2024年7月17日水曜日

埴輪7点破片1点(伊勢崎市赤堀茶臼山古墳など)観察記録3Dモデル

 3D model of observation records of 7 haniwa and 1 fragment (Akahori Chausuyama Tomb, Isesaki City, etc.)


I created a 3D model of observation records of 7 haniwa and 1 fragment (Akahori Chausuyama Tomb, Isesaki City, etc.) exhibited at the Chiba Prefectural Museum Special Exhibition “Excavated Japanese Archipelago 2024”. The fragments of the chicken-shaped haniwa were excavated at an archaeological site 3 km away from the tomb and joined together.


千葉県立中央博物館特別展「発掘された日本列島2024」に展示された埴輪7点破片1点(伊勢崎市赤堀茶臼山古墳など)の観察記録3Dモデルを作成しました。鶏形埴輪の破片は古墳から3㎞離れた遺跡で出土し、接合しました。

1 埴輪7点破片1点(伊勢崎市赤堀茶臼山古墳など)観察記録3Dモデル

埴輪7点破片1点(伊勢崎市赤堀茶臼山古墳など)観察記録3Dモデル

鶏形埴輪(伊勢崎市赤堀茶臼山古墳)

鶏形埴輪破片(伊勢崎市釜ノ口遺跡) [以下時計まわり]

馬形埴輪(伊勢崎市赤堀村120号墳)

盛装する女子人物埴輪(伊勢崎市赤堀村120号墳)

女子人物埴輪(伊勢崎市赤堀村104号墳)

女子人物埴輪(伊勢崎市赤堀村104号墳)

男子人物埴輪(伊勢崎市赤堀村104号墳)

男子人物埴輪(伊勢崎市赤堀村104号墳)

撮影場所:千葉県立中央博物館特別展「発掘された日本列島2024」

撮影月日:2024.06.27


展示の様子


展示の様子


展示の様子


展示の様子

3DF Zephyr v7.531 processing 200 images


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

2 メモ

鶏形埴輪破片(伊勢崎市釜ノ口遺跡)は鶏形埴輪(伊勢崎市赤堀茶臼山古墳)と接合しました。釜ノ口遺跡は赤堀茶臼山古墳と約3㎞はなれた遺跡で埴輪生産に関連する遺跡と考えられています。

3 感想

後日の古墳・埴輪学習のために3Dモデルを作成しました。現在和田晴吾著「古墳と埴輪」(岩波新書)を熟読中で、とても面白いです。墳丘表面に埴輪で他界観が表現されているという説明はとても魅力的記述です。

有吉北貝塚北斜面貝層 土器関連データ予備分析のまとめ

 Summary of preliminary analysis of pottery-related data for the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound


I summarized the preliminary analysis I conducted by extracting pottery-related data from the electronic artifact ledger file of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound, and identified the issues. Creating a 3D bar graph by grid of data is effective for understanding distribution characteristics. In the future, I will link the excavation report list to the data so that it can be combined and used.


有吉北貝塚北斜面貝層の遺物台帳電子化ファイルから土器関連データを抜き出して実施した予備分析をまとめ、課題を確認しました。データのグリッド別3D棒グラフ作成は分布特性把握に効果的です。今後発掘調査報告書リストをデータにリンクして、結合して利用できるようにします。

1 土器関連データ予備分析でしたこと、わかったこと

1-1 データのグリッド別3D棒グラフ作成方法の確認

土器関連データを使って、データをグリッド別3D棒グラフで表現する方法を確認して、いつでも迷うことなくできるようになりました。

2024.07.11記事「有吉北貝塚北斜面貝層 土器・土製品出土数のグリッド別分布 3D棒グラフ

生データ(遺物台帳データ)から次のステップを踏んでグリッド別3D棒グラフを作成します。

1 グリッド別件数データ作成(Pythonスクリプト利用)

2 グリッド座標追加(Pythonスクリプト利用)

3 データ調整(標準化)

4 csvファイル出力

5 Blenderでグリッド別3D棒グラフ造形(BlenderPythonスクリプト利用)

なお、異なる指標のグリッド別3D棒グラフを比較しやすくするために、グラフ表現の標準化について検討しました。

2024.07.15記事「技術メモ 有吉北貝塚北斜面貝層 3D棒グラフ表現の標準化

1-2 グリッド別分布比較の有用性確認

土器と土錘のグリッド別3D棒グラフを比較したところ、2つの分布特性が異なり、興味深い結果を得ることができました。

2024.07.12記事「有吉北貝塚北斜面貝層 土器と土錘の分布特性の違い

土器と土錘の投棄原理が異なる可能性が濃厚です。土器以外のアイテムも含めて、分布を検討することにより儀礼活動積み重ねの状況を知る突破口を開けるかもしれません。


有吉北貝塚北斜面貝層 土器と土錘の分布3D棒グラフ画像

1-3 分布や分布比較記述の困難さ確認

グリッド別3D棒グラフで分布を見るとその様相は直観的に理解できます。また二つのグリッド別3D棒グラフを比較するとその違いを直観的に理解できます。しかし、それを文章にして表現しようとすると、途端に困難を感じます。その理由の最大のものは北斜面貝層空間にゾーンなどの名称が一切ないことです。北斜面貝層の空間の各所に名称(いわば地名)を設定して、分布記述をしやすくする必要があります。

