁業補償

付録/1市域の面積の変遷 2近代行政区画・管轄一覧 3近世支配・村方一覧
絵にみる図でよむ千葉市図誌 下巻
若葉区・稲毛区・花見川区

広域(稲毛~馬加海岸、黒砂~今井海岸、生実浦、泉谷用水・草刈堰用水、生実池用水、丹後堰用水、下志津軍用地、六方野、下野牧、穴川野、小倉・加曽利野、中峠野・水砂野、十文字野、鳥喰野、能真坊野、猿橋野、住吉野・大滝野・鹿子野、河原坂野・文六野、小間子野)

収録キーワード/日本博覧図、千葉市域の旗本知行所、御成街道と千葉御茶屋御殿、千葉市域の旧県、飛地、街道と往還、高札場、千葉市域の与力給知、団地とベットタウン、内陸工業団地、戦後の開拓団、北部土地区画整理、海水浴と潮干狩、松井天山と峰庫治、稲干場、千葉市域の連合町村、戦後の地図作成事業、河川、山と林、ゴルフ場、江戸時代の印旛沼掘割り工事、野、牧、新田

付録/図版一覧 参考文献
 千葉市立郷土博物館のホームページによる

3この図書の特徴
ア 町丁目別に町の成立過程が詳細にわかる
町丁目別に、現状カラー空中写真、地形図、町域変遷略史、人口面積等、町名由来、高度成長期前の都市図、終戦直後の米軍空中写真、地番割図(小字図)、明治初期カラー迅速図、江戸期等の各種絵図等が掲載されています。町毎にこれだけの情報を用意しているので圧巻です。

イ 町丁目とは別に海岸・用水・軍用地・野・牧等の「広域」の切り口で絵図を多用して詳しい説明がある
花見川流域に関する広域記述としては、稲毛~馬加海岸、六方野、下野牧、下志津軍用地があります。

ウ キーワードという切り口での詳しい説明もある
花見川流域地誌に関するキーワード記述としては、江戸時代の印旛沼掘割り工事、戦後の開拓団、内陸工業団地があります。

私にとって絶えず利用している座右の書です。特に地名についての確認をするときには机の上に出しっ放しにしておきます。

なお、大きさと重さから、片手で取り出し利用することが困難です。

数年前この図書を購入した時は、解体電子化してパソコン上で使えるようにするつもりだったのですが、あまりに立派な「本」であり、解体のためにカッターを背表紙に入れる勇気が湧いてきません。

この2巻の本を解体電子化する時があるとすれば、その時は私の地名検討が真に本格化した時だと思います。


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