2020年1月5日日曜日

縄文中期中葉深鉢形土器(飯田市大明神原遺跡)の模様観察

縄文土器学習 304

縄文中期中葉深鉢形土器(飯田市大明神原遺跡)上15の模様観察を観察し、幾つかの感想を得ましたのでメモします。

1 3Dモデル

縄文中期中葉深鉢形土器(飯田市大明神原遺跡)上15 観察記録3Dモデル 
撮影場所:飯田市上郷考古博物館 
撮影月日:2019.09.25 
整理番号:上15 
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 22 images

展示風景

3Dモデルのオルソグラフィック投影画像

2 観察と感想

観察と感想
a:頭部と目が表現された蛇として把握して間違いないと考えます。
b:丸い凹みが表現され、蛇頭部がそれに向かっています。あるいは凹みに埋没する瞬間を表現しています。
c:b中央部と蛇頭部の延長上が三角に尖っていて、その基部に〇印(d)が配置されています。模様セット1と模様セット2でabcの位置関係が異なる点に注目できます。
d:口縁部区画文に〇印が4つ並び、模様セットが4つあることを暗示しています。

3 模様の解釈
aは男性陰茎であると考えます。
bは女性膣口であると考えます。
cは膣口と連続する女性性器上部であると考えます。
dは陰核であると考えます。
この模様は男女交合の瞬間の局部の様子を描いていると考えます。
セット1は対面位、セット2は後背位という交合体位の違いを表現していると想像します。
この土器の背後には別のセットが2つ描かれているのではないだろうかと想像します。

4 模様解釈に関する感想
男女交合に対する興味の所在が縄文社会と現代社会では大きく異なっていたに違いないと考えます。
縄文社会にあっては、男女交合は妊娠出産に必須な活動であり、それは人口確保に必須であり、集落社会の維持に必須であり、ひいては種族維持に必須であったと考えられます。
男女交合は社会生活の重要な一部であり、関連するタブーは少なかったと考えます。
女の妊娠出産を実現するために、縄文人男女は交合を重要な生活活動として取り組んでいたと考えます。
土器(鍋)に男女交合の模様(上記土器の場合交合体位のバリエーションの表示)を描くことによって、家族や集落の繁栄が暗示され、その土器(鍋)で調理する料理が美味しくなったのだと思います。
現代社会にあるような妊娠出産と切り離された交合それ自体に対する興味は、縄文社会では皆無であったと考えます。


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