2019年3月4日月曜日

加曽利EⅢ式板状把手付土器の観察

縄文土器学習 54 加曽利貝塚博物館企画展展示土器の観察 29

加曽利貝塚博物館企画展「あれもE これもE -加曽利E式土器(千葉市内編)-」(終了)の展示土器38点の個別観察をメモしています。この記事では加曽利EⅢ式板状把手付土器No.26の観察をメモします。

EⅢ式板状把手付土器 No.26
有吉北貝塚 北斜面貝層出土

EⅢ式板状把手付土器 No.26 模様を見るために画像調整
有吉北貝塚 北斜面貝層出土

EⅢ式板状把手付土器 No.26 発掘調査報告書の写真
「千葉東南部ニュータウン19 -千葉市有吉北貝塚1(旧石器・縄文時代)-第3分冊(写真図版)」(平成10年3月、住宅・都市整備公団・財団法人千葉県文化財センター)から引用

EⅢ式板状把手付土器 No.26 発掘調査報告書の挿図
「千葉東南部ニュータウン19 -千葉市有吉北貝塚1(旧石器・縄文時代)-第1分冊(本文)」(平成10年3月、住宅・都市整備公団・財団法人千葉県文化財センター)から引用

・発掘調査報告書では「キャリバー形土器の口縁部文様帯が省略された類型」として分類されています。胴部文様は一般的なキャリパー形土器と同様で上端が逆U字状に連結しているところがある磨消懸垂文を基本としています。口縁部は沈線が横走し、4単位の板状把手がついています。
・土器全体の印象はキャリパー形というより円錐的印象を受けますが、よく観察すると微弱ですが確かにキャリパー形をしています。模様だけでなく形状も典型キャリパー形土器を省略していることが感得できます。
・4つの板状把手にそれぞれ1点の刺突文があるようです。(発掘調査報告書未記載)

微弱であるがキャリパー形である様子

板状把手に刺突文がある様子

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企画展会場

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