2024年12月31日火曜日

2024年の趣味活動をふりかえる

 Looking back on my hobbies in 2024


New Year's Eve 2024 has arrived.

As is customary, I've put together a list of the top 10 things I enjoyed most about my hobbies in 2024.

I wish everyone a happy new year.


2024年の大晦日を迎えました。

2024年はパンデミック後の全く新しい世界の姿の特徴がすこしずつ明らかになってきたように感じた年でした。特にAI技術の社会的普及という点では、昨日驚いていたことが、今日は当たり前みたいな社会状況でした。自分もその動向を受容し、趣味活動にAI技術をできるだけ取り入れることによって楽しみをより深めることにつとめました。

このような趣味活動の中で、対面でお会いし、ご指導やご厚情をいただいた皆様、Blog、Twitter、Facebook、YouTube、Sketchfabなどwebでお会いし、いいね・コメント・情報・アドバイス・ご指摘などをいただいた内外皆様に心から感謝申し上げます。2024年の1年間まことにありがとうございました。

この記事では、2024年趣味活動で画期となったような事柄、特段に面白かった事柄を思い出して、楽しかった事柄ベストテンとしてまとめてみました。また合わせて、年初にメモした「2024年のささやかな夢リスト」の実現状況を検証してみました。

1 2024年趣味活動で楽しかった事柄ベストテン

第1位 有吉北貝塚北斜面貝層の遺物台帳(原票)のデータベース化の最初バージョン完成

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物台帳(原票、38年前調査)の電子化・データベース化に取組み、遺物データベース(postgreSQL)の最初バージョンが完成しました。レコード数は64096です。電子化は手入力がメインとなり、おかげで右手でのテンキーブラインドタッチ入力が超高速で可能となるという副産能力を入手したほどです。

データベースソフトpostgreSQLの一通りの利用もできるようになりました。複雑なクエリはChatGPTが役立っていますので、集計分析作業が快適です。

このデータベースには発掘調査報告書掲載遺物リストも全て含めましたので使い勝手が向上しています。(ただし、発掘調査報告書掲載遺物リストの詳細属性の大半は未収容)

ほとんど全ての遺物について、グリッド別分布図を立体棒グラフで作成し、北斜面貝層内の遺物分布状況に関する問題意識を深めました。


有吉北貝塚北斜面貝層遺物データベース(最初バージョン)の概要

遺物台帳データ(遺物コード数64096)と発掘調査報告書掲載遺物リスト(遺物項目数33、レコード数3032)を遺物コードで関連付けたデータベースです。


遺物立体棒グラフの例(イノシシ顎骨分布)

遺物台帳データベースは大きなプロジェクト(北斜面貝層見える化プロジェクト)の一環です。このプロジェクトは今後さらに進捗予定です。

第2位 千葉市人形塚古墳学習とりまとめと話題提供

おゆみ野歴史愛好会で話題提供させていただく機会を得て、以前から気になっていた千葉市人形塚古墳出土地割線の学習を期間限定の短期集中で実施しました。学習はとても稔り豊かであったと感じましたが、それは次のような好条件に恵まれたためです。

1 未公表発掘空中写真の利用

千葉県教育委員会から未公表発掘空中写真多数を閲覧させていただくという素晴らしい許可をいただき、3Dモデル作成に活用することができました。

2 沼澤論文をベースにした学習

この古墳に関する詳しい論文(沼澤豊著「千葉市人形塚古墳のいわゆる地割線について」(千葉県教育振興財団文化財センター 研究連絡誌、 2008)をベースに学習を深めることができました。

3 和田晴吾著「古墳と埴輪」(岩波新書)の学習

和田晴吾著「古墳と埴輪」(岩波新書)が発刊となり、古墳に関する基礎知識を入手整理することができました。

おゆみ野歴史愛好会の皆様には、私の話題提供を面白がっていただいたと思います。


千葉市人形塚古墳地割線の意味解明にチャレンジする(1ページ目)

