2019年3月3日日曜日

加曽利EⅢ式ひさご型土器の観察

縄文土器学習 52 加曽利貝塚博物館企画展展示土器の観察 27

加曽利貝塚博物館企画展「あれもE これもE -加曽利E式土器(千葉市内編)-」(3月3日まで開催)の展示土器38点の個別観察をメモしています。この記事では加曽利EⅢ式ひさご型土器No.24の観察をメモします。

加曽利EⅢ式ひさご型土器 No.24
うならすず遺跡出土

加曽利EⅢ式ひさご型土器 No.24
うならすず遺跡出土

・口縁部が直立していて模様がなく、動物の皮などで蓋をしたときに紐で縛る部位のように感じます。実用機能として口縁部が直立していることは確実です。
・口縁部と胴部の間に「鍔」状に似た突起があります。
・写真中央口縁部下付近に穴が開いています。内壁に貫通しているかどうか確認できませんが、内壁に貫通していれば発酵ガス抜きであるかもしれません。上写真の内壁部分に穴が2つ見えるので、貫通孔があるようです。
・胴部に大きな橋状把手があり、それが欠損した状態であると推測します。
・「ひさご型土器」といってもひさご=瓢箪のような形状には見えません。ひさご=酒入容器というイメージから、酒醸造器が推測できるので「ひさご」と命名したのでしょうか?
・加曽利EⅢ式期の展示に「ひさご型土器」がはじめて登場するということは、この土器が加曽利EⅢ式期の社会特性と関連しているという趣旨で展示されているのでしょうか、それともたまたまなのでしょうか?

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企画展会場

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