2020年2月27日木曜日

我孫子市湖北郷土資料室の意匠充填系土器

縄文土器学習 359

現在、加曽利貝塚博物館E式土器企画展の展示土器について学習していますが、この記事では関連参考として、以前我孫子市湖北郷土資料室で観覧した意匠充填系土器を観察します。

1 加曽利EⅢ式深鉢形土器 鹿島前遺跡 観察記録3Dモデル

加曽利EⅢ式深鉢形土器 鹿島前遺跡 観察記録3Dモデル
撮影場所:我孫子市湖北郷土資料室
撮影月日:2019.08.14
ガラスショーケース越し撮影のため難点多
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.506 processing 24 images

展示の状況
4面ガラス張のショーケースに天井の蛍光灯が激しく反射していました。

2 3Dモデル展開写真
GigaMesh Software Frameworkを使って3Dモデルから展開写真を作成しました。

加曽利EⅢ式深鉢形土器 鹿島前遺跡 展開写真 1

加曽利EⅢ式深鉢形土器 鹿島前遺跡 展開写真 2
隆帯の連続性等をより正確に観察するために色合いは無視して、1と異なる調整により作成したものです。

3 観察と感想
・上段と下段に2本隆帯による渦巻文がつなげられて配置していますが、復元されていない最下段部にも隆帯による区画文(?)があるようで、その一部がみえます。
・個別渦巻文の変形度合いが強い土器であるという印象を受けます。下段中央の渦巻文は渦巻になっていないといってもよいほどです。
・上段渦巻文は隆帯でそれを描いた後、最後に隣の渦巻文と1カ所で繋いでいる様子が見えますが、下段の渦巻文と区画文は連続して充填されています。意匠充填の仕方(手順)が上下で少し違うようです。
・渦巻の先端が少し膨らんでいます。つる草の先端が丸まって伸びている様子をイメージしているようです。膨らんで表現しているものは、さらに小さくクルクル渦をまいている様子であると想像します。
・意匠充填系土器といってもその文様は土器1つ1つで違い、見ていて飽きが来ません。

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