朱塗土器件数と朱塗土器件数率の二つのグリッド別3D棒グラフの比較では、その相違を記述することが困難でした。

2024.07.14記事「有吉北貝塚北斜面貝層 朱塗土器の分布

1-4 遺物台帳データの不揃い確認

土器口縁部率データをみると、土器部位観察をしていないグリッドの存在を確認できます。遺物台帳データに不揃い(いわば欠測)があることになります。データ不揃いを確認したとき、それを補正する方法を見つけて、データを有用データとよみがえらせることが必要です。

2024.07.14記事「有吉北貝塚北斜面貝層 朱塗土器の分布

2 遺物台帳データに関連した当面の課題(土器関連)

2-1 北斜面貝層空間に地名に準じる名称をつける

北斜面貝層空間に地名に準じる名称をつけて、分布記述をしやすくします。

また、分布情報をChatGPTに説明させる方法について検討することも意義のあることだと考えます。

2-2 遺物台帳データ不揃い対応

遺物台帳データ不揃いを見つけた場合の当面の対応方法を決めるとともに、データ補正方法を検討します。

2-3 発掘調査報告書掲載遺物リストの電子化

土器関連では次のリストが発掘調査報告書に掲載されています。

・土器片錘 1087点(完形のみ)

・土製円盤 18点

・耳栓 6点

・ミニチュア土器 6点

・土製品(その他) 5点

このリスト電子化ファイルを遺物台帳ファイルとリンクして、遺物コード(グリッド番号、遺物番号から新規生成)で二つのファイルを結合して利用できるようにします。

2-4 その他

・遺物台帳データの電子化作業における不備の訂正(入力ミスの訂正)

・円盤などのグリッド別3D棒グラフ作成

3 全土器現物閲覧プロジェクト

現状では発掘調査報告書土器番号と遺物台帳データは対応していません。そこで、発掘調査報告書掲載土器リストと遺物台帳リストをリンクするために、全土器現物閲覧プロジェクトに中期的観点から取り組みます。

●有吉北貝塚北斜面貝層 発掘調査報告書掲載全土器現物閲覧プロジェクト

・発掘調査報告書掲載全土器(器形復元土器がメイン)現物を閲覧して、土器破片に記載されているグリッド番号、遺物番号の読取り確認調査を実施する。

・全土器全破片と遺物台帳データを遺物コード(グリッド番号、遺物番号から新規生成)でリンクする。

・掲載土器番号-土器型式対応表(最新情報により西野雅人先生作成)がすでに使える状況にある。

・これにより、遺物台帳データに発掘調査報告書土器番号と土器型式情報を取り込み、利用分析できるようにする。


2024年7月16日火曜日

同じ場所で長期に繰り返される儀礼行為

 谷口康浩著「土偶と石棒 儀礼と社会ドメスティケーション」学習 10


Ritual acts repeated over a long period of time in the same place


Study 10 “DOGU & SEKIBOU: Rituals and the Domestication of Society in Prehistoric Jomon” by Yasuhiro Taniguchi


In “DOGU & SEKIBOU”by Yasuhiro Taniguchi, it is described that the Kasori shell mounds is an object that materializes the social memory of continuing ritual activities. It is important to understand the relationship between the continuation of ritual activities and excavation information (understanding the context). It will be interesting to compare the results of understanding the context of the plateau shell mound (Kasori shell mounds) and the slope shell mound (Ariyoshikita shell mound).


谷口康浩著「土偶と石棒」のなかで、加曽利貝塚が儀礼活動継続の社会的記憶を物象化してものであることが記述されています。儀礼活動継続と発掘情報との関連を把握すること(コンテクストの把握)が大切です。台地上貝塚(加曽利貝塚)と斜面貝塚(有吉北貝塚)のコンテクストの把握結果の比較に興味が湧きます。

序章 儀礼考古学の現代的意義

2 儀礼考古学の研究法一モノ・行為・コンテクストー

(4)記憶と歴史の物象化

・この小節では前半で社会的記憶の物象化が、後半で縄文人の過去遺物に対する想いが述べられています。双方のテーマともにとても重要で興味があります。この記事では社会的記憶の物象化について学習し、次の記事で縄文人の古い物に対する想いを学習します。

