縄文土器を形式別に観察しています。
この記事では八千代市立郷土博物館に展示されている縄文中期五領ヶ台式土器2点(上谷遺跡出土)を観察します。
1 五領ヶ台式土器展示の様子
2 無文のような印象を受ける深鉢
無文のような印象を受ける深鉢
無文のような印象を受ける深鉢 拡大
細い沈線による渦巻きを含む模様が見られますが、全体では無文に近いような印象を受けます。
3 Y字状模様を強調した鉢
Y字状模様を強調した鉢
Y字状模様を強調した鉢 上半部拡大
Y字状模様を強調した鉢 下半部拡大
Y字状模様は深い沈線で描かれています。
口唇部に4つの小突起があります。小突起の下に土器内外を貫通する小孔があります。また小突起の下にアーチ状の突起があります。(外面の左右に小孔が貫通しています。)
4 出土状況
出土状況写真(展示写真)
出土状況説明(展示)
2つの土器は土坑に埋納されたもので完形で出土したようです。説明では土坑は墓と推測されています。
5 印象(空想)
のっぽで無文に近い土器と幅広で背丈の低い土器が一緒に出土している状況は異形台付土器の出土状況と似ています。
2つの異形台付土器例(加曽利B3式期 加曽利貝塚博物館展示 出土実物)
無文のような印象を受ける深鉢とY字状模様を強調した鉢がそれぞれ男と女を表現している可能性があり、それぞれ実用土器ではなく祭具として作られて、異形台付土器がそうであったように祭場に完形で残されたという可能性も一考の価値ありと考えます。
3Dモデル、較正年代、千葉県域分布等は次の記事で記述します。
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