2020年10月28日水曜日

千葉県立中央博物館企画展「ちばの縄文」で思わず興奮

 千葉県立中央博物館で開催されている令和2年度企画展「ちばの縄文 -貝塚からさぐる縄文人のくらし-」(2020.10.10~2020.12.13)を観覧してきました。

1 思わず興奮

企画展といっても展示点数は加曽利貝塚博物館などよりはるかに多く、縄文関連では現時間断面ではおそらく千葉県で最大であり、なおかつ重要性という点でも最高であると感じました。終了までに何度も通うことになりそうです。

最初全体をざっと見まわす中で、東金市鉢ヶ谷出土河童形土偶(中期中空土偶)を見つけて思わず興奮しました。この土偶は長野県茅野市棚畑遺跡など中部高地社会と房総社会を結びつける象徴的な遺物です。いつかどこかで現物を見てみたいと願っていたものです。この1点だけの観覧であったとしても、この企画展に来たかいがあります。


東金市鉢ヶ谷出土河童形土偶(中期中空土偶)

そのほか趣味心を刺激する多くの遺物を観覧して気持ちが高ぶります。

加曽利貝塚博物館で夏に行われた君津市三直貝塚ミニ企画展展示遺物も多数見かけました。

2 思わず声を出して興奮

銚子市余山貝塚出土コハクや現在学習している東金市・大網白里市養安寺遺跡出土の銚子産コハクの展示もあり、興味が刺激されていました。

さらに、主な遺物の3Dモデル撮影の最後に高島多米治旧蔵の頭が平べったい河童のような土偶が珍しいので撮影しました。その際出土遺跡をよく見ると、なんと銚子市余山貝塚出土です。興奮のあまり自分の年齢を忘れて、「ウッ」と声が漏れてしまいました。他の観覧者はいなく、係の女性は遠方でしたので自分をいぶかる人はいなかったと思いますで、その点ではそそうにならなかったと思います。


高島多米治旧蔵銚子市余山貝塚出土土偶

自分の頭の中では次のように情報が繋がりました。

銚子市余山貝塚 河童形のミミズク土偶(後期)、コハク-----東金市・大網白里市養安寺遺跡 コハク、東金市鉢ヶ谷 遺跡河童形中空土偶(中期)-----長野県茅野市棚畑遺跡 国宝土偶「縄文のビーナス」(河童形)、銚子産コハク

銚子産コハクと河童形土偶を指標にして銚子-東金・大網白里という九十九里に面した下総台地と中部高地が連絡している印象はだれも否定できないと思います。


東金市・大網白里市養安寺遺跡出土コハク

銚子市余山貝塚出土コハクは撮影禁止

2020.07.09記事「「縄文のビーナス」と系譜を同じにする千葉県出土土偶

2020.07.15記事「房総における縄文中期土偶の検討課題

3 3Dモデル用撮影

次の遺物について3Dモデル用撮影を行いました。

・小池台遺跡双口土器

・石棒群

・道免き谷津遺跡第1地点漆塗木胎耳飾

・道免き谷津遺跡第3地点漆塗木胎耳飾

・鉢ヶ谷遺跡土偶

・高島多米治旧蔵余山貝塚土偶

・養安寺遺跡コハク

・良文貝塚香炉形顔面土器

この企画展にはあと2~3回訪れ、3Dモデルコレクションを増やしたいと考えています。


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