2021年1月24日日曜日

中峠5次2住型深鉢(柏市大松遺跡) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 531

有吉北貝塚学習に関連して中峠式土器を学習してます。この記事では中峠5次2住型深鉢(柏市大松遺跡)を3Dモデルで観察します。

1 中峠5次2住型深鉢(柏市大松遺跡) 観察記録3Dモデル

中峠5次2住型深鉢(柏市大松遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」 

撮影月日:2021.01.06 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 54 images


展示の様子


展示の様子


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャ


GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッド


GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析用加工

3 観察メモ

2021.01.07記事「中峠5次2住型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル」で観察した中峠5次2住型深鉢(松戸市中峠遺跡)と文様構成がよく似ています。


中峠5次2住型深鉢(松戸市中峠遺跡)

中峠5次2住型深鉢(松戸市中峠遺跡)は胴部に縄文が施文されていますが、中峠5次2住型深鉢(柏市大松遺跡)は縄文ではなく櫛状施文具をつかった幅広の引っかき傷を縦方向に向けて蛇行させて施文しています。


中峠5次2住型深鉢(柏市大松遺跡)の文様

口縁部のS字状隆線文様は水流を表象していると空想します。


中峠0地点型深鉢(松戸市紙敷遺跡) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 530

有吉北貝塚学習に関連して中峠式土器を学習してます。この記事では中峠0地点型深鉢(松戸市紙敷遺跡)を3Dモデルで観察します。

1 中峠0地点型深鉢(松戸市紙敷遺跡) 観察記録3Dモデル

中峠0地点型深鉢(松戸市紙敷遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」 

撮影月日:2021.01.06 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 44 images


展示の様子


展示の様子


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャ


GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッド


GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析用加工

3 観察メモ

2021.01.23記事「中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡) 観察記録3Dモデル」で観察した「中峠0地点型深鉢」と土器文様構成はよく似ています。違う点は口縁部の刻み隆線が蛇行していない点です。渦が付く点では同じです。

口縁部文様の「図」像(※)を抜き出してみました。


口縁部の文様

刻み隆線、連続コの字状文(隆線)、蛇行沈線、沈線が観察できます。これらの文様構成要素はその連続性を追うとテキトーに変化して造形されていて、厳密な約束事には基づいていない様相が感得できます。刻み沈線は穴のある把手から連続して画面中央付近で渦を巻きます。沈線により渦巻が作られています。穴のある把手は自噴泉から勢いよく噴出する水を、そこから流れ出た水が画面中央の渦で土器内部に流れ込むというストーリーが暗示されます。

口縁部文様から受ける印象からは、全ての文様構成要素が水流を表象していると空想します。

文様構成要素が自由な蛇行を失い、全ての方向が口縁部方向(円周方向)に統一している様子は文様意味が抽象化・一般化した、あるいは文様意味に込められていた物語性の生き生きさが失われたからだと考えます。社会が土器を物語のメディアではなく実務的な容器としての扱いに重点を移し始めたのだと思います。この土器の時期はこれまで観察した「中峠0地点型深鉢」より新しい時期(社会が物的に発展した時期)に違いないと想像します。

※ 能動的に最初に彫られた隆線や沈線によりつくられた像を「図」像、「図」像により結果として生まれる像を「地」像と仮称します。「図」像と「地」像の区別は必ずしも明確ではありません。


2021年1月23日土曜日

中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 529

有吉北貝塚学習に関連して中峠式土器学習を開始してます。この記事では中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡)を3Dモデルで観察します。

1 中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡) 観察記録3Dモデル

中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」 

撮影月日:2021.01.06 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 55 images


展示の様子


展示の様子


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャ


GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッド


GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析用加工

3 観察メモ

口縁部の蛇行する隆線による文様とその周りの太い角押文が特徴的です。隆線の真ん中に沈線が刻まれていて隆線が強調されています。隆線には刻みが入りますが、一部には縄文が施文されているように観察できます。これまでの中峠式土器解釈では、口縁部蛇行隆線は水流の表象であると空想してきています。この土器の隆線も渦巻になり、水流表象の感を強めます。


隆線による文様

「中峠0地点型深鉢」の定義が判る資料を持ち合わせていないので、隔靴掻痒の感ですが、これまで観察した中峠0地点型深鉢と較べると確かに土器文様構成が似ています。


2021.01.04記事「中峠0地点型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル


2021.01.12記事「中峠0地点型深鉢(4次1住)(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

