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2024年7月26日金曜日

土偶(市原市西広貝塚)観察記録3Dモデル

 Clay figurine (Saihiro Shell Mound, Ichihara City) Observation Record 3D Model

This clay figurine is smaller than the Mimizuku Clay Figurine and has a very simple design.The eyes and mouth are made by piercing with a thin stick.It may have been a tool used in a small ritual with a different meaning from the Mimizuku Clay Figurine.


この土偶はみみずく土偶とくらべて大きさも小さく、造形はとても簡素です。目と口は細い棒で刺突して表現しています。みみずく土偶などとは別の意義の小さな儀礼に使われていた道具かもしれません。

1 土偶(市原市西広貝塚)観察記録3Dモデル

土偶(市原市西広貝塚)観察記録3Dモデル

縄文時代後期~晩期

撮影場所:加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」

撮影月日:2024.07.18


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v7.531 processing 100 images


3Dモデル画像


3Dモデル動画

2 メモ

この土偶は山形土偶やみみずく土偶とくらべて大きさも小さく、造形はとても簡素です。目と口は細い棒で刺突して表現しています。耳(耳飾り)の表現もありません。同時代のみみずく土偶などの儀礼とは別の意義の小さな儀礼に使われていた道具であると想像します。


2024年7月21日日曜日

人面付土器(レプリカ)(市原市三嶋台遺跡)観察記録3Dモデル

 3D model of observation record of vessel with human face ornament (replica) (Mishimadai site, Ichihara City)


I created a 3D model of the observation record of vessel with human face ornament (replica) (Mishimadai site, Ichihara City) exhibited at the Kasori Shell Mound Museum's special exhibition "Faces of Clay Figurines from the Jomon Period."

While observing the 3D model, I enjoyed imagining that this person was a master hunter who could supply feather products such as swans, and was also a central figure in bird rituals.


加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」に展示されている人面付土器(レプリカ)(市原市三嶋台遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。

3Dモデルを観察しながら、この人物が狩猟名人で白鳥などの羽製品を供給できる人物であり、同時に鳥儀礼の中心人物でもあるとする想像を楽しみました。

1 人面付土器(レプリカ)(市原市三嶋台遺跡)観察記録3Dモデル

人面付土器(レプリカ)(市原市三嶋台遺跡)観察記録3Dモデル

弥生時代中期

撮影場所:加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」

撮影月日:2024.07.18


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v7.531 processing 132 images


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

2 感想

設楽博己著「顔の考古学 異形の精神史」(2021、吉川弘文館)ではこの人面付土器(顔壺)を、弥生時代の稲作に関連する鳥信仰に因り、鳥が飛ぶ空を見ている顔の例として紹介してます。

そのような指摘に基づいて、次の想像を楽しみました。

【想像】

・この人面付土器は弥生時代鳥信仰を表現する土器であり、「鳥が飛ぶ空を意識している」人面を表現している。

・この人物は鳥信仰で実施される各種鳥儀礼で枢要な役割を果たしていた。

・この人物は白鳥、ツル、トキなどの狩猟名人であり、鳥儀礼に欠かせない羽製品を供給することができる達人であった。

・この人物は頭に鳥狩猟の際に使う実用帽子を着装している。


2023年12月15日金曜日

香印盤形土器(市原市川焼第遺跡)の展示状況素3Dモデル作成

 Creation of a 3D model of the exhibition situation of incense seal board-shaped earthenware (Ichihara City,Kawayakidai Site)


I have created a 3D model of the display situation of the incense seal board-shaped earthenware exhibited at the special exhibition "Praying for Happiness" at the Chiba City Folk Museum. It is a Buddhist altar tool that burns incense in the shape of a single stroke, with the motif of a swastika (manji).

千葉市立郷土博物館の特別展「幸福を祈る」で展示されている香印盤形土器の展示状況素3Dモデルを作成しました。卍(まんじ)をモチーフにした、一筆書き状に香を焚く仏具です。

1 香印盤形土器(市原市川焼第遺跡) 展示状況素3Dモデル

香印盤形土器(市原市川焼第遺跡) 展示状況素3Dモデル

千葉県教育委員会所蔵

撮影:千葉市立郷土博物館平成5年度特別展示「幸福を祈る -古代人の願いと造形-」

撮影月日:2023.12.13


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.507 processing 126 images


3Dモデル画像


3Dモデル動画

2 展示説明

「香印盤は、灰の上に粉末状の香を一筆書き状に盛って焼香する香道具です。梵字などの複雑な文様を「香印」と呼び、香の燃える速度が一定なので時計(香時計)としても使われました。ルーツは不明ですが、中国の隋の時代には使われています。日本で古い事例は正倉院宝物の3点の資料です。史料の記載から当初は阿弥陀悔過で使われたことがわかっています。」

川焼台遺跡出土の香印盤は8世紀後半頃の住居床面から出土し、復元径26.0cm、重さ4.9kgほどです。上総国分寺か、国府の祭祀場である稲荷台遺跡でおこなわれた悔過法要で使用されたと考えられます。

3 展示状況素3Dモデルについて

展示現場で展示物を周回撮影して、その写真から作成した素3Dモデル(不都合を調整していない出来立ての3Dモデル)を展示状況素3Dモデルと呼ぶことにします。

今後は次の理由から展示状況素3Dモデルを多用することにします。

・展示状況素3Dモデル作成は短時間で作業が終わります。

・展示状況素3Dモデルは結像が不十分であったり、穴が開いていたりしていますから、完成度という点からみると低レベルです。しかし展示状況を立体的に伝える手段としては写真よりはるかに威力のある材料となります。3Dモデル作成が目的ではなく、3Dモデルを活用して考古遺物の理解を深めることが目的ですから、展示状況素3Dモデルを活用する意味は大きいと考えます。

・展示状況素3Dモデルから対象物を切り取って調整して作成する3Dモデル(観察記録3Dモデル)はその作成労力の割りには、得られる品質は満足できないものばかりです。