2020年3月3日火曜日

文様を解読できない横位連携弧線文土器

縄文土器学習 367

現在、加曽利貝塚博物館E式土器企画展(終了)の展示土器について学習しています。この記事では横位連携弧線文土器として、加曽利EⅢ式浅鉢(酒々井町墨木戸遺跡)企34土器を観察します。
残念ですが文様を解読できませんでした。
(企34はこのブログにおける整理番号です。)

1 加曽利EⅢ式浅鉢(酒々井町墨木戸遺跡)企34 観察記録3Dモデル

加曽利EⅢ式浅鉢(酒々井町墨木戸遺跡)企34 観察記録3Dモデル 
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」 
撮影月日:2019.11.19 
整理番号:企34 
ガラス面越し撮影 
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 45 images

展示の状況
ガラス面反射が激しく、観覧環境が劣悪な土器です。

2 3Dモデルから作成した文様浮彫展開写真
GigaMesh Software Frameworkを使って3Dモデルから文様浮彫展開写真を作成しました。

加曽利EⅢ式浅鉢(酒々井町墨木戸遺跡)企34 文様浮彫展開写真 1
ガラス面に反射した説明パネルの図柄が転写されています。

加曽利EⅢ式浅鉢(酒々井町墨木戸遺跡)企34 文様浮彫展開写真 2(参考)

3 観察と感想
・4単位波状口縁の土器です。
・観覧環境が劣悪なこともさることながら、それ以上に土器胴部上部を除く全表面から沈線が消えていることから、文様解読が不可能です。
・土器表面が火熱や摩擦によりすり減っている(摩耗している)とともに風化により表面がボロボロになり剥落しているように感じます。

観察できた沈線の様子 点線は推測
・横位連携弧線文土器であると考えられます。対向系横位連携弧線文土器であるように推測します。
・復元部に対向系横位連携弧線文土器のような模様が書き込まれていますから、現物を手にすれば、沈線がさらに観察できるのかもしれません。

・この土器観察により展示土器学習の技術的限界にまでとうとう到達することができたという感想が生まれます。

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