縄文土器学習 459
千葉市埋蔵文化財調査センターに展示されている多数の土偶のうち発掘調査報告書番号289番土偶を3Dモデルで観察しました。
1 安行式ミミズク土偶(千葉市内野第1遺跡)289 観察記録3Dモデル
安行式ミミズク土偶(千葉市内野第1遺跡)289 観察記録3Dモデル最大高8.4㎝、最大幅5.7㎝、最大厚3.2㎝、刻目列
観察場所:千葉市埋蔵文化財調査センター
観察日時:2020.08.20
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.006 processing 43 images
展示の様子
展示の様子 特殊モード写真
実測図
千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用
3Dモデルの動画
2 観察
ア 顔
顔は皮剥ぎの様子を表現していると考えます。
イ 肩から乳房にかけての刻目列
実測図から背中からはじまり肩を経て、乳房まで刻目列が続いています。この範囲の皮を剥いだ拷問の様子を表現していると考えます。恐らく女性専用の拷問(刑罰)であると考えます。
生きた女性罪人の顔の皮を剥ぐ、背中から乳房までの皮を剥ぐという現代社会では想像できないような残酷で猟奇的な拷問(刑罰)が縄文社会に実在していて、その様子が投影されていると考えます。
webで調べると原始古代社会では生きた人間の全身の皮を剥ぐ拷問・処刑が一般的に存在するようですから、縄文社会だけが特殊であったわけではないようです。
ウ 黒顔料
黒顔料が塗られているように観察できます。発掘調査報告書にはその旨の記述はありません。脚部の断面部を見ると、断面の深いところまで黒塗料が染み込んでいるように見えます。
3 感想
この土偶を観察して、「本当は怖いミミズク土偶」などと悠長に話している場合ではなく、本当に怖くなりました。現代社会では決してい認められない猟奇的暴力・拷問などが縄文社会にあります。それは縄文社会に限らずすべての原始社会に存在していたと考えます。
猟奇的暴力・拷問などの存在を無かったことにして学習を進めることはできません。縄文学習を進めるうえである程度の心理的覚悟が必要であると感じました。
残酷・人身御供などの否定的活動が人類社会歴史のなかで減少する方向で変化してきていることは確実です。それを人類進化事象として捉えている心理研究家もいらっしゃいます。一つの興味対象になります。
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