2019年3月23日土曜日

器台の内側を覗く

縄文土器学習 71 器台の検討 2

加曽利貝塚博物館企画展に展示されていた2点の加曽利E式器台を主な対象として、器台にまつわる学習を行っています。
この記事では千葉市中野僧御堂遺跡出土加曽利EⅡ式器台を倒立させた3Dモデルを作成し、器台内部を覗いてみました。

器台の内側 加曽利EⅡ式器台3Dモデル 千葉市中野僧御堂遺跡出土
千葉県立房総の村の撮影・掲載許可及び千葉市立加曽利貝塚博物館の撮影協力による。
 3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.351 processing 36 images

この器台の内側には特段の模様や表象に該当する造作はないものと感じました。
以前展示土器を割れ目から強引に覗いて観察した模様は全て土器を整形した時の指の跡であるようです。
ただし、丸窓内側部分も面取りしてありますので丸窓は丁寧につくられたことが判ります。また縁(正立させたとき地面に接する部分)も通常土器の縁のように丁寧に作られています。
倒立器台の底(つまり正立器台上面の裏側天井部分)の質感が、割れた部分からわかる土器材質そのものと少しだけ異なります。底面は本来材質より少しだけ黒ずんでいて膜に覆われたような質感がありますので常時火焔を受けた跡であると想像しました。

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