2020年1月17日金曜日

加曽利E式土器出土遺跡の千葉県分布反芻学習

縄文土器学習 314

加曽利E式土器出土遺跡の千葉県分布について反芻学習しました。
2019.07.12記事「加曽利E式土器細分毎の遺跡分布」参照

1 加曽利E式土器出土遺跡 千葉県分布(1251遺跡)

加曽利E式土器出土遺跡 千葉県分布(1251遺跡)
1251遺跡のうちデータベースに細分(EⅠ~EⅣ)情報が掲載されているものは全体の21%にあたる267遺跡です。
次のこの細分情報のある267遺跡について、細分毎にその分布をみます。

2 加曽利EⅠ式土器出土遺跡 千葉県分布(99遺跡)

加曽利EⅠ式土器出土遺跡 千葉県分布(99遺跡)
松戸市と市川市境界付近に遺跡密集地が存在します。

3 加曽利EⅡ式土器出土遺跡 千葉県分布(185遺跡)

加曽利EⅡ式土器出土遺跡 千葉県分布(185遺跡)
遺跡密集地が松戸市と市川市境界付近だけでなく千葉市若葉区・緑区付近に生まれます。同時に二つの遺跡密集地の間に遺跡が増えています。

4 加曽利EⅢ式土器出土遺跡 千葉県分布(107遺跡)

加曽利EⅢ式土器出土遺跡 千葉県分布(107遺跡)
千葉市若葉区・緑区付近の遺跡密集地は希薄になりますが松戸市と市川市境界付近の遺跡密集地は存続します。

5 加曽利EⅣ式土器出土遺跡 千葉県分布(55遺跡)

加曽利EⅣ式土器出土遺跡 千葉県分布(55遺跡)
松戸市と市川市境界付近の遺跡密集地は存続します。

6 昨年作成したメモ
細分毎遺跡分布図・ヒートマップが全体の状況を指標しているとすれば、つぎのような大変興味深い事柄が浮かび上がります。
・縄文時代最高の人口急増とそのピーク及びその後の人口急減の様子が、空間的には主に千葉市若葉区・緑区付近遺跡密集地の消長と連動する現象として捉えることができます。
・遺跡数急増・人口急増は千葉県全域で生起した現象ですが、特に千葉市若葉区・緑区付近遺跡密集地でもっとも極端に生起しました。その場所に社会発展に連動する諸中枢機能が形成されていたと想像できます。
・遺跡数急減・人口急減も千葉県全域で生起した現象ですが、特に千葉市若葉区・緑区付近遺跡密集地で最も極端に生起しています。その場所に存在した諸中枢機能が崩壊していったことが想像できます。
・千葉県全域で遺跡数急増→急減という極端な現象が起こっている間、松戸市と市川市境界付近の遺跡密集地が一貫して遺跡密集地の体を成していることが極めて特異です。この遺跡密集地の存続には大きな社会変動(人口急増、急減)だけでなく別の原理も働いているように感じられます。

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