ラベル 八千代市立郷土博物館 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 八千代市立郷土博物館 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年10月20日水曜日

鳥頭形突起付土器の未調整素3Dモデル

 八千代市立郷土博物館で開催中の「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」で展示されている「鳥頭形突起付土器(加曽利EⅣ式)印西市馬込遺跡」の未調整素3Dモデルの動画です。


鳥頭形突起付土器の未調整素3Dモデル動画

狭いショーケース(3面ガラス、1面鏡)の隅という条件のもとで100枚以上の写真を撮影してできた最初の素モデルで、これから対象物を切り抜き調整して観察記録3Dモデルを作成します。


展示の様子

2021年10月19日火曜日

八千代市立郷土博物館「らくがく縄文館」観覧

 八千代市立郷土博物館で開催されている「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」(主催:公益財団法人千葉県教育振興財団)を観覧してきました。

1 らくがく縄文館の趣旨

らくがく縄文館はいただいたパンフレット等によると次のような趣旨で開催されている事業です。

「研究者や芸術家をはじめ、多くの人々を魅了し続ける「縄文土器」。その研究テーマは、土器型式や地域性、文化、製作技法などの考古学に関わるものから、芸術的観点からみた造形美など、きわめて多岐にわたり、数多の「マナビ」を秘めています。令和3年度の出土遺物公開事業では、“えりすぐり”の縄文土器を県内外から集結させ、一挙大公開します。「らくがく縄文館」で縄文土器が秘めた「マナビ」に楽しみながら触れてみてください。」

千葉県出土縄文土器の優品を一挙に公開して縄文土器に興味を持つ市民に楽しんでもらう、学習してもらうという趣旨です。

2 展示の様子


入り口


展示の様子

次の5つの章に分かれて300の縄文土器が展示されています。説明パネルも大変充実しています。

第1章 縄文土器の美妙

第2章 縄文土器のライフサイクル

第3章 土器型式と標式遺跡

第4章 土器型式の移り変わり

第5章 土器型式から見る地域性と文化の広がり

3 最初に興味をもった土器

最近の自分は縄文土器そのものだけでなく「縄文時代と鳥との関係」とか「土偶」とかについても興味があります。そうした興味から、まず探したのが鳥関連土器です。ありました「鳥頭形突起付土器」。土器に鳥が付いた様子は初めてみるので感激です。


鳥頭形突起付土器(加曽利EⅣ式)印西市馬込遺跡

鳥頭形突起も4つ展示されています。


鳥頭形突起(すべて加曽利EⅣ式)

土偶そのものの展示はありませんが、縄文後晩期土器の顔面貼付文は興味が深まります。


土器内面の顔面貼付文(加曽利B式)鎌ヶ谷市中沢貝塚

勝坂式土器もいままで見たことがないものばかりで興味が深まります。


深鉢(勝坂Ⅰ式)市川市鳴神山A貝塚


動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)船橋市ユルギ松遺跡

異形台付土器も初めて見る器形のものがあり視線が釘付けになります。


異形台付土器(加曽利B3式)佐倉市宮内井戸作遺跡

興味のあるものについて3Dモデル作成用撮影をしていたら4:30閉館のメロディーが流れました。

4 配布資料

パンフレット2点、展示物リスト、しおりをいただきました。パンフレットは1冊の内容充実図書です。お土産(しおり)付きとはうれしいかぎりです。


パンフレット2点


展示物リスト、しおり

5 感想

らくがく縄文館はまるで自分の興味の対象を知っている人が、それに合わせて展示したような錯覚をおぼえる大変うれしい展示です。主催者の公益財団法人千葉県教育振興財団と八千代市立郷土博物館に感謝感謝です。

八千代市立郷土博物館における開催期間は10月16日~12月5日ですからまだ1ヵ月半あります。八千代市立郷土博物館は車で自宅から10分の至近距離にある博物館です。またとないラッキーチャンス到来です。多数回訪問して興味のある土器について観察を楽しみ、できるだけ多数について観察記録3Dモデルをつくりたいと思います。


2021年5月13日木曜日

八千代市立郷土博物館縄文企画展の観覧

 縄文土器学習 600

八千代市立郷土博物館で現在開催中の企画展「印旛沼南西岸の縄文文化~やちよの縄文~」を観覧してきました。開催期間(2021.04.24~06.13)。


企画展会場入り口

八千代市の縄文遺跡から出土した遺物が八千代市所蔵分の外、船橋市所蔵分及び千葉県所蔵分を含めて展示されています。特に千葉県森宮分室から運ばれてきたものに興味を引くものが多く、普段の常設展とは異なる企画展ならではの充実さが感じられます。


