2025年8月6日水曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図座標入力作業日誌(2025.08.06)

 Artifact Distribution Map Coordinate Input Log for the Shell Layer on the North Slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound (August 6, 2025)


We are continuing our efforts to acquire 3D coordinates for all artifacts in the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. To date, 30,477 artifacts have been plotted in 3D space. The 3D distribution of artifacts allows for the identification of specific dumping sites and stratification. Analysis will begin once all artifacts have been plotted.


有吉北貝塚北斜面貝層の全遺物3D座標取得活動を継続しています。これまでに3D空間にプロットした遺物は30477になります。遺物の3D分布をみると特定の投棄場所や成層構造が確認できます。分析活動は全遺物プロット後に開始します。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図データ(2025.08.06現在)

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図データ(2025.08.06現在)

30477遺物データ

3DF Zephyr v8.017でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像(上から、オルソ投影)

2 メモ

遺物の3D分布をみると特定の投棄場所や成層構造が確認できます。分析活動は全遺物プロット後に開始します。

原票(遺物分布図)からの座標読取活動とその後のデータ調整は、諸段階におけるPythonを活用した自動化により、当初と較べるとかなり効率化しています。


Blender画面(30477オブジェクトがプロットされている様子)


2025年8月5日火曜日

土坑3Dモデリングを楽しむ モデルの改良

 Enjoying 3D Pit Modeling: Model Improvements


I enjoyed improving the 3D models of the Ariyoshikita Shell Mound Pit SK657A/B/C/D. This included removing the border between the pit wall and the hole. While I'm still in the early stages of technically mastering 3D modeling of actual measurements, my interest in 3D modeling is growing.


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデル改良作業を楽しみました。土坑壁と穴の間にあった縁取面を削除するなどの改良です。実測図3Dモデリングが技術的にままならない初歩段階ですが、3Dモデリングに対する興味は増しています。

1 有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデル(改良バージョン)

有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデル(改良バージョン)

3DF Zephyr v8.017でアップロード


3Dモデル(改良バージョン)の動画


3Dモデル(改良バージョン)の画像


3Dモデル(改良バージョン)の画像

2 メモ

ブーリアン合成における特異点の存在が判ったのでブーリアン失敗がなくなり、改良作業は順調に進みました。


縁取面を生じさせないブーリアン合成の様子

3 参考 改良必要箇所


改良必要箇所

改良必要箇所の対応は全て行いました。

4 感想メモ

現在行っている3Dモデリング作業は土坑形成プロセスとは無関係の、単なる実測図の3Dモデリング作業です。

また、特定のBlenderツール特性に左右されていて、できた3Dモデルは大雑把な3Dモデル「もどき」に過ぎません。

自分がつくりたい3Dモデルは、実測図に合わせた3Dモデルではなく、縄文人が作成した形状そのものの3D復元です。そのように考えると、3Dモデリングには次の技術、プロセスが大切なような気がします。

●3Dモデリングの多様な技術(技能)の獲得。現在は1つの形状をつくる技術(技能)を1つしか知らないレベルです。1つの形状をつくる技術(技能)を3つも4つも知って、その特性を理解しておきたいです。

●遺構(例 土坑)は縄文人による形成プロセスを経て最終的な形状になっています。従って、形成プロセスを追って3Dモデリングを進めれば、最も合理的な3Dモデルができます。実測図を忠実に表現しようとするのではなく、実測図から読みとれる(想定できる)形成プロセスの順番に従って3Dモデリング作業を行うことができれば、それにより最も的確な3Dモデルをつくることができると考えます。


2025年8月4日月曜日

土坑3Dモデルの改良作業(縁取面削除)

 Improving the 3D pit model (removing borders)


The details of the 3D pit model I created were insufficient, so I began work on improving it. I worked on removing the borders, but I kept encountering hidden obstacles, making it difficult to complete.