千葉市人形塚古墳地割線の意味解明にチャレンジする

第3位 ChatGPT活用の内部化

趣味活動全ての領域でChatGPT活用が進んでいます。次のような項目で役立っています。

1 Pythonスクリプト作成

BlenderPythonスクリプト作成、Excel操作Pythonスクリプト作成、Windowsエクスプローラー操作Pythonスクリプト作成、自作アプリPythonスクリプト作成などでChatGPT支援が役立っています。

2 postgreSQLクエリ作成

データベースソフトpostgreSQLの複雑なクエリ作成でChatGPT支援が役立っています。

3 QGIS、Illustratorなどのソフト利用法

QGISやIllustratorなどのソフトの専門的詳細な利用方法について、ChatGPTから詳しい解説を入手し役立てています。

4 テクニカルターム作成

考古・技術などで、自分が限定した領域の概念を新しい言葉(テクニカルターム、用語)で表現する場合、ChatGPTに5つ提案してもらい、それを参考に新テクニカルタームを造語しています。新テクニカルタームを造語することによって、分析作業が容易になり、飛躍することを何度も体験しています。

5 多量データの要約

6 画像の説明

7 OCR

ChatGPTにファイル入力し、ファイルで結果をもらうことが増えてきていて、とても便利です。ChatGPTは私の趣味活動を加速するエンジンとなっています。

第4位 等高線から地形3Dモデル作成技術、標高点から地形3Dモデル作成技術

QGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール)を使って等高線資料から地形3Dモデルを作成する技術、多数標高点資料から地形3Dモデルを作成する技術を得たことは自分にとって特筆すべきことです。紙資料としてしか残っていない過去の地形を3Dモデルとして復元できることは、趣味活動における一種の快楽です。


等高線資料から作成した人形塚古墳3Dモデル

第5位 発掘された日本列島2024観覧

千葉県立中央博物館で開催された発掘された日本列島2024を観覧しました。自分の縄文学習にとって示唆に富む遺物展示が多く、とても参考になりました。


発掘された日本列島2024会場

第6位 谷口康浩著「土偶と石棒」学習

谷口康浩著「土偶と石棒」学習は自分の縄文学習をとても刺激しています。自分の問題意識がこの図書に解説されている場合が多いです。事情により学習中断していますが、再開させたいとおもいます。


谷口康浩著「土偶と石棒」

第7位 加曽利貝塚博物館令和5年度企画展「あれもEこれもE加曽利E式土器-外房地域編-」観覧

加曽利貝塚博物館令和5年度企画展「あれもEこれもE加曽利E式土器-外房地域編-」を観覧して、加曽利E式土器の3Dモデルを多数作成して、楽しみました。


展示会場

第8位 東京国立博物館特別展「はにわ」観覧

東京国立博物館特別展「はにわ」を観覧して、埴輪多数の3Dモデルを作成して、楽しみました。


展示埴輪

第9位 伊那・飯田地域博物館の観覧

伊那市創造館、飯田市美術博物館、飯田市考古博物館、駒ケ根市博物館で展示されている考古遺物等を観覧して、展示物3Dモデルを多数作成して楽しみました。

第10位 ブログ「花見川流域を歩く」ページビューが100万を通過

ブログ「花見川流域を歩く」ページビューが100万を通過しました。ブログ開設から13年半の時間が経っています。内外の多くの皆様にこのブログを見ていただいて、感謝します。趣味活動の励みになる出来事です。

番外1 空中写真の3Dモデル作成

空中写真の3Dモデル作成を楽しみました。それも2枚の空中写真とか数枚の空中写真です。実用にはなりませんが、3Dモデルになること自体が楽しい活動です。


3枚の空中写真から作成した人形塚古墳3Dモデル(同じ写真を2枚合計6枚にしてフォトグラメトリで3Dモデルを作成した例)

