縄文社会消長分析学習 66
有吉北貝塚前期土製耳飾について学習しました。
1 前期の土製耳飾
有吉北貝塚の前期遺物として11点の土製耳飾が出土しています。すべて玦状耳飾です。
前期土製耳飾実測図
有吉北貝塚発掘調査報告書から引用。
2 前期土製耳飾分布図
遺構番号を手がかりに前期土製耳飾出土場所の分布図を作成しました。
有吉北貝塚 前期 土器埋設 土坑 土製耳飾 土器分布(2D)
有吉北貝塚 前期 土器埋設 土坑 土製耳飾 土器分布(3D)
南貝層斜面から6点、台地面とその周辺から3点、北貝層斜面から2点出土しています。前期遺構はほとんどすべて中期遺構で上書きされ消滅していますので、土製耳飾もほとんどが中期に人為的に移動したものであり、その分布から有用情報を汲み取ることは困難です。
3 ブロック分割番号を利用した分布図の作成
前期土製耳飾の出土位置は次の遺物表掲載遺構番号欄情報から知ることができます。
前期土製耳飾の遺物表有吉北貝塚発掘調査報告書から引用
11点遺物のうち遺構番号→発掘調査報告書貼付図面からその位置が判るものは2点あります。
他の9点はグリッド分割番号からその位置が判ります。グリッド分割番号からその位置を視認してGISにプロットするために、次の作業補助資料を作成しました。
3腫のグリッド分割図
GISのレイヤーとして基本・北斜面貝層・南貝層斜面グリッド分割図を貼り付けました。
視認補助資料
基本・北斜面貝層・南貝層斜面グリッド分割図における番号特定のための視認補助資料(手持ち資料)を作成しました。
この資料作成により今後の発掘調査報告書解読分析がかなり緻密になると期待します。場所の正確な確認は省略して読み進むという弊害が除去されることになります。
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