加曽利B3式異形台付土器(千葉市加曽利貝塚)Aの観察を行っています。
この記事では上部切除モデルによる観察、文様浮彫展開写真による観察を行います。
1 参考 加曽利B3式異形台付土器A(千葉市加曽利貝塚)上部切除3Dモデル
次画像の赤色部分を切除して3Dモデルを作成しました。
切除部分
撮影場所:加曽利貝塚博物館
撮影月日:2019.12.27
許可:加曽利貝塚博物館の許可による全周多視点撮影及び3Dモデル公表
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 81 images
土器上部を切除することにより、土器内部構造の様子や中部の様子をより詳しく観察することができます。
2 文様浮彫展開写真
GigaMesh Software Frameworkを活用して加曽利B3式異形台付土器A(千葉市加曽利貝塚)の文様浮彫展開写真を作成しました。
土器内部に視点をおいた場合の展開写真です。
3 観察と感想
3-1 土器上部
・土器上部(切除モデルで切除した部分)は口縁部平滑な一般土器の形をしています。口縁部に縄文があり、口唇部も表現されています。
・ただし、内面をみると土器の底がありません。
3-2 土器中部
・断面形状が三角の円環状の形状をしていて、二つの小環が口を開けています。
・小環は中空となっています。(3Dモデルでは中空には表現できていません。)
・2つの小環は少しだけ斜め上を向いて口を開けています。
・小環と小環の中間部が少し出っ張り、その部分にたすき掛け状に縄文が施されています。
3-3 土器下部
・土器下部と土器中部の内面に壁があります。
・土器下部は口縁部平滑な一般土器を裏返して置いたような形状をしています。
・模様も口縁部に縄文があるようなイメージを受けます。
3-4 感想
・土器上部は底抜けの一般土器を、土器下部は底のついている一般土器を、土器中部は草木などを紐で縛って、そこに中空の環を差し込んだような印象を受けます。そのような3つの構成物からなる装置のフィギュアがこの土器であるとの推測をします。
詳しい検討をさらに進めることにします。
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