作成した土坑3Dモデルの細部が不十分であり、改良作業に着手しました。縁取面削除に取組みましたが、伏兵が次々に現れ、難渋しています。

1 土坑3Dモデルの改良必要箇所


土坑3Dモデルの改良必要箇所

吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデルにおける改良必要箇所です。

2 縁取面削除

土坑壁の底面に掘られた穴と土坑壁に間には縁取したような面はありませんが、これまで作成した3Dモデルには縁取面ができています。それを削除しました。


縁取面削除前


縁取面削除前


縁取面削除後


縁取面削除後

3 メモ

土坑3Dモデルの改良事項は3つあり、解決イメージが出来ていたので丸1日作業で全部できるとタカを括りました。しかし実際の作業に突入すると大いに難渋しました。

縁取面削除では次の2点で難渋しました。

3-1 Blender作成3Dモデルの3DF Zephyr Liteへの移植不調

Blenderで土坑3Dモデル(穴のブーリアン合成前)を短縮手順で作成し直し、試しに3DF Zephyr LiteにWabefront(.obj)ファイルで移植したところ、面が欠けてしまいます。


3DF Zephyr Liteで面が欠けた様子

前日までの作業では、同じ障害が発生した時、BlenderからWabefront(.obj)を書き出す条件で「三角面で出力」をチェックして書き出し、それを3DF Zephyr Liteにインポートすれば障害を防ぐことができました。しかし、今回はそれができません。べジェ曲線から面を貼る時の詳細状況が影響しているようですが、解決できる道筋をみつけていません。

しかたなく、Blenderからglbファイルで書き出し、それを3DF Zephyr Liteにインポートすると障害発生がないことにたどりつき、それを利用することにします。(3DF Zephyr Liteでは極最近のバージョンアップでglbファイル入力ができるようになりました。)

3-2 Blenderのブーリアン合成の特異点に遭遇

土坑に穴を埋め込む方法としてブーリアン合成を使っています。土坑壁と穴の間に縁取面を生じさせないために、壁と底面の傾斜変換線に穴の形状を合わせる必要があります。(あるいは壁を少し削って穴を埋め込む必要があります。)この操作をする中でブーリアン合成の失敗が連続しました。試行錯誤のなかで、穴の形状によってブーリアン合成が失敗する特異点があることに気が付きました。微細な移動で特異点を避けることができることも判りました。


ブーリアン合成の結果

2025年8月3日日曜日

土坑3Dモデリングを楽しむ 3/3

 Enjoying 3D Pit Modeling - Part 3


I'm enjoying 3D modeling the Ariyoshikita Shell Mound pit. I've completed the model, consisting of the slope and bottom, by filling in 10 holes using Boolean compositing. There are still many issues with the details, but I'll leave it for future work.


有吉北貝塚の土坑3Dモデリング作業を楽しんでいます。斜面部分と底面部分からなるモデルに10箇所の穴をブーリアン合成で埋め込んで一応の完成としました。詳細部分は問題山積ですが、今後の課題とします。

1 有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデル

有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデル


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの実測図(検討図)

3DF Zephyr v8.017でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

2 3Dモデリング技術メモ

2-1 楽しいドタバタ その1

斜面部分と底面部分からなる3Dモデル(A)と穴3Dモデル(B)(10箇所ある)をブーリアン合成により合成しました(穴を埋め込みました)。Aが見かけは完成しているけれども、実体がオブジェクトの寄せ集めであったことに気が付かない時間が数時間あり、その時間では「ブーリアン合成ができない、できない」と大騒ぎになりました。

2-2 楽しいドタバタ その2

ブーリアン合成ができて、その3Dモデルを3DF Zephyr Liteにインポートすると、またしても面欠落が生じます。1時間ほど、青い顔になりましたが、結果として、BlenderでWabefront(.obj)ファイル出力するとき、「三角面化する」をチェックすると、出力ファイルを正常に3DF Zephyr Liteにインポートでき、問題解決しました。

要するに、上記Aがまだ完全に三角面化していなかったということを強制的に認知させられたのです。(3DF Zephyr は三角面しか表現できないを数年前にイタリアの事務局から教えてもらいました。)