番外2 考古学切手収集

考古学切手収集を地道に楽しんでいます。


挂甲の武人切手 修理前と修理後

2 「2024年のささやかな夢リスト」の実現状況

2024.01.15記事「ブログ開設13周年通過にあたって」で書いた「2024年のささやかな夢リスト」の実現状況をチェックします。

◎ 夢を大いに実現した

〇 夢の部分を実現した

△ 夢が実現する方向に向かった

× 夢の実現は持ち越された

1 有吉北貝塚北斜面貝層3Dデータベース作成作業の進捗を図る ◎

2 縄文土器学習を実用レベルに到達させる △

3 大膳野南貝塚学習を発展させる ×

4 Blender造形技術の基礎を身につける 〇

5 QGIS等の基礎技術を身につける 〇

6 考古学切手収集等を楽しむ 〇

3 2024年活動の特徴

2024年趣味活動の特徴として次の2点を感じていますので、メモしておきます。

3-1 AI技術の内部化

昨年からかすかに実感しだし、今年は確信をもって実感したことにAI技術(具体的にはChatGPT)が自分の知的能力を増強し、知的能力年齢延命に寄与していることです。ChatGPTで学習が加速しています。貪欲にAI技術を内部化したいと思います。もしかしたら精神的若返りとか、肉体的老化速度低下も期待できるかもしれません。

3-2 SNSとの距離感

よく表現できませんが、趣味活動を本当に自分のものにするには、SNSとの距離感について自分独自の考えが必要であることを実感しています。具体例でいうと、「こういう記事・情報発信すると、いいねが増える、記事閲覧が増える」ことが体験的によくわかってきています。そして、いいねや閲覧増大を目的に記事を書くことと、自分が本当に学習したいことの間に微妙な乖離が生まれます。この乖離が大きくなると、趣味活動が本末転倒になってしまいます。SNSとの適切な距離感を自分独自に確立することが大切です。


皆様、良いお年をお迎えください。



2024年280記事のサムネール(この記事を除く)

……………………………………………………………………
2015.12.31記事「2015年をふりかえる
2014.12.31記事「1年をふりかえる

2024年12月30日月曜日

2024年12月ブログ活動のふりかえり

 Looking back on blog activities in December 2024


I looked back on the activities of the blog "Walking the Hanami River Basin" in December 2024.

In the first half of December, I focused on summarizing the study of Ningyozuka Kofun in Chiba City, and presented the results at the Oyumino History Enthusiasts Club on the 17th. After that, I switched gears and focused on studying the shell layers on the northern slope of the Ariyoshi Kita Kaizuka Kaizuka.


ブログ「花見川流域を歩く」の2024年12月活動をふりかえりました。

12月活動前半は千葉市人形塚古墳学習のとりまとめに集中し、その結果を17日におゆみ野歴史愛好会で話題提供しました。その後一転して有吉北貝塚北斜面貝層学習に集中しました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・2024年12月の記事数は16です。(12月31日に年間ふりかえり記事を予定しています。)

・遮光器土偶等の観察記録3Dモデル記事を書きました。

・千葉市人形塚古墳地割線検討記事を多数書きました。

・有吉北貝塚北斜面貝層に地山平面図から地形3Dモデルを作成する取組みに関する技術記事を書きました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事を2編書きました。

3 2024年12月活動の特徴

3-1 人形塚古墳学習

話題提供の主要コンテンツは11月にほぼ完成していました。

12月に入り、おゆみ野歴史愛好会での話題提供に向けて、ペーパーの作成(InDesignの活用)→Powerpointの作成を何回か繰り返し、最後にペーパーの印刷→トーク予行演習を行いました。おゆみ野歴史愛好会での話題提供は一昨年(有吉北貝塚)、昨年(大膳野南貝塚)に続き3回目で、実務的な不明(Powerpoint機器の扱いや会場の様子など)がないので、とてもスムーズな準備となり、準備活動がとても楽しいものとなりました。

話題提供は皆様に面白がっていただきました。

3-2 有吉北貝塚北斜面貝層学習

北斜面貝層地山等高線図から地山地形3Dモデル作成に着手したのですが、なんと、地山等高線図と考えていた地図が等高線図ではなく、地形特徴図(地形変換線を相観的(見た目で)に描いたもの)であることに気が付きました。自分としては「世紀」のチョンボです。まさか見た目(調査員の直観・エイヤー)で地形を描いているとは!(地形調査ではそれが一般的ですが、考古分野でもそうだったとは!)

