2019年12月22日日曜日

花瓶のような縄文土器 3Dモデル

縄文土器学習 293

尖石縄文考古館に展示されている「花瓶のような土器」と形容される優美な姿の土器の3Dモデルを作成しました。

縄文前期深鉢形土器(茅野市下ノ原遺跡) 観察記録3Dモデル
撮影場所:尖石縄文考古館
撮影月日:2019.09.13
4面ガラス張りショーケース越しに撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 65 images(Masquerade機能利用)

撮影写真の一例

マスカレード機能設定状況
マスカレード機能により、対象物以外はマスクにより隠し対象物だけの計算をするため、より統合的でゴミの少ない3Dモデルを作ることができます。同時に大幅な時短が実現します。

土器の説明パネル

3Dモデル 立面のオルソグラフィック投影

感想
その優美さは館に展示されている他の縄文中期土器と比べて異次元ともいえるものです。
この土器(縄文前期)作者の土器制作に対する価値観と縄文中期土器作者の価値観は全く異なると想像します。
類似の器形土器として(時代は全く異なりますが)堀之内1式土器があります。それと比べるとこの土器の優美な曲線の特徴がよくわかります。

参考 堀之内式土器 山内清男編「日本先史土器図譜」

土器模様について
この土器の模様は頸部が波状に対応して4つの区画に区分されますが、模様は2つが同じで、他の2つはそれぞれ異なり、結局3つに分類できます。また胴部は7つの区画に区分され、胴部と頸部の模様は直接対応しません。
頸部、胴部区画区分と頸部と胴部の関係は作者の計画的意図が込められてデザインされていると直感できます。適当に模様を描いたとは到底考えられません。
この土器の模様の意味を今後検討して深めることにしますが、類似土器の模様との比較が大切であると考えます。

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