2020年10月2日金曜日

背面が丸く自立しない前浦式浅鉢

 縄文土器学習 478

8月末まで加曽利貝塚博物館で「ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編」が開催されていました。ここで展示されていた前浦式浅鉢(背面展示)を3Dモデルで観察します。

1 縄文晩期前浦式浅鉢(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル

縄文晩期前浦式浅鉢(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館 ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編 

撮影月日:2020.08.28 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.008 processing 45 images


展示の様子


展示の様子


実測図

君津市三直貝塚発掘調査報告書から引用


3Dモデルの動画

2 感想

・背面(表面の底)が完全な球体となっています。自立することはできません。

・発掘調査報告書をみると類似の浅鉢の多くが自立することができない形状をしています。

・背面には沈線と縄文で模様が描かれています。

・背面の中央部はほとんど摩耗していないといっていい状態です。背面が接地する状況で利用されたり、あるいは置かれたことがほとんどないと考えられます。

・この浅鉢はその中に神様への捧げものをいれて、おそらく巫女が祭祀執行中ずっと両手で持っているという所作で利用されていたと空想します。

・この空想が正しければ、祭祀執行シャーマンには補助巫女が付き添いずっと浅鉢を両手で捧げていたことになります。

・祭壇に奉納品を置くのではなく、補助巫女が両手で捧げていたのです。

・この浅鉢は祭具以外のなにものでもありません。


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