2019年8月18日日曜日

加曽利EⅡ式把手付鉢の片口の利用法

縄文土器学習 237

流山市立博物館企画展「流山のお宝新発見-さわってみよう、見てみよう-最新発掘情報展」(2019.07.13~09.16)展示のおさわり自由な大型土器加曽利EⅡ式把手付鉢(小谷貝塚)には片口(単独の注ぎ口)が付いています。

片口を展示正面の反対側から見た様子(3Dモデル画面)

加曽利E式土器で片口のついた土器はめずらしものと思います。
この片口は実用機能であると考えます。
実用機能であるとするとこの大きな土器(容量71リットル、重量17キロ)を傾けて使っていたと考えられます。
この土器を地面に穴をあけ、そこに設置していたのでは土器を傾けることはできません。
土器を傾けることができる仕掛は次のような木枠台座毎傾ける方法しかないのではないかと考えます。

片口の利用方法
木枠台座で液体の入った土器を安置し、液体を注ぐときには木枠台座毎土器を傾けたと考えられます。

このように考えると、木枠台座が遺物として残る可能性はほとんどゼロですが、木枠台座を置いた跡、特に台座を傾けた時にできる溝は床面に残る可能性があります。
小谷貝塚のこの土器出土遺構にそのような跡が見られるか、あるいは、類似大型土器出土遺構で台座跡が見つかるか、新たな興味が生れます。

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