展示の様子


配布資料

展示は早期から晩期・弥生までの時代の流れに沿って並んでいます。その中で八千代市域における縄文社会の盛衰について説明しています。

撮影できる資料(八千代市所蔵分)で興味深いものについて3Dモデル作成用の撮影を行いました。


縄文時代早期前葉深鉢(八千代市権現後遺跡)


縄文時代早期前葉土偶(八千代市上谷遺跡)

以前ぜひとも見たいと渇望したことのあるイノシシ形土製品も展示されていて、ラッキーでした。小さいものですから望遠で拡大して3Dモデル用撮影をしましたが、手振れの影響がどれだけあるのか気になります。これから作成する3Dモデルの出来が気になります。


縄文時代中期初頭イノシシ形土製品(八千代市上谷遺跡)

参考 ブログ「芋づる式読書のメモ」2018.04.02記事「上谷遺跡動物形土製品

配布されている展示物リストをみると109点の遺物と植物標本8点が展示されています。今回は企画展展示の全貌をみて幾つかの3Dモデル作成用撮影を行いましたが、十分に観察しきれないのでまた改めて訪問することにします。なお、八千代市立郷土博物館は自宅から最も近い距離にある縄文遺物展示施設ですから気軽に訪問することができます。

観覧の最後に常設展で展示されている平安時代人面刻書土器の3Dモデル用撮影を行いました。この人面刻書土器は以前から強く興味を持っているものです。3Dモデル用撮影という視点から言えば、この土器の光線環境は劣悪ですから最低限の3Dモデルが出来るかどうか、不安と楽しみが混ざります。


人面刻書土器(八千代市上谷遺跡)

参考 2015.09.20記事「ヘラ書き土器の意味


2019年6月12日水曜日

安行1式・2式土器の観察

縄文土器学習 153

縄文土器を形式別に観察しています。
この記事では安行1式、2式土器を観察します。

1 安行1式土器

曽谷~安行1式の深鉢
八千代市佐山貝塚出土
八千代市立郷土博物館展示

安行1式深鉢
内野第1遺跡出土
加曽利貝塚博物館展示
観察記録3Dモデルを2019.06.09記事「安行1式深鉢 内野第1遺跡出土 観察記録3Dモデル」に掲載しています。

佐山貝塚出土深鉢と加曽利貝塚出土深鉢の形状と模様がよく似ています。双方とも口縁部に対向する孔があいています。

2 安行2式土器

安行2式深鉢
加曽利貝塚出土
加曽利貝塚博物館展示

安行2式注口土器
加曽利貝塚出土
加曽利貝塚博物館展示

3 安行式土器について 日本土器事典抜粋
「関東地方の縄紋時代後期後半から晩期中葉にかけての型式で、1式・2式・3a式・3b式・3c式・3d式に細分され、1式と2式は後期に、3a式~3d式は晩期に属する。
埼玉県安行村領家猿貝貝塚(当時)の資料をもとに、山内清男が設定し、埼玉県真福寺貝塚・同泥炭層遺跡、茨城県岩井貝塚などの資料に従って1式・2式と亀ケ岡式土器に共存する3式に細分され、その後埼玉県奈良瀬戸遺跡、茨城県広畑貝塚などの資料から3a式から3d式に至る区分が確定したが、細部においてはなお議論があり、とくに3b式から3c式にかけてその傾向が著しい。
安行1式(図1-1~5)は後期後半、曽谷式直後で、形態装飾上似たものを含み、加曽利B式以来の伝統も続く。
安行2式(図1-6~17)は後期終末に位置し、安行1式から多くを踏襲する一方で、次式へと続く新たな形態も登場する。」

安行1式土器

安行2式土器

4 安行1式土器、安行2式土器の較正年代

安行1式土器、安行2式土器の較正年代
小澤政彦先生講演「東関東(千葉県域)の加曽利E式」資料(2019.02.24)では後期安行式の較正年代が3370~3220年前calBPとなっています。

5 安行式土器出土遺跡の分布

安行式土器出土遺跡分布
私家版千葉県遺跡データベースによる
安行1・2・3式を含む

安行式土器出土遺跡分布 ヒートマップ
私家版千葉県遺跡データベースによる
安行1・2・3式を含む

参考
加曽利B式土器出土遺跡分布
私家版千葉県遺跡データベースによる
加曽利B1・2・3式を含む

加曽利B式土器出土遺跡分布 ヒートマップ
私家版千葉県遺跡データベースによる
加曽利B1・2・3式を含む

安行式土器出土遺跡数(400)は加曽利B式土器出土遺跡数(874)から半減しています。半減の様子は特定地域で減少するのではなく千葉県全域で満遍なく現象しているように観察できます。人口減少によりこれまで存在していた子集落・孫集落が廃され親集落に集約された様相を推察します。
より詳しい土器形式細分別遺跡分布図は縄文全期について追って作成し項目を立てて検討します。

