2019年12月8日日曜日

顔面付釣手形土器(伊那市富県御殿場遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文土器学習 280

顔面付釣手形土器(伊那市富県御殿場遺跡)の観察記録3Dモデルを作ることができました。この土器こそ3Dモデル作成の意義が大です。この土器の現物を観察したことのない人にその立体形状を伝えることができる有力な資料となります。
4面ガラス張りショーケースに入っていて、ガラス面反射光のためこれまで満足な3Dモデルができなかった対象物です。しかし、3DF Zephyr Liteのマスカレード機能を利用したところ満足のいく3Dモデルを作ることができました。自分の縄文土器学習における技術的画期を通過することができました。

顔面付釣手形土器(伊那市富県御殿場遺跡) 観察記録3Dモデル
撮影場所:伊那市創造館
撮影月日:2019.09.12
4面ガラス張りショーケース越しに撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 55 images(Masquerade機能利用)

撮影写真例 1

撮影写真例 2

Masquerade機能の設定作業状況
対象物だけ範囲指定し、それ以外空間の3D作成計算は一切行わないため、ガラス面反射の影響排除が強力にできます。55枚写真についての作業が必要となります。

参考 カメラ配置

感想
この土器の考察は次のブログ記事を参照してください。
ブログ花見川流域を歩く2019.03.20記事「顔面付釣手形土器の発掘調査報告書を読む
2019.03.24記事「顔面付釣手形土器と吉田敦彦「縄文の神話」

天井から吊るされた産婦が行う座産において、介助者(産婆?夫?)の両手10本の指が産道を拡げている様子と出産直後の産婦のほほえみが苦痛と幸福感の対照を表現しています。
釣手型土器の機能として産道が焼かれる仕組みになっていて、この土器観察の様子を 神話学者吉田敦彦は「日本の神話イザナミは火の神カグツチを生み出し、その火によって陰部を焼かれ致命傷を負った。イザナミはその前後に国土の島と金属・粘土・水・穀物などの神を生んだ。」ことと思考を関連付けています。

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