2020年1月10日金曜日

加曽利博E式企画展の酒々井町分6土器の3Dモデル作成

縄文土器学習 309

加曽利貝塚博物館で現在開催されている企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」(2019.11.16~2020.03.01)で展示されている酒々井町分6土器について観察記録3Dモデルを作成しました。
これで企画展の前半展示土器37点全てについて観察記録3Dモデルを作成できました。

企画展の酒々井町分展示の様子

企画展展示土器の観察記録3Dモデル掲載サイト
https://sketchfab.com/arakiminoru/models
酒々井町分6土器観察記録3Dモデルのサムネール

展示土器のうち「加曽利EⅢ式深鉢(酒々井町墨木戸遺跡)企33」は印旛地域特有で加曽利貝塚からの出土はないといわれる意匠充填系土器のようです。

加曽利EⅢ式深鉢(酒々井町墨木戸遺跡)企33展示の様子

加曽利EⅢ式深鉢(酒々井町墨木戸遺跡)企33の3Dモデルオルソグラフィック投影画像

●これからの加曽利E式土器学習
企画展前半展示土器37点の3Dモデルを作成できましたので、E式土器の本格学習の準備ができました。本当の細部や微妙な表面テクスチャは企画展に足を運んで現物を観察することが必要です。しかし、それ以外の器形、模様等のほとんどの学習ポイント、興味ポイントは3Dモデルで観察可能です。
この企画展の学習を会場で配布されているパンフレットと関連講演会聴講により進めることにします。
パンフレットを利用して次の項目を学習することにします。
1 印旛地域の加曽利E式土器の特徴
印旛地域では加曽利EⅢ式が多く、千葉市域では加曽利EⅡ式が多いという現象の解釈。
印旛地域の加曽利EⅢ式期以降は小規模な集落が増加するという傾向の把握とその意義の考察。
「東北系の大木式や中部系の曽利式の要素を含んだ土器」とはどれを指すのか、その確認。
2 炉に埋設された土器
炉体土器(7点)の詳細な観察。
土器埋設炉の学習。
3 注口土器
展示注口土器6点を比較して、学習します。1点を除いて微隆起線による渦巻文様がありますが、微隆起線と把手や鍔等の大小孔が連動していて興味が深まっています。微隆起線と大小の孔のセットが別に実在した道具(瓢箪酒入れ?)の特徴を表現しているのではないかと空想していて、その考察を深めたいと思います。
4 土器の胎土
土器の胎土に違いを展示会場現物観察、撮影写真観察、3Dモデル観察でどのようになるのか、3つの観察方法を比べながら考察することにします。
5 加曽利貝塚出土土器との違い
キャリパー形土器と意匠充填系土器の違いなどについて学習を深めることにします。

企画展パンフレット表紙




0 件のコメント:

コメントを投稿