「中峠0地点型深鉢」の特徴は口縁部を巡る隆線が蛇行し、その隆線に刻みが入り(注1)、かつ完全に連続しない点や口縁部に縄文がないこと、口唇部が無文であること、胴部が縄文で埋められること(注2)、器形で頸部のくびれの下胴部にわずかな膨らみがあることなどがあるのではないかと思います。

注1…この土器(野田市東亀山遺跡)の口縁部隆線の一部には縄文が施文されているようです。

注2…標準資料土器(松戸市中峠遺跡)の胴部は縄文だけでなく、沈線による文様が施されています。


2021年1月22日金曜日

勝坂Ⅴ式深鉢[中峠4次2住下フラスコ状ピット出土土器](松戸市中峠遺跡出土) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 528

有吉北貝塚学習に関連して中峠式土器学習を開始しました。この記事では勝坂Ⅴ式深鉢[中峠4次2住下フラスコ状ピット出土土器](松戸市中峠遺跡出土)を3Dモデルで観察します。

1 勝坂Ⅴ式深鉢[中峠4次2住下フラスコ状ピット出土土器](松戸市中峠遺跡出土) 観察記録3Dモデル

勝坂Ⅴ式深鉢[中峠4次2住下フラスコ状ピット出土土器](松戸市中峠遺跡出土) 観察記録3Dモデル

展示説明:特徴的な把手、口縁部に「連続コの字状文」、体部には3本の沈線でS字状・弧状の文様、文様間にはヘラ状工具による連続押圧文

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」 

撮影月日:2021.01.06 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 56 images


展示の様子


展示の様子


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャ


GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッド


GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析用加工

3 観察メモ

この土器は中峠式土器の1類型であり、中峠4次2住下フラスコ状ピット出土土器で、中峠式土器見直しの中で勝坂Ⅴ式深鉢として分類されたものです。

2021.01.16縄文時代研究講座では「勝坂の影響を受けた中峠式土器であり、大木化した勝坂土器であるともいえる」旨説明がありました。

胴部の唐草文風沈線文様が大木式土器の影響を受けていると捉えられているようです。


勝坂Ⅴ式深鉢[中峠4次2住下フラスコ状ピット出土土器]の文様

唐草文風の3本沈線による文様はツル植物を表現していると空想します。

器面を埋める「ヘラ状工具による連続押圧文」は雨・雲・湿気など水分を表現していると空想します。(阿玉台式土器の頸部にも同じような文様が見られます。)

連続コの字状文は河川を、丸い中空穴で構成される把手は水中湧水から湧く泡とかふきあがる自噴泉など躍動する水の流動を表現していると空想します。

大きな把手近くに土器完成後に削られてつくられた注口が存在します。

土器を上から見ると2つの把手を結ぶ線を長軸にした楕円となっています。


勝坂Ⅴ式深鉢[中峠4次2住下フラスコ状ピット出土土器] 上から GigaMesh Software Framework画面


2021年1月21日木曜日

有吉北貝塚 中峠式土器の学習

 縄文社会消長分析学習 75

有吉北貝塚学習の出土土器学習の最初のステップとして阿玉台式土器学習を行い、一応区切りをつけました。次のステップとして中峠式土器の学習を行います。学習目標は中峠式土器の自分なりのイメージ獲得をめざします。この記事では学習方法をメモします。

1 中峠式土器の標準資料

2021.01.16開催の加曽利貝塚博物館縄文時代研究講座で使われた大内千年先生講演資料に掲載されている中峠式土器標準資料に基づいて、中峠式土器のイメージを獲得することにします。


中峠式土器の標準資料

2 中峠式土器標準資料の3Dモデル観察

加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE-加曽利E式土器 北西部地域編-」で展示されている中峠式土器標準資料等について3Dモデルを作成し、観察します。


加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE-加曽利E式土器 北西部地域編-」展示土器 

企画展パンフレットから引用・追記

すでに次の記事で4つの土器について3Dモデルを作成しています。

2021.01.04記事「中峠0地点型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

2021.01.07記事「中峠5次2住型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

2021.01.09記事「中峠6次1住型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

2021.01.12記事「中峠0地点型深鉢(4次1住)(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

