2020年6月12日金曜日

鳥浜貝塚出土石斧柄

縄文木製品学習 12

鳥浜遺跡に関する一般解説書を入手して学習を進めていますが、石斧柄が沢山出土していて、石斧柄の作り置きなどの活動が判明していて興味深いのでメモします。

1 石斧柄の出土

鳥浜遺跡出土石斧柄の出土状況
田中祐二著「縄文のタイムカプセル 鳥浜貝塚」から引用

石斧柄
田中祐二著「縄文のタイムカプセル 鳥浜貝塚」から引用

・縄文前期から縦斧と少数横斧が出土している。縦斧は樹木伐採、粗割用、横斧は手斧(ちょうな)で削り加工用。
・未成品が大量に出土していることから、柄の破損時にすぐ取り換えが可能になるようにあらかじめ未成品予備品を貯蔵し、計画的に製品化していた可能性が考えられている。

2 石斧柄の加工の想定

石斧柄の原木からの取り出し方と加工の想定
森川昌和・橋本澄夫著「鳥浜貝塚 縄文のタイムカプセル」(1994、読売新聞社)から引用

・柄の作り方は幹と枝を利用している。トリハマタイプと呼ばれる。
・台部を大きくして石斧を重いものにすることにより威力を増大させている。
・柄を細身にすることでしなやかに力を吸収して折れることを防いでいる。

3 感想
・石斧の展示物はこれまで何度も観察しましたが、道具としての石斧全体像を鳥浜貝塚資料から初めて知りました。
・多数の工夫が施されて石斧がつくられていて驚きます。特にソケット部の存在を今回初めて知りました。

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