・千葉市加曽利貝塚の遺跡形成にかかった時間は「少なくとも中期中葉から晩期中葉まで、およそ2200~2300年間と推定」されるとして、次の指摘をしています。

「貝塚はただの生活廃棄物の堆積ではなく、多くの死者が埋葬された空間でもあり、特別な場所として長い問人々に記憶されていた。長期継続的な遺跡形成からは、そうした社会的記憶を物象化した意味が読み取れる。」(谷口康浩著「土偶と石棒」から抜粋引用)

【考察】

参考 干渉色でみる加曽利貝塚現在地形(3Dモデル)


3Dモデルのテクスチャ画像


加曽利貝塚

「千葉県の歴史 資料編 考古1」(千葉県)から引用・編集

・加曽利貝塚では中期中葉(勝坂・阿玉台式末頃)から北貝塚(環状堤状)の形成がはじまり、後期前葉(堀之内1式期)には南貝塚(馬蹄堤状)の形成が始まっています。最終的には台地面上に8字状の巨大堤状人工景観が現出しました。

・この巨大人工景観は長年の儀礼行為の蓄積で形成されたことは明らかです。著者はこの巨大人工景観から縄文人が自らの記憶(加曽利貝塚で先祖代々儀礼を行ってきた活動)を物象化したという意味を現代人が読み取るべきであると主張しています。

・加曽利貝塚が形成されていた縄文時代にあっては、その人工地形形状だけでなく、貝殻による白さも際立った人工的特徴であったと考えます。

・さらに魚貝類や動物骨等の残滓、あるいは埋葬された人遺体から発する匂い(刺激的異臭)も、その場所の際立った人工的特徴であったと考えます。

・加曽利地域縄文人にあっては、先祖代々続く各種儀礼活動の結果が巨大人工地形、際立った白色世界、鼻をつく異臭世界をもたらしたものであったことは自明であったと考えます。縄文人はそうした環境形成を意識して目指していたと考えます。

・従って、現代人が加曽利貝塚を研究あるいは学習する場合、現代科学で取得できる発掘情報と儀礼活動継続との関連を考察することがきわめて大切です。

・縄文人儀礼活動継続と貝塚発掘特性(遺物出土状況等)との関係を把握することが、すなわち本書の最大キー概念であるコンテクストの把握になると理解します。

【考察2】

・自分は現在有吉北貝塚北斜面貝層の学習を深めています。この貝層はガリー侵食地形を埋める状況で発達しています。加曽利貝塚は台地面上で儀礼継続が巨大人工構造物(8字状堤人工構造物)を形成しました。一方有吉北貝塚北斜面貝層では儀礼継続が巨大ガリー侵食地形埋没を実現しています。

・儀礼活動継続と貝塚発掘特性の関係把握(コンテクストの把握)に関して、加曽利貝塚と有吉北貝塚北斜面貝層で何か違いがあるのかどうか、とても興味が深まります。

・台地面上の儀礼と、斜面の儀礼で何か違いが浮かび上がると、学習が面白くなってきます。

・儀礼そのものに大きな違いはなくとも、儀礼活動の具体には違いを見つけることができると考えます。


有吉北貝塚北斜面貝層のガリー侵食地形と貝層断面図


有吉北貝塚北斜面貝層発掘風景

「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」から引用

【感想】

谷口康浩著「土偶と石棒 儀礼と社会ドメスティケーション」学習記事が10回目となりました。とても面白くなってきています。しかし、気が付くとまだ本書の10ページ目付近の学習です。いかに本書が自分にとって有用であり楽しい学習になっているかを物語っています。ページとか学習期間とかは一切気にしないで、とことん本書学習を楽しみ倒したいと思います。著者に感謝です。


動物形土製品レプリカ(千歳市美々4遺跡)観察記録3Dモデル

 3D model of observation record of animal-shaped clay replica (Bibi 4 site, Chitose City)


I created a 3D model of the observation record of the animal-shaped clay replica (Bibi 4 site, Chitose City) exhibited at the Chiba Prefectural Museum Special Exhibition “Excavated Japanese Archipelago 2024”. When I looked closely at the 3D model, it looked like a flying water bird. I enjoyed thinking about the relationship between the clay figurines excavated at the same site and this animal-shaped clay product.


