2025年3月4日火曜日

テストグリッドの遺物別3D空間分布の比較

 Comparison of 3D spatial distribution by artifact in test grid


I observed and compared the 3D spatial distribution of 11 types of artifacts excavated from the 331 grid of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. Pottery and shell products were excavated from the middle and lower parts of the shell layer, and bones were excavated from the entire area, and it can be confirmed that the artifact types show different 3D spatial distribution patterns.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した11種類遺物の3D空間分布を観察して比較してみました。土器、貝製品は分層貝層の中下部から、骨は全域から出土し、遺物種で異なる3D空間分布様相を示すことが確認できます。

1 331グリッドにおける11種遺物の11断面オルソ投影


331グリッドにおける11種遺物の11断面オルソ投影

11種遺物の3D空間分布をBlenderで観察しました。3D空間分布の様子を直接画像で表現することは困難であるので、簡易的方法として各遺物を11断面にオルソ投影して、その画像で説明します。

1-1 分層貝層の中下部に主に分布する遺物

土器、土錘は主に分層貝層の中下部の分布します。朱塗土器、貝製品は分層貝層の中下部だけに分布します。これらの遺物の共通する分布がどうして形成されたか、今後の検討課題ですが、次の2つの可能性が考えられます。

1 分層貝層上部に投棄された遺物も多いが、多くの遺物が斜面に働く営力で下方に移動した。

2 分層貝層上部に投棄された遺物は少なく(あるはほとんどなく)、多くの遺物が分層貝層中下部を選択して投棄された。

貝製品(すべて貝刃)の分布は分層貝層上部のものがないので、1説は考えずらく、2説が妥当のように感じます。

今後検討グリッドを増やして行けば、結論がでると期待します。

1-2 分層貝層の上中下部に万遍に分布する遺物

骨は分層貝層の上中下部に万遍に分布する遺物と言えます。正確には上部の方が少しだけ高密になっています。魚骨、散乱人骨、石器は遺物数が少ないので断定できませんが、分層貝層の上下に偏った分布はしていません。

骨は分層貝層の上部にも、中部にも、下部にも投棄された可能性が濃厚であると考えます。主に上部から投棄され、それが下方に移動してほぼ均質な骨分布になったとは考えずらいです。今後情報を増やして検討を深めます。

1-3 石鏃とイノシシ

石鏃2点とイノシシ顎骨1点が分層貝層上部から出土しています。この情報だけから石鏃、イノシシ顎骨の出土位置を一般化することはできません。しかし、石鏃やイノシシ顎骨は狩猟に関係する遺物であり、それが分層貝層上部から出土していることに意味があるかもしれません。土器や貝刃という調理道具が分層貝層下部から出土していることと対比して、分層貝層斜面の使い分けがあったかもしれないという空想が刺激されてしまいます。つまり分層貝層上部は男に紐づく狩猟関係の祭祀や廃棄場所として使い、分層貝層中下部は女に紐づく調理や漁労関係の祭祀や廃棄場所として使ったという斜面使い分け仮説の想像が浮かびあがります。今後情報を増やして、検討します。

1-4 遺物の特別な隣接性の有無

イノシシ顎骨、散乱人骨、骨製品、朱塗土器など祭祀的意義があるかもしれない遺物相互に空間的関係があるかどうか、3D空間で観察しました。結果として特段の情報をみつけることはできませんでした。検討グリッドをふやして行けば、何か特別な関係がみつかるかもしれません。また、効率的な検討ツール開発も急務です。(例 2つの遺物種で近接するものだけを自動抽出プロットするBlenderPythonスクリプト)

2 メモ

・異なる遺物種の3D空間分布が似ている事例を見つけることができました。(土器と貝製品)

・異なる遺物種の3D空間分布が異なる事例を見つけることができました。(土器・貝製品と骨)

・異なる遺物種の3D空間分布が棲み分け的であるかもしれない情報に接しました。(土器・貝製品と石鏃・イノシシ顎骨)

3 事例調査

祭祀的意義があると考えられる遺物が出土しているグリッドを含む調査領域を設定して、引き続き事例調査を行うことにします。


アワビ(千葉市大膳野南貝塚)観察記録3Dモデル

 Abalone (Daizennominami Shell Mound, Chiba City) Observation Record 3D Model


I created a 3D model of the abalone exhibited at the Chiba City Buried Cultural Properties Research Center special exhibition "Shells and People." This time, I created a 3D model using a pop art filter photo, and enjoyed comparing it with a 3D model I had taken previously using a natural filter photo.