しかし、この地図には多数の標高点が記載されています。そこでランダム標高点から地形3Dモデル作成に急遽方針転換しました。ランダム標高点から地形3Dモデルを作成する方法は、等高線から地形3Dモデルを作成する方法と類似しています。QGISのGRASSプラグインのv.surf.rstツールを利用する点で同じです。早速取組みました。

ただ、前段のランダム標高点読み取りは適切なツールが見つからなかったので、ChatGPT支援によりPythonスクリプトによる自作アプリを作成しました。

GRASSプラグイン利用で少しまごつきましたが、最初のハードルは突破できました。

4 2025年1月活動の展望

有吉北貝塚北斜面貝層学習に集中して取組むことにします。具体的には地山地形3Dモデルの作成、セクション図(貝層断面図)分析と3Dモデル化に取組みます。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2024年12月記事 ○は閲覧の多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2024年12月記事


2024年12月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2024年12月 YouTubeに投稿した動画


2024年12月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像


2024年12月29日日曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の地山平面図の3Dモデル化技術テスト

 Technical test to create 3D model of the ground plan of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound


A technical test was successfully conducted to read the many elevation points written on the ground plan of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound (excavation survey original record) with a homemade app and create a 3D terrain model from that data (random point cloud with XYZ coordinate values) using QGIS (GRASS plugin). QGIS was used as a virtual terrain generation tool.


有吉北貝塚北斜面貝層の地山平面図(発掘調査原票)に記載されている標高点多数を自作アプリで読み取り、そのデータ(XYZ座標値付ランダム点群)からQGIS(GRASSプラグイン)により地形3Dモデルを作成する技術テストに成功しました。QGISは仮想地形生成ツールとして利用しました。

1 地山平面図からデータを読みとった様子

Ⅱ-39グリッドとその周辺を対象に約100点のXYZ座標を自作アプリで読みとりました。

2024.12.24記事「XYZ座標値付ランダム点群データ作成アプリの開発


自作アプリ画面(標高を読みとったポイントに赤丸でチェックが入る)


アプリから吐き出されたcsvファイル画面(一部)

2 ランダム点群のQGIS表示


ランダム点群のQGIS表示

csvファイルをQGISにレイヤとして追加します。

QGISは仮想地形生成ツールとして利用しています。現実の地理空間、現実の地形とは無関係にその機能だけを利用します。(※北斜面貝層のグリッドが狭小(2m×2m)であることや、グリッドの方向が経緯線方向と角度があるためなどの理由により、今回作業はQGISの仮想地形生成機能だけを利用しました。)

3 ランダム点群レイヤをGRASSデータセットにインポート

GRASSプラグインのv.in.asciiツールでcsvファイルをGRASSフォーマットに変換します。

4 GRASSプラグインv.surf.rstツールによる3D地形モデル作成

GRASSプラグインのv.surf.rstツールで3D地形モデルを作成します。


QGISで3D地形モデルをつくった様子(平面表示)


QGISで3D地形モデルをつくった様子(3D表示)

5 有吉北貝塚北斜面貝層Ⅱ-39グリッドの地山地形3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層Ⅱ-39グリッドの地山地形3Dモデル


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

6 メモ1

技術テストがクリアできたので、全グリッドを対象にXYZ座標値付ランダム点群データを作成し、それを集成して、北斜面貝層地山地形3Dモデルを作成します。

7 メモ2

3Dモデルに凹地が2箇所ありますが、この凹地はポットホールです。北斜面貝層地山には多数のポットホールがあります。ポットホール形成と貝殻や土器片投棄が関係しているのか否か、秘かなる興味を抱いています。


2024年12月24日火曜日

XYZ座標値付ランダム点群データ作成アプリの開発

 Development of an app to create random point cloud data with XYZ coordinate values


With the support of ChatGPT, I developed an app (Python script) to create random point cloud data with XYZ coordinate values ​​to create a 3D model of the terrain from the rock mass topography map of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Kaizuka. This is expected to greatly improve the efficiency of point cloud data creation work.


