2014年2月14日金曜日

天保期の印旛沼堀割普請 紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 6

「天保期の印旛沼堀割普請」(千葉市発行)は千葉市史編纂委員会の史料調査が進み、印旛沼堀割普請に関する史料が相当数蓄積したことから1冊の史料集として刊行されたものです。

花見川流域について知ろうとするとき、欠くことのできない必須の図書です。


1 「天保期の印旛沼堀割普請」諸元
編集:千葉市史編纂委員会(委員長 鶴岡清)
執筆者:解説執筆 須田茂、特別執筆 鏑木行廣
発行:千葉市
発行年月日:平成10年(1998年)年331
価格:4100
サイズ:B5判、501

天保期の印旛沼堀割普請

2 内容紹介
主要目次

口絵
はじめに 利根川分水路印旛沼古堀筋の普請について-幕府の動向-
一 沼津藩の堀割普請
二 庄内藩の堀割普請
三 鳥取藩の堀割普請
四 貝淵藩の堀割普請
五 秋月藩の堀割普請

3この図書の特徴
ア 口絵の充実
カラー刷り口絵が24頁に及び充実しています。
続保定記の絵地図や黒鍬者イラストなどはこのブログで度々活用させていただいています。
例 2011.03.22記事「続保定記絵地図のデジタル巻物化」など

イ 「はじめに 利根川分水路印旛沼古堀筋の普請について-幕府の動向-」がとても参考になる
「はじめに」だけで、印旛沼堀割普請に関する最も詳しくまとめた1冊の本であると言えると思います。収集した史料全体を俯瞰して書かれているので、印旛沼堀割普請に関する経緯の全体像を知ることができます。

ウ 貴重な土木史料が収録されている
貴重な土木史料が多数収録されています。
例えば、堀割断面図(口絵収録)は現在の計画断面図に該当するもので、数値が記入されているので、当時の地形を復元するのに貴重な情報です。
2011.11.06記事「天保期普請前後の地形横断復元」参照

エ 史料の解説が判りやすい
個々の史料の解説が判りやすく、図版が豊富ですから、私のように古文書解読能力が無くても普請の様子がかなり判ります。
天保期の国家的土木事業プロジェクトの関連史料集としての価値には大きなものがあると思います。


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