2020年1月13日月曜日

注口土器の獣皮を使った蓋掛け

縄文土器学習 311

加曽利貝塚博物館で現在開催されている企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」(2019.11.16~2020.03.01)で展示されている注口土器に関する展示パネル写真(真上からの写真)をみていると鍔部あるい口縁部の形状と小孔の間に関係があるように想像しましたので、メモしておきます。

加曽利貝塚博物館企画展展示パネル

1 佐倉市六崎貴舟台遺跡第10次 注口土器
小孔を拡大すると次のように孔の下に「受け」があります。

佐倉市六崎貴舟台遺跡第10次 注口土器の小孔の様子
この孔に紐を通したというより、棒を通して「受け」を機能に活用したと想像します。
また展示パネルの上から写真では口縁部に円形の溝(凹み)があります。ここに何かはさんでいたと想像してもおかしくありません。
このような想像をさらに発展させて、次のような蓋システムを想像しました。

獣皮と蓋を使って密閉性を高めた注口土器(想像)
写真は加曽利貝塚博物館企画展展示パネルから引用
小孔は蝶番機構の一部であったと思考した想像です。
注口部があるのですから、完全な密閉をもとめたのではないとおもいます。ただ、企画展展示のように蓋を置いておくだけでは収まりが全然悪く、満足できなかったのだと思います。
超貴重な酒、あるいは秘伝の覚醒作用煎じ液を入れた容器ですから丁寧な扱いをしていたと思います。

2 成田市キサキ遺跡 鍔付注口土器

鍔付注口土器の獣皮を使った蓋掛け(想像)
写真は加曽利貝塚博物館企画展展示パネルから引用
獣皮で開口部を覆い、4本の紐で縛って蓋掛けをしたのだと思います。さらにこの上に土製や竹木製の蓋を置き、太い紐で把手についている孔を利用して縛ったのかもしれません。

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