千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「貝と人」で展示されているアワビの3Dモデルを作成しました。今回はポップアートフィルター写真で3Dモデルを作成して、以前撮影したナチュラルフィルター写真による3Dモデルと比べて楽しみました。

1 アワビ(千葉市大膳野南貝塚)観察記録3Dモデル ポップアートフィルター写真

アワビ(千葉市大膳野南貝塚)観察記録3Dモデル ポップアートフィルター写真

縄文時代後期

殻長17.8㎝、殻幅14.0㎝、殻高5.4㎝、マダカアワビ

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「貝と人」

撮影月日:2025.02.25

ポップアートフィルター写真


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v8.001 processing 117 images

Blenderで光沢調整


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 アワビ(千葉市大膳野南貝塚)観察記録3Dモデル ナチュラルフィルター写真

アワビ(千葉市大膳野南貝塚)観察記録3Dモデル ナチュラルフィルター写真

縄文時代後期

殻長17.8㎝、殻幅14.0㎝、殻高5.4㎝、マダカアワビ

撮影場所:千葉市立郷土博物館「千葉市出土考古資料優品展」

撮影月日:2021.12.22

ナチュラルフィルター写真


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v8.001 processing 121 images(2025.03.03)

Blenderで光沢調整


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

3 感想

縄文時代後期の人々によって、太陽の光で輝かせて秘儀に使われたと考えられる大形アワビが、現代でも同じ輝きを保っているのですから、大いに感動します。この輝きをすこしでも3Dモデルで表現したいと希望するのですが、技術がないので中途半端なものしかできません。見る角度によって干渉色が移ろう様子をいつか表現できるようになりたいものです。


2025年3月3日月曜日

テストグリッドの骨3D分布モデル作成

 Creating a 3D distribution model of bones in a test grid


A 3D distribution model of bones excavated from 331 grids in the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound was created. Bones are densely distributed in the shell layer on the slope. They are distributed with a nearly uniform density from the top to the bottom of the divided shell layer, which differs from the distribution of pottery and earthenware products, which are biased in the vertical direction.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した骨3D分布モデルを作成しました。骨は斜面貝層に密集して分布します。分層貝層の上部から下部までほぼ均一に近い密度で分布し、土器・土製品分布などの上下方向に偏った分布と異なります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの骨3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの骨3D分布モデル

331グリッドから出土した骨を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 骨3D分布モデルの観察メモ

骨は崩落層から5、二次堆積崩落層Aから17、斜面貝層から1068出土しています。

斜面貝層の分布は、分層貝層の上部から下部までほぼ均一に近い密度で分布し、土器・土製品分布などの上下方向に偏った分布と異なります。

より詳しく、簡易的計測をすると、骨の割合は斜面貝層の上部と下部で5.5:4.5程度で斜面貝層上部の方が多くなっています。3Dモデルを詳しく観察すると、骨が団塊状になっている部分や分層貝層に沿って列状に並んでいる部分が多数存在しています。この事象は、食料残滓としての骨を投棄した1回の活動や、その1回投棄の骨が分層貝層に沿って下方に移動(流動)した様子を表現しているのかもしれません。

斜面貝層における骨分布密度がほぼ均一であるということは、骨と貝の分布がほぼ同じであるという大局観を持つことができます。この大局観から、骨投棄活動と貝殻投棄活動の原理が類似していたと仮説します。


骨分布の11断面オルソ投影

3 散乱人骨

遺物台帳データベースの骨には散乱人骨やイノシシ顎骨も含まれています。遺物台帳データベースには発掘調査報告書掲載全遺物リストもリレーションしてあり、ここでは発掘調査報告書掲載散乱人骨を抽出して331グリッドの3D分布モデルを作成しました。


331グリッドにおける散乱人骨3D分布モデル(画像)

3D座標のある散乱人骨データは4点あります。

4 イノシシ顎骨

331グリッドにおけるイノシシ顎骨3D分布モデル(画像)


イノシシ顎骨データは1点あります。


テストグリッドの貝製品・骨製品3D分布モデル作成

 Creation of a 3D distribution model of shell and bone products in a test grid


A 3D distribution model of shell and bone products excavated from grid 331 of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound was created. Shell products (shell blades) are distributed from the middle to lower part of the split shell layer, but not in the upper part. This is similar to the distribution of pottery and earthenware products.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した貝製品・骨製品3D分布モデルを作成しました。貝製品(貝刃)は分層貝層の中部から下部のかけて分布していて、上部には分布していません。土器・土製品の分布に似ています。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの貝製品3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの貝製品3D分布モデル

