2019年12月15日日曜日

驚愕!? パネル文土器と天文 富士見町史上巻の仮説

縄文土器学習 285

藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)のストーリー性を直観させる区画4面模様に特段の興味を持ち、それを深めています。
2019.12.12記事「藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡) 観察記録3Dモデル

関連して、藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)の時代と近い時代の区画4面模様土器(パネル文土器)に古代中国「淮南子」の天文訓思想を投影して、天文観察者がこの土器を作ったという驚愕の仮説を「発見」しましたので、メモします。

1 天文仮説

井戸尻3号住居址出土の四方眉月文深鉢
富士見町史上巻から引用(該当部筆者小林公明さん)
(土器名に「四方眉月」という解釈を前提とする文言を使っていることに違和感を持ちます。)

井戸尻の天文図象
富士見町史上巻から引用(該当部筆者小林公明さん)

井戸尻3号住居址出土の四方眉月文深鉢に2000年後の古代中国「淮南子」の天文訓思想を投影して模様の解釈をしています。
4つの区画文(パネル文)がそれぞれ4季の天文事象(四季事象)と対応しているとしています。

2 感想
・もしこの仮説が有効なものであるならば、現在興味を深めている藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)も同様に天文事象を表現している土器として解釈できる可能性が生まれます。
・伊那市土器を最初見たとき、知識が全くない状態で、この土器はカエルとヘビの四季の様子を表現しているという感想を持ちました。四季と天文は同義です。
・天文仮説が有効であってもらいたいという希望(?)が自分の中に生まれています。

参考 藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)
口縁部の4区画の模様を四季に対応するものとして、仮説したくなります。天文仮説を応援したくなります。

・しかし、4つの区画文のデザインそのものから天文事象(四季事象)を暗示する有力情報はくみ取れないようです。天文事象(四季事象)を4つという区画数だけを手掛かりにして、土器に対応させているように感じられます。
・「淮南子」天文訓を一方的に土器に投影しているだけの片思いのようです。
・筆者が、区画とは畑の区画を表現しているという前提にたっていることも違和感を覚えます。
・パネル文土器天文仮説に対して、魅力と反発が混じった複雑な感情を持ちます。

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富士見町史上巻
ブログ芋づる式読書のメモ2018.03.6記事「富士見町史上巻の入手


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