千葉県立中央博物館特別展「発掘された日本列島2024」に展示された動物形土製品レプリカ(千歳市美々4遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。3Dモデルをじっくり見ると飛翔する水鳥に見えます。同遺跡出土土偶とこの動物形土製品の関連思考を楽しみました。

1 動物形土製品レプリカ(千歳市美々4遺跡)観察記録3Dモデル

動物形土製品レプリカ(千歳市美々4遺跡)観察記録3Dモデル

全長31.5㎝

撮影場所:千葉県立中央博物館特別展「発掘された日本列島2024」

撮影月日:2024.06.27


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v7.531 processing 164 images


3Dモデル画像


3Dモデル画像


3Dモデル画像


3Dモデル画像


3Dモデル動画

2 空想を楽しむ

2-1 水鳥に見える

3Dモデルをいじくりまわして、じっくり3Dモデルを観察すると、嘴の様子、足の様子、羽(手)の様子などから飛翔している水鳥に見えます。海獣とかの説が生まれる根拠がどこにあるのかさっぱり見当がつきません。

2-2 土偶が水鳥を見ていた

同じ美々4遺跡から出土した土偶は天を見上げています。この土偶は水鳥を見ていたと想像することもできます。

水鳥は地上界と天空界(あの世)を行き来する特別な動物であったと縄文人が考えていたと想像します。

縄文人は地上界と天空界(あの世)を行き来する水鳥を見て、水鳥に死んだ家族の冥福を心の中で託したと想像します。

天空界(あの世)にいる家族の冥福を祈るための道具である土偶は天空を見つめ、水鳥を見つめています。


千歳市美々4遺跡出土の動物形土製品と土偶の関連(想像)


2024年7月15日月曜日

技術メモ 有吉北貝塚北斜面貝層 3D棒グラフ表現の標準化

 Technical memo: Standardization of 3D bar graph representation for shell layers on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound


I often use 3D bar graphs to represent the data of the shell layers on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound. In this case, in order to make it easier to compare the distribution of indicator data with different characteristics, I decided to standardize the representation by making the length of the 3D bar of the data average constant.


有吉北貝塚北斜面貝層のデータを3D棒グラフで表現することを多用しています。この場合、性格の異なる指標データの分布比較をわかりやすくするために、データ平均値の3D棒の長さを一定にして、表現を標準化することにしました。

1 3D棒グラフ表現の標準化検討

現在、有吉北貝塚北斜面貝層のグリッド別各種データを3D棒グラフで表現しています。その際、単位の異なるデータの分布比較をするためには3D棒の長さをある程度同じにする必要があります。つまり、表現を標準化する必要があります。そのため、グリッド別データの平均値の3D棒の長さを一定にすることによって、この標準化を実現することにします。

2 グリッド別データ平均値の見やすい3D棒の長さの検討

2-1 テスト表示 グリッド平均値を1mの3D棒で表現

テスト表示 グリッド平均値を1mの3D棒で表現

有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別朱塗土器出土件数

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3Dモデル画像

2-2 テスト表示 グリッド平均値を2mの3D棒で表現

テスト表示 グリッド平均値を2mの3D棒で表現

有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別朱塗土器出土件数

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3Dモデル画像

2-3 テスト表示 グリッド平均値を4mの3D棒で表現

テスト表示 グリッド平均値を4mの3D棒で表現

有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別朱塗土器出土件数

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3Dモデル画像

2-4 検討1

この例の場合、グリッド平均値を2mの3D棒で表現すると分布の様相が把握しやすく見やすいことがわかりました。

グリッド平均値を1mの3D棒で表現すると全体が平べったい形状になり、分布の凸凹を把握することが苦痛です。一方4mにすると分布の凸凹が極端になり、これも分布全体像を知りにくくなります。

次に、別指標でグリッド平均値を2mの3D棒で表現するとどうなるか、比較してみました。

2-5 別指標 テスト表示 グリッド平均値を2mの3D棒で表現

別指標 テスト表示 グリッド平均値を2mの3D棒で表現

有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別朱塗土器件数率

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3Dモデル画像

2-6 検討2

別指標でもグリッド平均値を2mの3D棒で表現すると見やすいです。性格の異なる指標の分布を比較する場合、グリッド平均値を2mの3D棒で表現して標準化すると、データ分析に有利であることを確認できました。今後の作業はこの標準化を踏まえて進めることにします。


2024年7月14日日曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 朱塗土器の分布

 Distribution of vermilion-painted pottery on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound


The distribution of vermilion-painted pottery on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound was grasped using a grid-based 3D bar graph. The distribution characteristics of vermilion-painted pottery and other pottery seem to be different. The disposal principles may be different.


有吉北貝塚北斜面貝層の朱塗土器の分布等についてグリッド別3D棒グラフで把握しました。朱塗土器とそれ以外の土器との分布特性が違うようです。廃棄原理が異なる可能性があります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別朱塗土器出土件数

有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別朱塗土器出土件数

朱塗土器出土総件数574、グリッド最大出土件数24

出典:有吉北貝塚北斜面貝層遺物台帳(千葉県教育委員会所蔵)

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3Dモデルの画像

2 有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別朱塗土器件数率

有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別朱塗土器件数率

グリッド別最大朱塗土器件数率8.2%、平均朱塗土器件数率2.9%

出典:有吉北貝塚北斜面貝層遺物台帳(千葉県教育委員会所蔵)

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3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

