現在、加曽利貝塚博物館E式土器企画展(終了)の展示土器について学習しています。この記事では入組系横位連携弧線文土器として、加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市吉見台遺跡)後4土器を観察します。(後4はこのブログにおける整理番号です。)
1 加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市吉見台遺跡)後4 観察記録3Dモデル
加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市吉見台遺跡)後4 観察記録3Dモデル
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」後半展示
撮影月日:2020.01.21
整理番号:後4
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 84 images
展示の状況
2 3Dモデルから作成した文様浮彫展開写真
GigaMesh Software Frameworkを使って3Dモデルから文様浮彫展開写真をつくりました。
加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市吉見台遺跡)後4 文様浮彫展開写真 1
加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市吉見台遺跡)後4 文様浮彫展開写真 2(参考)
3 観察と感想
・上段弧線文の間に下段弧線文が入り込み入組になっています。
・画面左端はそれ以外の弧線文入組の様子と異なります。縄文施文されている弧線文が対向している場面もあります。この文様パターンが異なる部分がこの土器の「正面」である可能性があります。
・3Dモデルをいじっていただけるとわかりますが、この「正面」らしい器面の口縁部部分の内側に黒い模様が観察できます。この黒い模様はおこげである可能性があります。
土器正面を下にして土器を倒し、熾火でミニ調理をした後の可能性があります。
土器外面黒変と土器内面おこげの対応考察(2020.02.17記事「称名寺式土器黒変部の観察と考察」)
・この図の真ん中のイラストのように、土器正面を下にして土器を倒し、熾火でミニ調理をすれば、内面におこげができます。
・弧線文入組パターンの特別性とその内面のおこげと思われる黒変の存在から、この部分が土器正面である可能性が濃厚です。
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