この記事では加曽利博今年度企画展展示土器「加曽利EⅡ式深鉢(佐倉市神門房下遺跡D地点)企7」について観察します。(注 「企7」はこのブログにおける整理番号です。)
29 R元年度加曽利E式企画展(印旛地域編) 加曽利EⅡ式深鉢(佐倉市神門房下遺跡D地点)企7
29-1 展示状況写真
加曽利EⅡ式深鉢(佐倉市神門房下遺跡D地点)企7
29-2 3Dモデル
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」
撮影月日:2019.11.19
整理番号:企7
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 46 images
29-3 展開写真
3DモデルからGigaMesh Software Frameworkで作成
29-4 観察
器形観察
・胴部と口縁部の間でくびれています。くびれ部には2本の深い沈線が周回します。
・口縁部はラッパ形でキャリパー形ではありません。
・口唇部は特別のしつらえはありません。
段構成観察
・口縁部と胴部の2段構成になっています。
文様観察
・口縁部は無紋となっていて大変特徴的です。加曽利EⅡ式土器の最大の特徴である渦巻文や区画文がありません。縄文もありません。
・胴部は縄文を切って2本の沈線が大きく波状して周回しています。
胴部に沈線が波状して周回する様子
・胴部と口縁部の間でくびれています。くびれ部には2本の深い沈線が周回します。
・口縁部はラッパ形でキャリパー形ではありません。
・口唇部は特別のしつらえはありません。
段構成観察
・口縁部と胴部の2段構成になっています。
文様観察
・口縁部は無紋となっていて大変特徴的です。加曽利EⅡ式土器の最大の特徴である渦巻文や区画文がありません。縄文もありません。
・胴部は縄文を切って2本の沈線が大きく波状して周回しています。
胴部に沈線が波状して周回する様子
29-5 感想
・胴部周回波状沈線の様子から連弧文系の土器であると考えます。
・加曽利EⅡ式土器と随伴して出土することから、その時期が加曽利EⅡ式期であるという意味で加曽利EⅡ式土器の仲間に入れられているものと考えます。
・3Dモデル及び写真で見る限り被熱による下部白色化部が見られません。また形状が全体にズングリムックリしています。水瓶として使われた他の土器例に形がにています。煮炊きにつかったのではなく水や食物の保存につかった土器かもしれません。
・加曽利EⅡ式土器と随伴して出土することから、その時期が加曽利EⅡ式期であるという意味で加曽利EⅡ式土器の仲間に入れられているものと考えます。
・3Dモデル及び写真で見る限り被熱による下部白色化部が見られません。また形状が全体にズングリムックリしています。水瓶として使われた他の土器例に形がにています。煮炊きにつかったのではなく水や食物の保存につかった土器かもしれません。
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参考 加曽利E式土器観察の視点
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