3 観察メモ

朱塗土器の出土分布をみるとガリー谷頭部よりガリー下流部の方が量が多いですが、均一に分布しているように観察できます。しかし、率(朱塗土器件数/全土器件数)でみると分布特性が浮かび上がります。土器密集域を避けて周縁部の朱塗土器件数立が高くなっています。土器一般の廃棄原理と朱塗土器の廃棄原理が異なっている可能性が浮かび上がります。今後詳しく検討することにします。

2024.07.15追記

現在は電子化した遺物台帳データを目的に従って整理し、グリッド別に集計して、そのデータを3D棒グラフで表現するまでの工程を確認して、効率化する方法を模索している活動を行っています。対象物(土器とか朱塗土器とか)そのものの検討はメインではありません。しかし、そうはいっていも、自分に朱塗土器の知識がほとんどないことに不安をおぼえます。朱塗土器がどのような土器(深鉢か、浅鉢か、それ以外か)であるのか、どのような利用であったのか(どのような祭祀につかわれたのか)などの情報をほとんど持ち合わせていません。今後朱塗土器に関する一般情報や有吉北貝塚における情報を把握して学習を深めることにします。そうした知識なしに、いくら分布を検討しても空回りしてしまうかもしれません。

4 有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別土器の口縁部率(%)

有吉北貝塚北斜面貝層 土器の口縁部率(%)

口縁部率=(口縁部+把手)/全土器×100

土器件数50以上のグリッドのみ表示

グリッド別最大口縁部率46.3%、グリッド別平均口縁部率19.5%

出典:有吉北貝塚北斜面貝層遺物台帳(千葉県教育委員会所蔵)

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3Dモデルの画像

5 グリッド別土器の口縁部率(%)のメモ

有吉北貝塚北斜面貝層グリッド別土器の口縁部率(%)を見ると口縁部出土が0.0%のグリッドがあることから、一部のグリッドで部位別記載が行われていない可能性が浮かび上がります。従って、口縁部率の分布状況を把握することが適切であるか否か、今後検討することにします。

2024.07.15追記

土器部位別記載はグリッドの一部は行われていない、あるいは十分にとりくまれていない状況が考えられます。生データの分布をそのまま検討することは危険です。しかし、大半のグリッドは部位別記載が行われています。この不十分なデータを「ある程度」「参考情報として」使えるようにする補正方法を検討することにします。もし合理的な補正方法があみだされて補正できれば、貴重な有用情報になります。世の中には「欠測情報の使い方」みたいな方法論があるでしょうから、参考にして取り組むことにします。


土偶(千歳市美々4遺跡)観察記録3Dモデル

 3D model of the observation record of the clay figurine (Bibi 4 site, Chitose City)


I created a 3D model of the observation record of the clay figurine (Bibi 4 site, Chitose City) exhibited at the Chiba Prefectural Museum's special exhibition “Excavated Japanese Archipelago 2024”. The clay figurine's face is a prayer face that looks up to the sky and has a non-stylized facial expression. I imagined that this clay figurine was a tool to pray for the repose of family members in heaven (the afterlife).


千葉県立中央博物館特別展「発掘された日本列島2024」に展示されている土偶(千歳市美々4遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。土偶の顔は天空を見つめ、顔つきも様式化されていない祈りの顔です。この土偶は天界(あの世)にいる家族の冥福を祈る道具であると想像しました。

1 土偶(千歳市美々4遺跡)観察記録3Dモデル

土偶(千歳市美々4遺跡)観察記録3Dモデル

高さ20㎝

撮影場所:千葉県立中央博物館特別展「発掘された日本列島2024」

撮影月日:2024.06.27


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v7.531 processing 112 images


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

2 土偶(千歳市美々4遺跡)観察記録3Dモデル テクスチャ画像調整

この3DモデルはテクスチャのレベルをPhotoshopで調整して(白くして)、テクスチャを見やすくしたものです。

土偶(千歳市美々4遺跡)観察記録3Dモデル テクスチャ画像調整

高さ20㎝

撮影場所:千葉県立中央博物館特別展「発掘された日本列島2024」

撮影月日:2024.06.27


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v7.531 processing 112 images


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

3 展示説明


展示説明

土偶は土坑墓床面からベンガラ(酸化鉄)に覆われてうつ伏せの状態で出土しました。副葬品と考えられます。墓の中から完全な形で土偶が出土することは大変珍しく貴重な事例です。

4 観察メモ

この土偶を観察して生まれた感想を後日のためにメモしておきます。

4-1 顔が天空を見つめている

この土偶は顔が天空を見つめています。顔が上向く土偶は数少ないです。この土偶の最大の特徴が上向く顔にあると直観します。


天空を見つめる土偶

4-2 祈っている顔であり、様式化していない

この土偶の顔の様子は様式化していません。ミミヅク土偶とか、山形土偶とか一目でわかるキャラクターではありません。現実の縄文人の顔を造形したような印象を受けます。また祈っているような印象を受けます。