有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形図から地形3Dモデル作成のための、XYZ座標値付ランダム点群データ作成アプリ(Pythonスクリプト)をChatGPTの支援を受けて開発しました。点群データ作成作業の大幅な効率化が見込まれます。

1 XYZ座標値付ランダム点群データ作成アプリ(Pythonスクリプト)

import matplotlib.pyplot as plt
import matplotlib.image as mpimg
import csv
from matplotlib.widgets import TextBox

# 初期化
corner_points = []  # a(0,0)とb(1,1)の座標を格納
xyz_data = []  # クリックで取得したXYZデータを格納
current_point = None  # 現在の入力対象の点

# 画像ファイルのパス
image_path = "your_image_path_here.png"  # 適切な画像パスに変更

# 画像を読み込む
img = mpimg.imread(image_path)

# クリックイベントの処理
def on_click(event):
    global corner_points, xyz_data, current_point

    if event.inaxes is not None and event.inaxes != axbox:  # テキストボックスのクリックを無視
        x, y = event.xdata, event.ydata

        # 最初にa(0,0)とb(1,1)の角座標を取得
        if len(corner_points) < 2:
            corner_points.append((x, y))
            print(f"Corner point {len(corner_points)}: ({x:.2f}, {y:.2f})")

            if len(corner_points) == 2:
                print("Corners set! You can now start adding points.")
        else:
            # 入力範囲を0-1に正規化
            x_norm = (x - corner_points[0][0]) / (corner_points[1][0] - corner_points[0][0])
            y_norm = (y - corner_points[0][1]) / (corner_points[1][1] - corner_points[0][1])

            # 点を記録し、Z値入力を待つ
            current_point = (x_norm, y_norm)
            print(f"Point clicked: ({x_norm:.2f}, {y_norm:.2f}). Enter Z value in the text box.")

# Z値の入力イベント
def submit_z(text):
    global xyz_data, current_point

    if current_point is not None:
        try:
            z = float(text)
            xyz_data.append((*current_point, z))
            print(f"Point added: ({current_point[0]:.2f}, {current_point[1]:.2f}, {z})")

            # 赤丸を表示
            x_pixel = current_point[0] * (corner_points[1][0] - corner_points[0][0]) + corner_points[0][0]
            y_pixel = current_point[1] * (corner_points[1][1] - corner_points[0][1]) + corner_points[0][1]
            ax.plot(x_pixel, y_pixel, 'ro')
            plt.draw()
        except ValueError:
            print("Invalid Z value. Please enter a numeric value.")
        finally:
            current_point = None

# CSV出力
def save_to_csv(file_name):
    with open(file_name, mode='w', newline='') as file:
        writer = csv.writer(file)
        writer.writerow(["X", "Y", "Z"])
        writer.writerows(xyz_data)
    print(f"Data saved to {file_name}")

# 画像を表示
fig, ax = plt.subplots()
ax.imshow(img)
ax.set_title("Click to set corners and points")

# テキストボックスを作成
axbox = plt.axes([0.2, 0.01, 0.6, 0.05])  # テキストボックスの位置とサイズ
text_box = TextBox(axbox, "Z value:")
text_box.on_submit(submit_z)

# イベントの登録
fig.canvas.mpl_connect('button_press_event', on_click)

plt.show()  # 非ブロッキングで表示

# CSVファイルに保存
csv_file_name = "output_xyz_data.csv"
save_to_csv(csv_file_name)
XYZ座標値付ランダム点群データ作成アプリ(Pythonスクリプト)

38年前に作成された手書き地山地形図におけるグリッド内標高点表示からグリッド毎にXYZ座標値付き点群データを作成するアプリ(Pythonスクリプト)をChatGPTの支援を受けて開発しました。

2 アプリ操作イメージ


アプリを使ったXYZ座標値付き点群データ作成風景

操作イメージ

・グリッド別地山地形図画像を所定のフォルダーに配置

・Pythonスクリプト起動

・グリッド四角左上(a)クリック、右下(b)クリック→aを(0,0)、bを(1,1)として設定していて、以後クリックした場所を0-1の範囲で正規化できるようにしている。(注意:通常はグリッド四角左下(a)クリック→右上(b)クリックで使う。※)