……………………………………………………………………
学習チェックリスト

2019年5月16日木曜日

縄文丸木舟の3Dモデル

八千代市立郷土博物館展示縄文丸木舟(全長6m超 複製)の3Dモデル作成が出来ましたのでメモします。
3回目のチャレンジでようやく3Dモデルが作成できました。

縄文丸木舟の3Dモデル(3DF Zephyr Lite画面)
写真79枚から作成したものです。
土器のような小さなものだけでなく大きなものも3Dモデルにすることができました。
モデルのファイルサイズが50MBを超え、Sketchfab無料版ではアップロードできないので残念ですがWEB上での3D画面共有は断念します。

縄文丸木舟展示の様子
八千代市立郷土博物館展示

参考 出土経緯
昭和25年(1950)11月に印旛沼干拓工事の排水路掘削現場で丸木舟が発見されました。千葉県教育委員会は早稲田大学考古学研究室に調査を依頼し発掘調査を実施しました。
 丸木舟は地表面から1.6m下の泥炭層から出土し、周辺の泥炭層から縄文土器が出土しました。土器の時期が縄文時代晩期(約3000年前)であったことから、丸木舟も同時代のものと判断されました。
丸木舟の材質はカヤで、残存する部分の長さは6.54mありました。船底4箇所に刳り残しの形で横梁があり、船体の強化を図っていることから、単純な刳り舟から技術的に一歩進んだ形態を示しています。

参考 八千代市保品出土丸木舟 全景
早稲田大学考古学研究室提供

参考 八千代市保品出土丸木舟 船首部分
早稲田大学考古学研究室提供

参考 八千代市保品出土丸木舟 船尾部分
早稲田大学考古学研究室提供


2019年5月13日月曜日

阿玉台式土器 注口付舟形鉢形土器(ヲサル山遺跡出土) 展示3Dモデル

縄文土器学習 121

阿玉台式土器「注口付舟形鉢形土器」(八千代市ヲサル山遺跡出土)の展示3Dモデルを掲載します。

阿玉台式土器「注口付舟形鉢形土器」(八千代市ヲサル山遺跡出土)の展示3Dモデル
八千代市立郷土博物館展示

阿玉台式土器「注口付舟形鉢形土器」(八千代市ヲサル山遺跡出土)展示状況
八千代市立郷土博物館展示

・舟形は現代人からみた形容であり、鳥をイメージして造形されたかもしれないと空想しました。

参考 古墳時代 水鳥形土製品 千葉市南二重堀遺跡出土
千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示

阿玉台式土器 浅鉢(ヲサル山南遺跡出土) 展示3Dモデル

縄文土器学習 120

阿玉台式土器浅鉢(八千代市ヲサル山南遺跡出土)の展示3Dモデルを掲載します。

阿玉台式土器浅鉢(八千代市ヲサル山南遺跡出土)展示3Dモデル
八千代市立郷土博物館展示

阿玉台式土器浅鉢(八千代市ヲサル山南遺跡出土)展示状況
八千代市立郷土博物館展示

・胴部は無文のようです。
・口縁部の渦巻文+長矩形区画文は加曽利E式に似ています。

参考 ヲサル山南遺跡の場所と情報
ちば情報マップ 埋蔵文化財包蔵地より

……………………………………………………………………
技術メモ
展示物の3Dモデルを作成する場合、対象物だけを切り取って3Dモデルを作成するより、周辺の状況も含めて3Dモデルを作成する方がきれいにできることを体験しています。対象物だけを切り取ると、ソフトがどうしても必要な「補完」をするため、それが除去不能のゴミになるからだと想像しています。

阿玉台式土器 加曽利貝塚など

縄文土器学習 119

縄文土器を形式別に観察しています。
この記事では加曽利貝塚博物館に展示されている縄文中期阿玉台式土器(加曽利貝塚出土)と八千代市立郷土博物館に展示されている同(ヲサル山遺跡出土)を観察します。

1 阿玉台式土器(加曽利貝塚出土)の観察

阿玉台式土器(加曽利貝塚出土) 加曽利貝塚博物館展示

2 阿玉台式土器(ヲサル山遺跡出土)の観察

阿玉台式土器(ヲサル山遺跡出土) 八千代市立郷土博物館展示

八千代市立郷土博物館には別に次の2点の阿玉台式土器が展示されています。
・浅鉢(ヲサル山南遺跡出土)
・注口付舟形鉢形土器(ヲサル山遺跡)
この2点は3Dモデルを作成しましたので、別記事で紹介します。