この過程で、Blenderから他のファイル形式(glbなど)で出力して、3DF Zephyr Liteにインポートできることを知りました。

2-3 クリーンアップなど

Blenderでクリーンアップ→距離でマージで接近した頂点、辺をマージできることを知りました。頂点のマージも知りました。重要な基本技術です。

2-4 ブーリアンの挙動

ブーリアンの挙動について自分はまだ充分に理解していません。成功する状況を体験的に知っているだけです。理解をもっと深めることにします。

3 検討メモ

3Dモデリングにヒーヒー言っている状況であり、考古学的観点からの思考にいたる時間的余裕がありません。しかし、3Dモデリング作業のなかで、10箇所の穴が壁(斜面)に近い場所が多いことに気が付きました。穴の形状も壁(斜面)にオーバーハングしていたり、それに近い形状がほとんどです。これらの状況から、穴は地表環境から少しでも離れて、地下環境(例 地中温度など)にできるだけ近づこうとしている様子を読みとれます。地下の常温環境(常湿環境)を利用する施設だったような想像が頭をよぎります。


2025年8月1日金曜日

2025年7月ブログ活動のふりかえり

 July 2025 Blog Activity Review


I reflected on my July 2025 blog activities for "Walking the Hanami River Basin."

Almost every morning in July, I worked hard inputting coordinates for shell layer artifacts on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound, and in the afternoon, I enjoyed learning how to use Blender to 3D model Jomon pits.


ブログ「花見川流域を歩く」の2025年7月活動をふりかえりました。

7月はほぼ毎日、午前中は有吉北貝塚北斜面貝層遺物の座標入力作業に励み、午後は縄文土坑3Dモデリング技術習得活動(Blender操作技術習得活動)を楽しみました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・2025年7月の記事数は18です。

・ほぼ毎日午前中は有吉北貝塚北斜面貝層の遺物平面図から遺物の平面座標読取デジタル化作業に励みました。作業日誌記事を2編書きました。

・64000遺物の座標入力作業が終われば、遺物の3D空間分析が可能となります。極端に言えば、その分析活動は本邦貝塚研究活動の新基軸を形成するものです。そのような活動意義を絶えず自分い言い聞かせて、つらい入力作業を継続活動として展開できるようにしています。(つらい単純入力作業の長期継続(趣味活動としての継続活動)は千葉県小字データベース入力作業(約8万件)などで既に耐性を獲得しています。従って、今回途中でズッコケル可能性はほとんどゼロです。)

・毎日の午後は、縄文土坑の3Dモデリング活動を展開しています。具体的にはBlender操作技術習得活動です。縄文遺構の実測平面図・断面図から遺構3Dモデルを作成するのですが、入門者・初心者には時間がかかる作業です。実測平面図では表現されていない状況(例 垂直断面で、面が分岐する状況など)を、べジェ曲線で表現する技術などはこれまでの数十年の職業生活では獲得して来なかったので、苦労します。

・考古学切手記事を1編書きました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事を2編書きました。

3 2025年7月活動の特徴

3-1 平面座標入力作業のルーチン化

有吉北貝塚北斜面貝層の平面座標入力作業は、現状ではルーチン化することに成功しました。普通の社会状況では、高齢個人活動として、ほとんどその取組みがあり得ない状況と推察します。しかし、それが「本邦貝塚研究の新機軸を形成する」かもしれないと、その活動意義を考えると、自分のエネルギー湧出を際限なく招きます。

3-2 縄文遺構3Dモデリング活動

土坑等の3Dモデリング活動が面白くなっています。Blender3Dモデラー(CGデザイナー)の初歩の初歩の活動を始めています。何事にも最初があるので、初歩であることを嘆くことはないと自分に言い聞かせています。べジェ曲線の頂点番号表示と高さ線形補間に関するBlenderアドオンを作成し、3Dモデリングが大いに捗っています。このアドオンがなければ、土坑等の正確な3Dモデリング作業はほぼできません。