3 中峠式土器の3Dモデル観察 2

これまでに鎌ヶ谷市郷土資料館、流山市立博物館、柏市郷土資料展示室で撮影し作成した3Dモデルを再度観察します。また、撮影のみ完了していて3Dモデル作成にいたっていないものも3Dモデルを作成して観察します。



これまでに作成した中峠式土器3Dモデル(除 加曽利貝塚博物館展示土器)

4 有吉北貝塚出土中峠式土器の観察

2・3の観察を踏まえ、有吉北貝塚出土中峠式土器の観察を行います。


有吉北貝塚出土中峠式土器

5 感想

有吉北貝塚学習と加曽利貝塚博物館企画展・研究講座が中峠式土器という共通点で結節して学習することができることは、大変贅沢であると考えます。この贅沢さを思う存分楽しむことにします。

中峠式土器の学習を通じて、阿玉台式土器、加曽利E式土器、勝坂式土器の差異、共通性、関連性に関する知識を大いに獲得しようと思います。

阿玉台Ⅲ式期に始まる時代画期

 縄文社会消長分析学習 74

有吉北貝塚初期の土器型式である阿玉台式土器について事例を3Dモデルで観察してきました。それにより阿玉台式土器の器形や文様にイメージをある程度持つことが出来るようになりました。この記事では阿玉台式土器変遷の途中に縄文社会の大きな時代画期が存在していることを学習します。

1 阿玉台Ⅲ式期を始めとする時代画期


阿玉台Ⅲ式期を始めとする時代画期


阿玉台Ⅲ式期前後における貝塚分布の相違

「千葉県の歴史 考古4(遺跡・遺構・遺物)」(千葉県発行)によれば五領ヶ台式期~阿玉台Ⅰ・Ⅱ式期頃の貝塚分布は古鬼怒湾水系の小野川・黒部川水系に大型貝塚群が形成され、東京湾沿岸での貝塚形成は低調でした。ところが阿玉台Ⅲ式期以降東京湾沿岸で一斉に大規模な集落・貝塚群が史上最も多く形成されました。

土器型式名称は阿玉台式で同じですが、阿玉台1・Ⅱ式期の社会と阿玉台Ⅲ・Ⅳ式期社会ではその様相が根本的に異なります。

2 有吉北貝塚の阿玉台式土器出土状況

有吉北貝塚の阿玉台式土器出土状況を南斜面貝層でみると、阿玉台Ⅰ・Ⅱ式と較べてⅢ・Ⅳ式の数が増えています。


南斜面貝層出土阿玉台式土器

また、竪穴住居数も阿玉台Ⅰ・Ⅱ式と較べてⅢ・Ⅳ式の数が増えています。


有吉北貝塚 中期 土器分類別竪穴住居軒数

なお、発掘調査報告書では阿玉台Ⅳ式(土器分類第5群)が「南斜面貝層の初現が当該期の可能性」と判断しています。


有吉北貝塚中期土器分類

このような情報から、有吉北貝塚でも阿玉台Ⅲ式頃社会画期があり、人口が増え貝塚形成が始まったと考えることができます。その直後の中峠式期に社会急成長があるのですが、その礎が阿玉台Ⅲ式期頃に見られると判断できます。

3 阿玉台式土器分布図について

千葉県資料を原典とする阿玉台式土器出土遺跡分布図を作成しました。527遺跡がプロットされています。


阿玉台式土器出土遺跡分布図


阿玉台式土器出土遺跡分布ヒートマップ

遺跡データベースにおいて阿玉台式土器細分(Ⅰ~Ⅳ)を記述した遺跡はほとんどないので、細分別分布図は作成できません。しかし、阿玉台Ⅲ式期以降中期中葉の大規模集落・貝塚群が東京湾沿岸に形成されたことを勘案すると、上記分布図及びヒートマップは阿玉台Ⅲ式以降の様子を主に表現しているとみることができます。

4 感想

阿玉台Ⅰ・Ⅱ式頃までは東京湾沿岸の貝塚形成(漁労活動)が低調で古鬼怒湾の貝塚形成(漁労活動)が高揚していたという背景に何があるのか、今後詳しく学習することにします。大きな地理的分布が関わる事象ですから、海退に伴う沿岸部環境・海況変化が関係していたと想像します。漁労するには不都合な海岸環境的地形的条件が東京湾沿岸に存在していた可能性が考えられます。

