2020年6月23日火曜日

縄文晩期安行3b式土器外1点(千葉市加曽利貝塚) 観察記録3Dモデル

縄文土器学習 411

加曽利貝塚博物館企画展「特別史跡加曽利貝塚令和元年度発掘調査速報展」で展示されている縄文晩期安行3b式土器外1点の観察記録3Dモデルをつくりました。

1 縄文晩期安行3b式土器外1点(千葉市加曽利貝塚) 観察記録3Dモデル

縄文晩期安行3b式土器外1点(千葉市加曽利貝塚) 観察記録3Dモデル
右:縄文晩期安行3b式土器、85号竪穴住居跡出土
左:縄文後期安行2式土器
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「特別史跡加曽利貝塚令和元年度発掘調査速報展」
撮影月日:2020.06.17
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 98 images

展示の様子

展示の様子 加工グラフィック

動画

2 メモ
・縄文後期安行2式土器は黒色土層出土(平成29年度調査)で2019.06.12記事「安行1式・2式土器の観察」で写真を紹介しました。
・縄文晩期安行3b式土器(85号竪穴住居跡出土)は5単位波状把手が王冠のように見える深鉢で、この個体も前の企画展でも展示されていて、2019.06.14記事「安行3a式・3b式土器の観察」で写真掲載しています。

3 安行式土器出土千葉県遺跡数について
安行式土器出土千葉県遺跡数の統計を取ると次のようになります。

千葉県安行式土器細分情報別出土遺跡数

千葉県安行3式土器細分情報別出土遺跡数
安行式土器は安行1式→2式→3式と遺跡数が減少しますが、細分情報でも3a式→3b式→3c式→3d式と減少します。このことから安行式期の社会の縮小が継続的かつ定常的に進行したことが判ります。
安行3b式期は社会崩壊の過程のなかでもまだ踏ん張っていた最後の時期です。

この遺跡数減少=社会崩壊の理由について遺構の状況とか出土遺物の種類・量等から推定できることはないか、じっくり検討したいと考えています。
この社会崩壊(人口減少)が「気温低下による食糧不足」であるのか、それとも別の理由によるものであるのか明らかにできるよう学習を進めることにします。
安行3b式頃の加曽利貝塚出土物をみると食糧生産にかかわらない品が多く、食料不足に悩む集落の様子は伝わってきません。逆に豊かな様子が伝わってきます。

……………………………………………………………………
追記(2020.06.26)

右:縄文晩期安行3b式土器、85号竪穴住居跡出土の展開図
上記3DモデルからGigaMesh Software Frameworkで作成

左:縄文後期安行2式土器の展開図
上記3DモデルからGigaMesh Software Frameworkで作成

0 件のコメント:

コメントを投稿