4-3 乳首が表現されている

この土偶の乳房の先端に竹管文が刻印されていて、乳首が表現されています。これまで私が見たことのある土偶で乳房が強調表現されているものは沢山ありましたが、乳首が表現されたものは一度も見たことがありません。祈りに使う土偶に乳首という授乳器官細部が強調表現されていることに違和感を感じます。

4-4 竹管文文様の意味が直観しづらい

竹管文(丸い輪)文様が肩-首下付近1列と膨らんだ腹付近に横5列ほどあります。衣服表現であると想像しますが、どのような衣服であるのか直観しづらいです。(肩-首ラインがポンチョ風衣服の上端線を、腹部文様が下履きを表現しているのかもしれません。)

4-5 手足表現、妊娠腹、耳輪、髪結などは一般的表現

簡略な手足表現、膨らんだ妊娠腹、耳輪、髪結などは土偶一般の表現であるように感じます。

4-6 土坑墓床面からうつ伏せの状態で出土

この土偶が土坑墓床面からうつ伏せの状態で出土している状況は、この土偶の意義を考える上で重要です。

5 考察(想像)

・土偶の顔が天空を見つめ、顔つきが祈っているような印象を受けるので、この土偶は天界(あの世)に向かって祈っている様子を造形した土偶であると考えます。

・乳首が表現されている様子から授乳経験があり、かつその授乳活動が全うできなかった(愛する子どもが死亡してしまった)女性がこの土偶をつくったと考えます。

・土偶が墓床面からうつ伏せ状態で出土した様子から、この土偶は遺体に抱かれて埋葬されたと考えます。遺体は消失し、抱かれた土偶がそのまま埋葬面に残ったと考えます。

以下は想像に想像を重ねた超想像です。

・ある女性が子どもを産んで授乳して育てたが、途中で子どもは死亡した。女性はとても悲しみ、子どもの冥福を祈る道具としてこの土偶をつくった。この土偶は天界(あの世)にいる子どもの冥福を祈る女神の姿をしている。この土偶をそばに置いて、女性は子どもの冥福を祈っていた。

・その女性が死亡した。家族は女性の胸にこの土偶を抱かせて埋葬した。

6 参考 天空を見つめる土偶


群馬県郷原出土「ハート形土偶」を図案にした切手


仮面の女神 https://skfb.ly/oorzv

7 参考 鳥が飛ぶ空を見ている弥生時代の顔


人頭土製品 (西川津遺跡出土、島根県教育庁埋蔵文化財調査センター所蔵)

設楽博己著「顔の考古学 異形の精神史」(2021、吉川弘文館)から引用

2021.09.15記事「鳥が飛ぶ空を見ている弥生時代の顔」ブログ「芋づる式読書のメモ」


2024年7月13日土曜日

ChatGPTがまとめたブログ「花見川流域を歩く」の内容と特徴

 Contents and features of the blog "Walking the Hanami River Basin" summarized by ChatGPT


The number of articles in the blog "Walking the Hanami River Basin" has passed 4000. As a personal commemorative event for this milestone, I asked ChatGPT to summarize the contents and features of the blog over the past year. I admire ChatGPT's ability to summarize. The summary allowed me to see myself objectively, which increased my motivation.


ブログ「花見川流域を歩く」の記事数が4000を通過しました。この画期の私的記念イベントとして、ブログ過去1年間の内容と特徴をChatGPTにまとめてもらいました。ChatGPTのまとめ能力に敬服です。まとめにより自分が客観視できて、やる気が増進しました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」記事数4000通過を感謝します

ブログ「花見川流域を歩く」記事数が4000を通過しました。最新記事2024.07.12記事「儀礼行為と身体との関係」が4011番目の記事となります。

4000記事という大きな数を通過できたことは、ブログを閲覧していただいて、時にコメントをくださる日本と世界の皆様のおかげです。日本と世界の皆様に閲覧していただいていることが自分にとって大きな励みになっています。皆様に心から感謝申し上げます。

今後もブログ「花見川流域を歩く」をよろしくお願い申し上げます。


過去記事リスト画面(2024.07.13)

2 記事数4000通過記念私的イベント ChatGPTによるブログ過去1年間のまとめ

記事数4000通過記念の私的イベントとして、このブログの過去1年間の内容と特徴をChatGPTにまとめてもらいました。

2-1 ChatGPT質問

次のリストはあるブログの1年間の記事表題リストです。

このリストから推察できるこのブログの内容や特徴を箇条書きで詳しく教えてください。


儀礼行為と身体との関係

有吉北貝塚北斜面貝層 土器と土錘の分布特性の違い

(以下2023.06までのブログ記事リスト全245件表示)


2-2 ChatGPT回答

このブログの内容や特徴は以下の通りです:

●ブログの内容

1 考古学に関するテーマ:

・さまざまな遺跡や出土品について詳細な観察記録を掲載している。

・土器、土偶、化石、耳飾りなどの出土品についての3Dモデルを作成し、観察・記録している。

・出土品の分布や分類に関する技術的な分析を行っている。

2 3D技術の活用:

・3Dモデルを用いて遺物の観察記録を詳細に行っている。

・遺物の3D分布モデルを作成し、視覚的に分析している。

・3D棒グラフやメッシュカバー、ヒートマップなどを用いてデータの可視化を行っている。

3 技術メモ:

・遺物の電子化やデータベース化に関する効率的な作業方法を記録している。

・BlenderやPostgreSQLなどのソフトウェアを使用した技術メモを多数掲載している。

・3Dモデリングや画像処理に関する技術メモも豊富。

4 儀礼と考古学:

・儀礼行為や儀礼考古学に関する記事が多い。

・儀礼と物質文化、儀礼祭祀文化事象の発達に関する分析や考察を行っている。

5 文化的・歴史的学習:

・欧米考古学の新概念や、日本の考古学に関する学習記事がある。

・発掘調査や博物館の観覧記録、関連する書籍の学習記事が含まれている。

6 趣味としての考古学:

・考古学関連の切手収集や、古代の造形物に関する趣味的な記事もある。

・3Dモデリングやデータ分析を趣味として楽しんでいる様子がうかがえる。

●ブログの特徴

1 専門性の高さ:

・考古学や3D技術に関する高度な知識と技術を持っている。

・詳細な観察記録と技術的な分析を行っている。

2 技術の多様性:

・3Dモデリング、データベース管理、画像処理など、多岐にわたる技術を駆使している。

・Blender、PostgreSQL、RealityCaptureなどのソフトウェアを積極的に使用している。

3 視覚的なデータ表現:

・3Dモデルやグラフを用いた視覚的なデータ表現を多用している。

・読者にとって分かりやすい視覚的な情報提供を心がけている。

4 学習と記録の一貫性:

・遺物の電子化やデータベース化、3Dモデリングに関する継続的な学習と記録を行っている。

・ブログのふりかえり記事や技術メモを通じて、一貫した学習と進捗管理を行っている。

5 趣味と研究の融合:

・考古学を趣味としながら、専門的な研究活動を行っている。

・趣味としての切手収集や博物館巡りなど、楽しみながら考古学を探求している。

このブログは、考古学に関する専門的な知識と技術を活かしながら、3D技術を用いた視覚的なデータ表現を行い、継続的な学習と記録を通じて趣味と研究を融合させた内容となっています。


ChatGPT画面

3 感想

・245件のリストから上記のまとめをほぼ瞬間的に書き出すのですから、ChatGPTの能力に驚き敬服します。

・内容は的確です。

・自分の書いた記事245件のリストを見たり、あるいは内容を読んで、時間を無制限としても、これだけの簡潔なまとめを書く能力が自分にあるかどうか、不安になってきます。

・このChatGPTのまとめにより、自分の活動がある程度客観視できたような気がします。ブログ活動(学習活動)の意欲が向上しました。


2024年7月12日金曜日

儀礼行為と身体との関係

 谷口康浩著「土偶と石棒 儀礼と社会ドメスティケーション」学習 9


The relationship between ritual acts and the body


Study 9 “DOGU & SEKIBOU: Rituals and the Domestication of Society in Prehistoric Jomon” by Yasuhiro Taniguchi


In the explanation of “Ritual Acts and Context” in “DOGU & SEKIBOU” by Yasuhiro Taniguchi, it is stated that the relationship between ritual acts and the body is an important research perspective. This is a very important point. Inspired by this point, I thought about how to hold the rock slab on display.


谷口康浩著「土偶と石棒」の「儀礼行為とコンテクスト」説明の中で、儀礼行為と身体との関係が重要な研究視角になることが述べられています。とても重要な指摘です。この指摘に触発されて、展示岩版の握り方思考を楽しむことができました。著者に感謝です。

序章 儀礼考古学の現代的意義

2 儀礼考古学の研究法一モノ・行為・コンテクストー

(3)儀礼行為とコンテクスト

「また、儀礼行為と身体との関係も重要な研究視角となる。厳格な形式に則った身ぶりや所作、特定の者だけに許される振る舞い、舞踏や歌謡のような演劇的要素、抜歯や入れ墨のような苦痛を伴った身体加工など、さまざまな形で儀礼は身体や動作と結びっいている。断食や人身供犠も身体を用いた究極の儀礼といえる。