阿玉台Ⅲ・Ⅳ式頃には東京湾沿岸での漁労条件の改善が生まれた可能性があります。有吉北貝塚における人口増は貝塚形成(漁労活動)がもたらしたものであると考えます。古鬼怒湾貝塚集落が東京湾沿岸を開拓した可能性を否定できないと考えます。

その後中峠式期に人口急増しますが、この人口急増は中峠式土器の本場である松戸とか柏とかの方面から良好漁労環境を当てにした開拓者集団が入って、それまでの阿玉台式土器利用住民を圧倒したのかもしれません。


2021年1月20日水曜日

阿玉台式深鉢(成田市久井崎Ⅱ遺跡) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 527

有吉北貝塚学習に関連して急遽阿玉台式土器学習をしています。この記事では阿玉台式深鉢(成田市久井崎Ⅱ遺跡)を3Dモデルで観察します。

1 阿玉台式深鉢(成田市久井崎Ⅱ遺跡) 観察記録3Dモデル

阿玉台式深鉢(成田市久井崎Ⅱ遺跡) 観察記録3Dモデル 

撮影場所:成田市下総歴史民俗資料館 

撮影月日:2019.09.05 

ガラス面越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 29 images


展示の様子


展示の様子


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャ


GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッド


GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析用加工

3 観察メモ

これまで観察してきた幾つかの阿玉台式深鉢とこの土器の文様構造はほぼ同じです。

口縁部の下端線が約3.5°傾いています。しかし口縁部全体は直立円柱的に見えます。高さが一番高くなると大きな把手はそこに太い隆線で特別の楕円区画が設けられています。


口縁部下端線が傾いている様子

土器文様は次のように空想的に解釈しました。


阿玉台式深鉢(久井崎Ⅱ遺跡)文様の解釈

口縁部は天空界、頸部は天(空)、胴部は地上界と想像します。

口縁部のA区画は現代人の言葉で例えるならば神の領域であり、B区画は人(死者)の領域であると想像しました。

4 撮影技術メモ

この土器が置かれたショーケースは上から明るい照明が当たり、かつ背面が白色系統の明るい色となっています。そのため土器外面がほぼ完全な影となっています。通常の土器展示ショーケースでは照明は下や横から当てて土器外面が明るくなるように設定されます。このような照明特性を理解することなくシャッターを切ったため露出が明るいショーケースに合ってしまい、土器は真っ黒に写ってしまいました。撮影技術が未熟とはこのような撮影であるという典型例です。


撮影写真(未調整)

その後撮影写真の露出をlightroomclassicで変更しましたが、望んだような写真にはなりませんでした。

このような事情と撮影枚数が少ないなどの理由により、この3Dモデルは出来の悪いモデルとなりました。



2021年1月19日火曜日

阿玉台式浅鉢(八千代市ヲサル山南遺跡) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 526

有吉北貝塚学習に関連して急遽阿玉台式土器学習をしています。この記事では阿玉台式浅鉢(八千代市ヲサル山南遺跡)を3Dモデルで観察します。

1 阿玉台式浅鉢(八千代市ヲサル山南遺跡) 観察記録3Dモデル

阿玉台式浅鉢(八千代市ヲサル山南遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:八千代市立郷土博物館

撮影月日:2019.04.26

ガラス面越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 13 images


展示の様子


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャ


GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッド


GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析用加工

3 観察メモ

口唇部がギザギザに刻まれています。(撮影写真が露出過多のため3Dモデルでは観察が十分にできません。)


口唇部がギザギザに刻まれている様子

口縁部が太い隆線で区画される区画文と渦巻文各4単位で埋められているようです。

渦巻文は渦巻Aと断片Bで構成される意匠となっています。AとBが立体的に繋がっている様子(渦巻が立体的に奥から手前に飛び出す様子)を表現しているのかもしれません。


見かけは連続しないAとBがセットで一つの意匠となっている様子
渦巻は水がこの土器に流れ込んでいる様子を暗示しているのかもしれません。

区画文の中は「雨」を連想させるような引きずった点列で模様が描かれています。この様子は阿玉台式深鉢の文様と似ています。

胴部には文様は無いようです。

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この3Dモデルでは、対象土器にスポットライトが当たり、その明るさに対応した適切な露出になっていないため撮影が失敗しています。次回撮影するチャンスがあれば、露出過多を修正した設定で撮影を行うつもりです。