331グリッドから出土した貝製品(全て貝刃)を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの骨製品3D分布モデル


有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの骨製品3D分布モデル画像

3 貝製品3D分布モデルの観察メモ

貝製品(すべて貝刃)は22点出土していて、貝層大区分別内訳は崩落層0、二次堆積崩落層A1、斜面貝層21です。

貝製品は分層貝層の中部から下部のかけて分布していて、上部には分布していません。土器・土製品の分布に似ています。


貝製品分布の11断面オルソ投影図

4 骨製品3D分布モデルの観察メモ

骨製品(骨製装飾品)は分層貝層の中部付近から出土しています。


テストグリッドの石器・石3D分布モデル作成

 Creating a 3D distribution model of stone tools and stones on a test grid


A 3D distribution model of stone tools and stones excavated from 331 grids on the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound was created.

There were only two stone tools (stone arrowheads) found as products, but they were excavated from the upper part of the shell layer, which differs from the distribution and appearance of the pottery.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した石器・石3D分布モデルを作成しました。

製品としての石器(石鏃)は2点だけですが、分層貝層の上部から出土していて、土器分布と様相と異なります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの石器・石3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの石器・石3D分布モデル

331グリッドから出土した石器(石鏃)赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で、石(黒曜石、石、礫)をピンクCUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 石器・石3D分布モデルの観察メモ

331グリッドから23点の石器・石が出土しています。内訳は石鏃2、黒曜石9、石・礫12です。

崩落層から2点、二次堆積崩落層Aから2点、斜面貝層から19点の出土となっています。斜面貝層における分布を見ると分層の上部から出土しているものも、下部から出土しているものもあります。土器・土製品の分布と異なるように観察できます。製品としての石器(石鏃)は2点だけですが、分層貝層の上部から出土していて、土器分布の様相と異なります。この違いがテストグリッドだけなのか、より一般的な事象なのか、今後の観察課題です。


石器・石分布の11断面オルソ投影図



2025年3月2日日曜日

テストグリッドの土錘の3D分布モデル作成

 Creating a 3D distribution model of soil weights in a test grid


A 3D distribution model was created for soil weights excavated from grid 331 on the northern slope of the shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound. They were mainly excavated from the middle to lower part of the divided shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した土錘の3D分布モデルを作成しました。主に分層貝層中下部から出土しています。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの土錘3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの土錘3D分布モデル

331グリッドから出土した土錘を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 土錘3D分布モデルの観察メモ

土錘は全部で20点出土しています。

土錘は斜面貝層では主に分層貝層の中下部から出土しています。土錘という漁業道具の廃棄場所が分層貝層中下部(斜面の中下部)に限定されていたということでしょうか。問題意識が生まれます。


土錘の11断面オルソ投影

テストグリッドの朱塗土器の3D分布モデル作成

 Creating a 3D distribution model of vermilion-painted pottery in a test grid


A 3D distribution model was created for vermilion-painted pottery excavated from grid 331 on the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. It was excavated from the middle to lower part of the split shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した朱塗土器の3D分布モデルを作成しました。分層貝層中下部から出土しています。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの朱塗土器3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの朱塗土器3D分布モデル

331グリッドから出土した朱塗を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 朱塗土器3D分布モデルの観察メモ

朱塗土器は全部で12点出土しています。

朱塗土器は斜面貝層では分層貝層の中下部からのみ出土しています。朱塗土器という祭祀的に意義のある土器廃棄の場所が分層貝層中下部(斜面の中下部)に限定されていたということでしょうか。問題意識が生まれます。


朱塗土器の11断面オルソ投影

テストグリッドの土器・土製品3D分布モデル作成

 Creation of a 3D distribution model of pottery and clay products for the test grid


A 3D distribution model of pottery and clay products was created to comparatively observe the 3D spatial distribution of pottery and clay products, stone tools and stones, shell and bone products, and bones and fish bones excavated from 331 grids of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドから出土した土器・土製品、石器・石、貝製品・骨製品、骨・魚骨の3D空間分布を比較観察するために、土器・土製品3D分布モデルを作成しました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの土器・土製品3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの土器・土製品3D分布モデル