義礼と身体動作が強く結びつくのは、厳格な修練によつて心身を統合してはじめて超越的存在に近づくことができると信じられているからであろう。

身体や身ぶりが社会性・歴史性を帯びていることは、社会学者のM.モースやP.ブルデユが論じたとおりである(モース1976、ブルデュ1988)。儀礼における身体動作には特にそうした性質が凝縮していたことであろう。こうした議論を援用し、特定の身体技法や身ぶりの型を考古資料から復元することが、儀礼研究の一つのアプローチとなる。」(谷口康浩著「土偶と石棒」から抜粋引用)

【本書のこの記述に触発されて楽しんだ思考】

本書のこの記述に触発されて、次の思考を楽しみました。

2024.07.06記事「岩版(群馬県東吾妻町唐堀遺跡)観察記録3Dモデル


岩版を使った祈り(超想像)

なお、この思考は次の情報に立脚しています。

岩版に親指置き場があることから、また、縄文渦巻きについて知識を蓄積していることから、さらに唐堀遺跡から結婚関連シンボル(木柱、耳飾り)が出土していることから、

2024.07.01記事「耳飾り5点(群馬県東吾妻町唐堀遺跡)観察記録3Dモデル

2024.06.30記事「彫刻のある木柱(群馬県東吾妻町唐堀遺跡)観察記録3Dモデル

このように思考を楽しみました。

この思考は本書谷口康浩著「土偶と石棒」を読んでいなければ決して生まれなかったと考えられます。著者に感謝します。

【苦痛を伴った身体変工の存在を疑っている事例】

webや図書からそのような身体変工を確認したことはありませんが、石棒装飾から、縄文後晩期にはペニスに身体変工していたと想像しています。とても苦痛を伴うものだったと考えます。

石棒の先端部に装飾のあるものがかなりあります。


先端部に装飾のある石棒(これまでに作成した3Dモデル画面)

空想ですが、このような身体変工が縄文時代に存在していたのかもしれません。

メキシコのウシュマル遺跡(マヤ文明)ではペニスに身体変工した石像を見たことが(説明を受けたことが)あります。


傷のついたペニスを出した石像(ウシュマル遺跡)


ウシュマル遺跡全景

【苦痛を伴う身体変工の意義】

抜歯、イレズミなどの苦痛を伴う身体変工、断食や人身供犠など身体を用いた究極の儀礼(究極の苦痛)の意義について、人類に備わった本能的心理特性である「幸福否定」(心理療法家笠原敏雄先生提唱)という概念で捉えられるのではないだろうかと以前から思考を深めています。

2021.10.03記事「メモ」ブログ「学習 幸福否定」


有吉北貝塚北斜面貝層 土器と土錘の分布特性の違い

 Differences in distribution characteristics of pottery and clay weights in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound


Comparing the distribution characteristics of pottery and clay weights in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound, there are clear differences. There are two peaks of pottery excavation, at the head of the gully and at the lower part of the gully, but the peak of clay weights is only at the lower part of the gully. It is interesting to note that the dumping principles of pottery and clay weights may be different.


有吉北貝塚北斜面貝層の土器と土錘の分布特性を比較すると明瞭な違いがあります。土器はガリー谷頭部とガリー下流部の2つの出土ピークがありますが、土錘のピークはガリー下流部だけです。土器と土錘の投棄原理が異なる可能性があり、興味が深まります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 土器と土錘の分布3D棒グラフ

有吉北貝塚北斜面貝層 土器と土錘の分布3D棒グラフ

土器出土件数 総件数19950、グリッド別最大件数665、最小件数1

土錘出土件数 総件数736、グリッド別最大件数50、最小件数1

出典:有吉北貝塚北斜面貝層遺物台帳(千葉県教育委員会所蔵)

3DF Zephyr v7.531でアップロード


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

2 観察メモ

土器と土錘の出土件数は土器19950件、土錘736件で約27倍の差があります。

土器と土錘の分布特性を比較すると、土器より土錘分布の方が狭く、また土錘に偏在性(ピークの高さ)があります。このことから、土器はいろいろな機会に投棄されることが多く、土錘は特定の機会に投棄されることが多かったと想像します。

土器の分布はガリー谷頭部とガリー下流部の2箇所に出土ピークがあり、ガリー谷頭部ピークの方が大きくなっています。一方土錘のピークはガリー下流部だけです。ガリー谷頭部の土器出土は大型破片が密集する「土器塚」的な出土状況を示します。この場所に土錘出土が少ないことから、土器投棄の原理と土錘投棄原理が異なる可能性があります。土器を投棄(廃棄)する場合はそれなりの「送り」手続きを執ったと考えますが、土錘投棄はすなわち使えなくなった漁網投棄であり、土器投棄とは異なり「ゴミの始末」の様相が強かったのかもしれません。

3 メモ

土器・土製品には円盤、耳飾り、その他土製品がありますが、件数は少ないものです。これらの項目の詳しい分布検討は遺物台帳データと発掘調査報告書掲載リストとのデータベースにおけるリンクを付けてから行うことにします。