2025.07.11「縄文遺構実測図の縁取線(地形変換線)の高度線形補間Blenderアドオン

4 2025年8月活動の展望

8月は7月活動を継続します。なお、柏市郷土資料室で開催されている歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」で撮影した遺物の3Dモデルを作成し、楽しむことにします。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2025年7月記事

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2025年7月記事


2025年7月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2025年7月 YouTubeに投稿した動画


2025年7月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像


2025年7月31日木曜日

土坑3Dモデリングを楽しむ 2/3

 Enjoying 3D Pit Modeling, Part 2/3


I'm enjoying the 3D modeling of the Ariyoshikita Shell Mound pit. This time, I finished gluing the bottom surface. All that's left is to create the 10 holes.


有吉北貝塚の土坑3Dモデリング作業を楽しんでいます。今回は底面の面貼りをしました。残りは10箇所の穴表現です。

1 有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの斜面部分+底面部分の3Dモデリング

有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの斜面部分+底面部分の3Dモデリング


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの斜面部分+底面部分の3Dモデリング


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの検討図

2 作業メモ

斜面部分と底面部分ができましたので、残りは10箇所ある穴の表現です。穴はブーリアン合成で付加する予定です。

底面の面貼りは楽勝作業と思いきや、意外と苦労しました。

Blenderでの面貼り作業は、予期していたように確かに楽勝でした。

私はその結果を3DF Zephyr Liteにインポートして色塗りしたり、動画撮影(今回はまだしていない)したりしています。

Blender作業結果をいつものように3DF Zephyr Liteにインポートすると、今回はなぜか、三角化した面のどこかの部分が欠落してしまいます。Blender成果を3DF Zephyr Liteにインポートするというソフトの使い方は世の中でほとんどないので、参考になる情報がありません。試行錯誤の末、次のようなことが判りました。

Blenderでべジェ曲線からメッシュオブジェクトをつくり、面貼りする時、新たな辺を加えると、そのオブジェクトを3DF Zephyr Liteにインポートすると、必ず障害(面の欠落)が生じる。

Blenderでべジェ曲線からメッシュオブジェクトをつくり、面貼りする時、そのまま面を貼ると、障害は生じない。

3DF Zephyr Liteは色塗りと動画撮影に欠かせないツールなので、このツールが今後も使えることが判ったのでホッとしました。

2025年7月30日水曜日

歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」観覧

 Visiting the Historical Special Exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars"


I visited the historical special exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars," which opened at the Kashiwa City Local History Exhibition Room. The spacious venue displayed a comprehensive and systematic display of Jomon artifacts excavated in Kashiwa. The venue had a spectacular atmosphere, and I was deeply moved for the first time in a long time.


柏市郷土資料展示室ではじまった歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」を観覧しました。広い会場に柏市出土縄文遺物が総覧的でかつ体系的に展示されています。会場は壮観な雰囲気で、自分は久しぶりに感動をおぼえました。

1 歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」


企画展チラシ


会場の様子

遺物は展示室外周のショーケースに時代順に展示、説明されていて、とても判りやすい展示になっています。

多数の大形土器が会場中央に遮るものなく展示されていて、圧倒されます。

2 展示物観覧

今回訪問の主目的は、気になる遺物を見つけ、久しぶりに、カメラ撮影によりフォトグラメトリで3Dモデルを作成することでした。しかし、期待していたより実際の展示がはるかに充実しているので、じっくり展示物観覧を楽しみました。展示物を見ながら、頭に去来する縄文社会に関する感想・想像・妄想を楽しみました。

展示物観覧のなかで、多数の縄文土器や土偶等を見ながら、縄文人社会の生産力や技術力や社会複雑性のレベルをもう一度自分で学習して、社会の様子を覗き込むように知りたいという欲が強まりました。遺物そのものの情報、展示説明情報、刊行されている考古学図書などを、これまでの自分は充分に咀嚼していないことに気が付きました。このようないつもと違う感情が生まれたことは自分にとって特筆すべきことです。