331グリッドから出土した土器・土製品を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


331グリッド貝層大区分の3D分布


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 土器・土製品3D分布モデルの観察メモ

331グリッドから226点の土器・土製品(全て土錘)が出土しています。

崩落層から39点の土器・土製品が出土し、そのうち基底層からの出土は28点となっています。崩落層基底層から出土した土器・土製品は、ガリー侵食により土器・土製品を含む貝層が崩落し、その中の土器・土製品だけがガリー水流で運ばれてきたものと考えることができます。崩落層基底層より上から出土した土器・土製品は、土器・土製品を含む貝層がブロックとなって崩落堆積したものに含まれているものです。

二次堆積崩落層A(K層)から32点の土器・土製品が出土し、そのほとんどが二次堆積崩落層Aの最上部に分布しています。

斜面貝層から155点の土器・土製品が出土しています。3D分布をみると、分層貝層(このブログでは発掘現場で分層された貝層を分層貝層を呼びます。)それぞれの下部に土器・土製品出土が多くなっています。分層貝層の下部とは、その分層貝層がアクティブであった時期(分層貝層に貝殻が投棄されていた時期)にガリー流路に近かった場所です。常時の水流はなかったと考えますが、水辺的環境(湿地など)が存在していた可能性はあります。土器はそのような斜面下部に好まれて投棄されたと考えることができるか、今後検討を深めます。

(以前の記事で、土器が台地面端から投棄され、斜面利用営力により、斜面下部に移動したと考えましたが、そのような状況を示すデータがある一方、分層貝層の分布をみると斜面を下ってその下部で貝殻投棄が行われた証拠もあるので、土器がどこにどのように投棄され、それがどのように移動したか、今後データを増やすなかで、じっくり思考検討することにします。)


土器・土製品分布の11断面オルソ投影図


2025年3月1日土曜日

2025年2月ブログ活動のふりかえり

 A look back at blog activities in February 2025


I looked back on the activities of the blog "Walking the Hanami River Basin" in February 2025.

Following on from January, this was a month in which I focused particularly on examining the shell layers on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. I overcame several major hurdles, including creating a 3D model of the natural terrain, creating a tentative shell layer classification system, and attempting to digitize the artifact distribution map (XY coordinate reading).


ブログ「花見川流域を歩く」の2025年2月活動をふりかえりました。

1月に引き続き有吉北貝塚北斜面貝層検討に特段に集中した1ヵ月となりました。地山地形3Dモデル作成、貝層区分体系試案作成、遺物分布図デジタル化(XY座標読取)試行など大きなハードルを幾つか越えました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・2025年2月の記事数は19です。

・地山地形3Dモデル作成、貝層区分体系試案作成、遺物分布図デジタル化(XY座標読取)試行結果の活用などの記事を書きました。

・千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「貝と人」観覧記事を書きました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事を1編書きました。

3 2025年2月活動の特徴

3-1 地山地形3Dモデル作成


地山地形3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層が収まる地山地形(谷地形)の3Dモデルはこれまで何回も作成してきましたが、混貝土層地山平面図やセクション図から精細な3Dポイントデータを作成して、最も精細な地形3Dモデルを作成することができました。この結果、この地形が典型的なガリー侵食地形であることがわかり、北斜面貝層形成の最初期の様子について認識を深めることができました。

3-2 貝層区分体系試案作成


貝層大区分試案


貝層中区分試案

貝層断面図(セクション図から集成して作成)から貝層区分体系の試案を作成しました。これにより、貝層発達史の全貌を把握することが可能となりました。

3-3 遺物分布図デジタル化(XY座標読取)試行とその活用


遺物3D座標の活用

遺物分布図デジタル化(XY座標読取)を試行し、自分レベルでXY座標読取技術を確立することができました。これにより遺物分布図デジタル化作業がパワー投入の関数になりました。同時にXY座標読取結果にZ座標(遺物台帳記載)を加え、遺物の3D座標を3D空間にプロットして貝層との関係について検討しました。

3-4 感想

3-1~3-3はこれまで自分にとって懸案だった事項であり、これら事項のハードルを越したことにより、北斜面貝層プロジェクト取組みにたいする前向きな展望が急速に広がりました。

4 2025年3月活動の展望

有吉北貝塚北斜面貝層検討活動をさらに進めます。10断面と11断面に囲まれた7グリッドをモデル検討ゾーンに設定して、出土全遺物を3D空間に配置し、遺物と貝層との関係、遺物相互の関係などについて検討します。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2025年2月記事 〇は閲覧の多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2025年2月記事


2025年2月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2025年2月 YouTubeに投稿した動画


2025年2月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像