縄文土器学習 221
土器形式別出土遺跡分布ヒートマップの3Dモデル化が技術的に出来るようになったので、縄文前期諸磯式土器と同時期の浮島式土器の3Dヒートマップを作って、それを道具に考察してみました。
1 千葉県 諸磯式土器出土遺跡分布3Dヒートマップ
千葉県 諸磯式土器出土遺跡分布3Dヒートマップ
2 千葉県 浮島式土器出土遺跡分布3Dヒートマップ
千葉県 浮島式土器出土遺跡分布3Dヒートマップ
3 考察
諸磯式土器と浮島式土器の分布面での考察は既に次の記事で行っています。それらの記事に加え、次のような感想を持つことができました。
2019.07.25記事「諸磯式土器と浮島式土器の分布」
2019.07.26記事「諸磯式土器と浮島式土器の共伴出土」
主な遺跡密集域
【3Dヒートマップをいじりながら浮かんだインスピレーション(想像、空想、妄想)】
・諸磯式の集中域A、B、Cは浮島式共伴が多いです。その理由はA、Bは東京湾漁場、Cは狩場があり、その権利(漁業権、狩猟権)つまり縄張りを在地集団である諸磯式土器集団が保持していたことによると考えます。つまり茨城方面から南下してきた浮島式集団が漁場や狩場のある場所に進出するためには諸磯式集団と共存するしか方法がなかったのだと考えます。
・浮島式集団の方がいくら多人数であっても諸磯式集団を排除して漁場や狩場を獲得できる社会関係はなかったのが縄文社会の一つの特色であると考えます。
・このような2集団の関係を集落レベルで如実に示す一つの資料が大膳野南貝塚発掘調査報告書です。
・Dは特段の集中ではありませんが、諸磯式遺跡が分布します。この場所に浮島式集団が殆どやってこないのは、この場所が生業の上で魅力が乏しかったからだと思います。
・Eは南下してきた浮島式集団の下総台地におけるいわば本拠地となった場所だと考えます。この場所は諸磯式集団の分化の中心から離れているので浮島式集団が「総取り」できたのだと思います。
【インスピレーションが浮かんだことに対する感想】
・自分が体験した学習(大膳野南貝塚発掘調査報告書の超子細な学習体験など)に応じて3Dヒートマップをいじくると各種インスピレーションが湧きます。
・つまり3Dヒートマップはいじくるという筋肉感覚と立体画像の動き(視覚効果)が刺激となり、思考を促進します。
・3Dヒートマップはインスピレーションの素であると言えます。
・仮に諸磯式と浮島式に関する遺跡発掘調査報告書レベルの知識が皆無ならば、3Dヒートマップから得られるインスピレーションは虚弱であると考えます。
・逆に諸磯式遺跡269、浮島式遺跡400の全ての発掘調査報告書を熟読している専門家が存在しているとすれば、その専門家がこの3Dヒートマップを通じて得るインスピレーションは計り知れない膨大なもので、極端に高品質なものであると考えます。
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