なお、展示分量が多すぎて時間配分できないことに気が付き、再訪・再々訪することにし、最後にフォトグラメトリ用撮影を7遺物について行いました。

3 フォトグラメトリ用の撮影をした遺物


加曽利EⅡ式土器(柏市出山遺跡)

巨大な土器です。遮るものがない展示であり、質の高い3Dモデルができるかどうか、フォトグラメトリ作業が楽しみです。


焼町式土器(柏市大松遺跡)

ショーケースに入っていますが、全周できるので、質の高いフォトグラメトリがうまくできるか、楽しみです。

説明では「他地域の土器のことをよく知る人が、柏でこの土器をつくったのかもしれません。」と説明されています。


勝坂式土器(柏市大松遺跡)

ショーケースに入っていますが、全周できるので、質の高いフォトグラメトリがうまくできるか、楽しみです。

説明では「他地域の土器のことをよく知る人が、柏でこの土器をつくったのかもしれません。」と説明されています。


3系統キメラ土器(柏市小山台遺跡)

展示説明はありませんが、2021年開催「らくがく縄文館」(於:八千代市郷土博物館)で阿玉台式・勝坂式・七郎内Ⅱ群の3系統キメラ土器として説明されました。

この土器は過去に1回3Dモデルを作成しています。

https://skfb.ly/owLPG


土偶(柏市大室小山台遺跡)

この土偶は過去に1回3Dモデルを作成しています。

https://skfb.ly/pzECF


土偶(柏市石揚遺跡)

縄文時代早期から前期前半につくられた初期の土偶として特に珍しく希少なものとして説明されています。


鳥形把手(柏市寺下前遺跡)

説明はありませんが、鳥の顔が直接表現されていて興味が深まります。


2025年7月28日月曜日

土坑3Dモデリングを楽しむ 1/3

 Enjoying 3D modeling of a pit 1/3


I'm enjoying 3D modeling the pit at Ariyoshi Kita Shell Mound (a pit with four cuts in between). 3D modeling of the sloped part is finished. The arrangement of pits A, B, and C cannot be considered a coincidence.


有吉北貝塚の土坑(4つが切りあっている土坑)の3Dモデリング作業を楽しんでいます。斜面部分の3Dモデリングが終わりました。なお、A土坑、B土坑、C土坑の配置は偶然とは考えられません。

1 有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの斜面部分3Dモデリング


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの斜面部分3Dモデリング


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの斜面部分3Dモデリング


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの斜面部分3Dモデリング


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの検討図

2 作業メモ

3Dモデリング作業は斜面部分→底面付加→穴付加(ブーリアン合成)という3段階作業で進めています。この記事では斜面部分だけの作業結果を示しています。

斜面部分は作業区域分割→分割部分毎に検討図から3D形状読み取り(イメージ)→3Dイメージのべジェ曲線に基づくモデリング(面貼り)というステップを踏んでいます。

平面図(検討図)で2本のべジェ曲線が完全に重なり、さらにその内の1本が立面図で見ると分岐する場合があります。あるいはべジェ曲線が垂直線になる場合があります。そうした状況を即座に理解できる能力が、慣れがないので、とても虚弱で手こずっています。

3 感想メモ


斜面部分3Dモデリング(上から、オルソ投影)


土坑の平面配置

現在は土坑を事例に、3Dモデリング習熟活動をしています。まだ、考古学的観点からの検討に入れる状況ではありません。しかし、否が応でも、考古学的観点からの問題意識が生まれてしまいます。

A土坑とB土坑は図面で判断すると、切りあっています。A土坑とB土坑は特別な関係があったに違いないと想像を刺激されます。姻戚関係があるような2家族の土坑でしょうか。A土坑とB土坑はつながっている大きな空間だったのでしょうか。

