2019.12.16記事「唐草文Ⅱ期深鉢(埋甕)(伊那市御殿場遺跡) 観察記録3Dモデル」に引き続き、同じく伊那市創造館に展示されている同時期の縄文土器4点の3Dモデルを作成しました。
唐草文Ⅱ期深鉢(埋甕)(伊那市御殿場遺跡2号住居) 観察記録3Dモデル
撮影場所:伊那市創造館
撮影月日:2019.09.12
3面ガラス張りショーケース越しに撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 19 images(Masquerade機能利用)
中央が唐草文Ⅱ期深鉢(埋甕)(伊那市御殿場遺跡2号住居)、左は縄文中期中葉深鉢(伊那市月見松遺跡)、右(一部)は唐草文Ⅱ期深鉢(埋甕)(伊那市御殿場遺跡3号住居)(2019.12.16記事扱い)
縄文中期中葉深鉢(伊那市月見松遺跡) 観察記録3Dモデル
https://skfb.ly/6Pxup
縄文中期中葉有孔鍔付土器(伊那市月見松遺跡) 観察記録3Dモデル
https://skfb.ly/6Pxuq
縄文中期中葉椀形土器(伊那市月見松遺跡) 観察記録3Dモデル
https://skfb.ly/6Pxus
これらの3Dモデルを作成しながら土器文様を詳しく観察すると渦巻文、流線文、波線文、波紋文が特徴的に使われているのでメモしておきます。
1 渦巻文、流線文、波線文
唐草文Ⅱ期深鉢(埋甕)(伊那市御殿場遺跡3号住居)
唐草文Ⅱ期深鉢(埋甕)(伊那市御殿場遺跡3号住居)
じっくりかんさつすればするほど次のような対応関係が自分には感得されてしまいます。
渦巻文…湧泉の様子、つまり湧泉文
流線文…水の流れ、つまり流水紋
波線文…水の細流の流れ、つまり小川文
地図記号や略図地図表現がそのまま土器に書かれたような印象を受けます。
2 他の土器における渦巻文、流線文、波線文、波紋文
この特徴的な文様…水・河川に関係するかもしれない文様…が他の同時代土器にも使われているので、これら一連の文様に強い興味を持ちます。
3 感想
縄文人にとって飲料水は湧泉から得ていたと考えられますから、湧泉の存在は生活の基本条件であり、それを渦巻文として用いることは十分にありうることであると考えます。
湧泉から川が発出するので、川が土器に描かれることはごく自然な出来事であると考えることできると思います。
これらの文様が使われている縄文土器情報を集め、時間的・空間的にこの文様がどのように分布しているのか検討を深めたいと思います。
なお、次の文様も渦巻文の一種であるといえるのかもしれません。興味が興味を呼びます。
水噴出を表現するかもしれない文様
2019.08.18記事「加曽利EⅡ式把手付鉢の杖のような模様」
0 件のコメント:
コメントを投稿