3 「日本土器事典」の阿玉台式土器に関する記述抜粋
「阿玉台式土器は、主に関東地方東部に分布し、中部地方から関東地方西部に分布する勝坂式土器とともに、縄文時代中期前半期に大きな編年的位置を占めている。
阿玉台式土器の研究には二つの流れがある。一つは、高橋良治らを中心とした阿玉台式土器の3期区分案で、第1段階に阿玉台式土器が単独で出土する段階、第2段階に勝坂式土器と伴出する段階、第3段階に加曽利E式土器と伴出する段階とし、A~Cの3型式を設定した。これに対して、西村正衛は、利根川下流域を中心とする一連の貝塚調査で得られた資料を型式学的に分析するなかで、阿玉台式の発生から終末までの様相を詳しく論じた。これによれば、阿玉台式土器は第Ⅰ類から第Ⅳ類に分かれ、第Ⅰ類はa、b種に細分される。この分類はそのまま型式名称として用いられ、現在Ia、Ib、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ式の細分案が普及している。
阿玉台式土器の特徴を一言でいい表わすのは困難であるが、Ib式に代表されるように扇状あるいは山形板状の発達した把手をもつ口縁部と、頸部無文帯を挟んで簡素な隆線文をもつ胴部からなる深鉢形土器が特徴で、同時期に展開する勝坂式土器の、重畳する文様帯や発達した隆帯装飾文と比較して、対照的な土器と言えよう。」
「日本土器事典」から引用

4 感想
「日本土器事典」や「千葉県の歴史」あるいはWEBをみると阿玉台式の異様な把手土器等多様な事例が掲載されています。それらの事例を多数見なければ阿玉台式土器のイメージを持つことが困難であると実感しました。しかし阿玉台式土器を多数集めて展示している博物館等が近隣には無いようです。したがって実物を見ながら土器学習をすることの実務上の限界を感じました。
とりあえず縄文土器全形式を「通り一遍」のラフな通し学習で行い、次のステップで写真集や図録等の積極的活用と結びつけた2巡目の実物観察活動をしたいと思います。

5 阿玉台式土器の較正年代

阿玉台式土器の較正年代
小澤政彦先生講演「東関東(千葉県域)の加曽利E式」資料(2019.02.24)では阿玉台式土器の較正年代は掲載されていませんが、併行している勝坂式土器の較正年代が5310~4950年前calBPとなっています。

6 参考 加曽利貝塚、ヲサル山遺跡の場所と情報

加曽利貝塚 ちば情報マップ 埋蔵文化財包蔵地より

ヲサル山遺跡 ちば情報マップ 埋蔵文化財包蔵地より

阿玉台式土器出土遺跡の分布図は勝坂式分布図と比較しましたので別記事で掲載します。

……………………………………………………………………

学習チェックリスト



2019年5月12日日曜日

五領ヶ台式土器 上谷遺跡

縄文土器学習 117

縄文土器を形式別に観察しています。
この記事では八千代市立郷土博物館に展示されている縄文中期五領ヶ台式土器2点(上谷遺跡出土)を観察します。

1 五領ヶ台式土器展示の様子

八千代市立郷土博物館における五領ヶ台式土器(上谷遺跡出土)展示の様子

2 無文のような印象を受ける深鉢

無文のような印象を受ける深鉢

無文のような印象を受ける深鉢 拡大
細い沈線による渦巻きを含む模様が見られますが、全体では無文に近いような印象を受けます。

3 Y字状模様を強調した鉢

Y字状模様を強調した鉢

Y字状模様を強調した鉢 上半部拡大

Y字状模様を強調した鉢 下半部拡大
Y字状模様は深い沈線で描かれています。
口唇部に4つの小突起があります。小突起の下に土器内外を貫通する小孔があります。また小突起の下にアーチ状の突起があります。(外面の左右に小孔が貫通しています。)

4 出土状況

出土状況写真(展示写真)

出土状況説明(展示)
2つの土器は土坑に埋納されたもので完形で出土したようです。説明では土坑は墓と推測されています。

5 印象(空想)
のっぽで無文に近い土器と幅広で背丈の低い土器が一緒に出土している状況は異形台付土器の出土状況と似ています。

2つの異形台付土器例(加曽利B3式期 加曽利貝塚博物館展示 出土実物)

無文のような印象を受ける深鉢とY字状模様を強調した鉢がそれぞれ男と女を表現している可能性があり、それぞれ実用土器ではなく祭具として作られて、異形台付土器がそうであったように祭場に完形で残されたという可能性も一考の価値ありと考えます。

3Dモデル、較正年代、千葉県域分布等は次の記事で記述します。

……………………………………………………………………

学習チェックリスト