2021年1月14日木曜日

阿玉台Ⅲ式深鉢形土器(野田市中野台貝塚) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 520

2021.01.13記事「有吉北貝塚 阿玉台式土器の学習」で過去に観察した阿玉台式土器が8点あることに気が付きましたが、それらのうち3Dモデル作成をした土器について、急遽集中して観察することにします。

この記事では野田市立郷土博物館で申請により閲覧撮影した阿玉台Ⅲ式深鉢形土器(野田市中野台貝塚)を3Dモデルで観察します。

加曽利貝塚博物館企画点「あれもE…」の中峠式土器観察は一時中断します。(阿玉台式土器と中峠式土器は関連が深いので、実はその関係についても興味津々です。)

1 阿玉台Ⅲ式深鉢形土器(野田市中野台貝塚) 観察記録3Dモデル 

阿玉台Ⅲ式深鉢形土器(野田市中野台貝塚) 観察記録3Dモデル 

撮影場所:野田市郷土博物館 

撮影月日:2019.09.09 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 53 images 

撮影及び掲載は野田市郷土博物館の許可による 

野田市郷土博物館HP説明文引用 「サイズ : 口径285、底径117、高340」 「中野台貝塚(野田市中野台)から出土した深鉢形土器。縄文時代中期中葉(阿玉台Ⅲ式)のもの。この形式の土器は、作るときに使用された土のなかに金雲母を含んでおり、表面がキラキラと光るのが特徴である。この土器が発掘された昭和34年の調査は、國學院大學の樋口清之教授を中心にして行われ、住居址や人骨などが発見された。」


撮影風景


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャモデル


GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッドモデル


GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析加工

3 観察メモ

隆線と刻みによる区画、区画内の蛇行線で構成される区画文で口縁部、頸部、胴部が埋め尽くされています。

口縁部の区画文は把手が付く2つの区画文が対向し、把手が付かない2つの区画文が対向します。把手の数でいえば4単位です。頸部は全体が一つの区画になっていて、縦方向の蛇行線が各所に見られます。胴部は大小区画文のセットが3つあり、3単位になっています。

区画文の意味について次のような空想が浮かびました。


阿玉台式土器区画文の意味想定例

この土器の区画文は縄文人生活空間を隆線・爪形刻文・蛇行沈線で表現していると考えました。このような想定でいろいろな阿玉台式土器を観察して、それで問題がなければその想定をいつまでもの持ち、不都合が生まれれば、適宜修正し、それを記録しておくことにします。


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