C土坑はA土坑とB土坑の交差部分を中心に、それぞれの土坑の面積を均等に使うように掘られています。とても偶然とは考えられません。A土坑とB土坑の背後に姻戚関係が感じられるように、C土坑とA・B土坑にも世代を経た血縁関係を感じてしまいます。A家族とB家族の双方に血縁のある後代のC家族がC土坑をわざと廃A・B土坑の土地につくったということでしょうか。



2025年7月27日日曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図座標入力作業日誌(2025.07.27)

 Log of inputting coordinates for artifact distribution map of shell layer on north slope of Ariyoshi Kita Shell Mound (2025.07.27)


We are promoting the activity of acquiring 3D coordinates for all artifacts in the shell layer on the north slope of Ariyoshi Kita Shell Mound. So far, the 3D distribution of 21,760 artifacts has been clarified. Several disposal (burial) flow routes of artifacts have emerged. We look forward to the further information and analysis in the future.


有吉北貝塚北斜面貝層の全遺物3D座標取得活動を推進しています。これまでに21760遺物の3D分布が明らかとなりました。遺物の投棄(埋納)流動ルートが幾つか浮かび上がってきました。今後の情報充実とその分析が楽しみです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図データ(2025.07.27現在)

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図データ(2025.07.27現在)

21760遺物データ

3DF Zephyr v8.017でアップロード


3Dモデリングの動画


3Dモデリングの画像


3Dモデリングの画像

2 メモ

遺物分布図データをみると、遺物の投棄(埋納)流動ルートが幾つか浮かび上がってきました。今後の情報充実とその分析が楽しみです。

3 技術メモ

これまでに作業対象とした遺物は全部で25653遺物(全体の40%)で、そのうち3D座標が揃った遺物は21760遺物です。これまでのところでは、遺物の約85%について3D座標を取得できています。残りの15%遺物は、その多くが遺物台帳で「一括」として扱われ、高さ情報(Z座標)はありますが、平面座標(XY座標)はありません。

将来の検討課題として、「一括」扱い遺物の3D座標仮想付与があると考えています。発掘活動のなかで、ある一定活動(一区切りの活動)の結果得た後、その活動で生まれた「個別記録に値しない遺物群」を「一括」扱いで記録しています。従って「一括」扱いの遺物群はそれが記録される前の「一定活動」に対応しています。その「一定活動」は当該「一括」扱いの前の「一括」遺物群以降の活動であることが判ります。一方、遺物台帳から、「一括」に対応する「一定活動」の遺物範囲が判ります。従って、「一括」遺物のXY座標範囲をかなり絞り込むことができます。

「一括」遺物群のドンピシャの位置は判りませんが、ある程度の誤差を容認すれば、「一括」遺物のXY座標の仮想付与が可能であると考えます。分析内容によっては「一括」遺物の仮想3D座標を含んだデータを分析に使うことも有効であると考えます。


2025年7月24日木曜日

土坑部分の概略3Dモデリング

 Rough 3D modeling of the pit section


I did a rough 3D modeling of the small overhanging part of the Jomon pit where four pits cut each other. By doing the rough 3D modeling, I was able to correct my misunderstanding.


4つの土坑が切りあっている縄文土坑のオーバーハング小部分について、概略3Dモデリングをしました。概略3Dモデリングをすることにより、自分の勘違いを訂正できました。

1 有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/D部分の概略3Dモデリング


吉北貝塚土坑SK657A/B/C/D実測図の検討図をBlenderにプロットした画面


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/D実測図の検討図をBlenderにプロットした画面(部分3Dモデリング結果表示)


3Dモデリングのために描画したべジェ曲線


作成した3Dモデル


作成した3Dモデル


作成した3Dモデル


作成した3Dモデル

2 メモ

当初作成した3Dモデルは間違っていました。


当初作成した間違った3Dモデルと訂正して3Dモデル

この土坑は当初土坑2つを新たな土坑が切っている部分にオーバーハング部分があるのですが、最初作成した3Dモデルは当初土坑裾線の定高性が保たれていませんでした。この初歩的なミス・勘違いは、自分は、3Dモデルを実際に作成してはじめて気が付くことができました。