・点クリック、標高は画面で手入力→赤丸が表示されデータ作成がチェックされる。

・点クリックを継続する。

・エンターキー押下→画像画面終了→データがcsvファイル出力

※ グリッド四角左上(a)クリック→右下(b)クリックで使ったのは自分の特殊な状況に対応するためです。このアプリを使う場合は一般にグリッド四角左下(a)クリック→右上(b)クリックで使えば、aが(0,0)、bが(1,1)として設定されます。

3 アプリで作成したデータの活用

csvファイル(XYZ座標ファイル)を使って、グリッド内ローカル座標から北斜面貝層全体の座標に変換したり、観測値を標高値に変換したりの作業を別途行います。

その後、グリッド別データを集成して、集成データからQGIS(GRASSプラグインv.surf.rstツール)を使って地山地形3Dモデルを作成します。

手作業によるXYZ座標付点群データ作成の大幅な効率化が見込まれます。

4 メモ

この作業を効率的に行う方法を最初にChatGPTに聞いたところ、次の5つの方法提案と手順説明、メリット・デメリット説明があり、方法3の推奨がありました。

1. 専用CADソフトまたは点群処理ソフトを使用する方法

必要なツール: AutoCAD, Rhino, QGIS などのソフトウェア。

2. グラフィックツール+スプレッドシートを利用する方法

必要なツール: GIMP, Photoshop, Excel, Google Sheets。

3. カスタムクリック入力用のPythonアプリを作成

必要なツール: Python, matplotlib(点のクリック取得用)。

4. GISソフトと手動入力の併用

必要なツール: QGIS, ArcGIS。

5. タブレットとスタイラスを活用したデジタル手書き

必要なツール: タブレットデバイス(iPad+GoodNotesやNotabilityなど)。

これらの方法を比較して、自身の目的やスキルに最も合った方法を選択してください。また、方法3(Pythonスクリプト)はカスタマイズ性が高く、効率化が見込めるためおすすめです。必要であればスクリプト作成のお手伝いも可能です!

検討の結果、ChatGPT推奨が自分の特性(所持ツールや能力等)に一番ふさわしいと感じ、作業仕様をChatGPTに指示してPythonスクリプトを作成しました。

ChatGPT指示は次の通りです。

●ChatGPT指示

四角の枠とその中に多数点とその標高が書かれた手書き画像があります。四角の左上座標aは(0,0)、右下座標bは(1,1)です。この画像をパソコンに表示し、aとbをクリックして座標を認知し、その後点をクリックしてXY座標を取得し、同時にクリックした場所に赤丸を表示します。コンソールでその点のZ座標を手入力して、点のXYZ座標を取得します。多数点のXYZ座標データはcsvファイルで出力するPythonスクリプトを教えてください。

不具合修正と使い勝手向上を5回繰り返し、満足できるPythonスクリプトに到達しました。


有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形

 The rock formations of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound


I decided to challenge myself to create a 3D model of the shell layer divisions of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound, and as a first step, I started to create a 3D model of the rock formations (gully erosion valley formations) where the shell layers are deposited. The excavation report includes a rock formation topography map (cliff, depression, and flat surface distribution map).


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層区分別3Dモデルの作成にチャレンジすることになり、その前段作業として貝層が堆積している地山地形(ガリー侵食谷地形)3Dモデル作成に着手しました。発掘調査報告書には地山地形図(崖・凹地・平坦面分布図)が掲載されています。

1 地山地形図(崖・凹地・平坦面分布図)

発掘調査報告書には次の図面が掲載されています。


北斜面貝層基盤地形及び堆積様相 発掘調査報告書から引用

図面の注記を除去すると地山地形図(基盤地形図)になります。


地山地形図

この図の説明は発掘調査報告書にはありませんが、崖・急斜面、凹地(ポットホール)、平坦面の分布が描かれています。色塗りすると次のようになります。


地山地形図(塗色図)

この地山地形図(塗色図)を見ると、激しいガリー侵食の様子を観察することができます。崖・急斜面の分布はガリー侵食地形特有のものです。凹地(ポットホール)の多さが投棄貝殻・土器片に起因する可能性があるので、今後注意深く検討することにします。

2 地山地形図原票

地山地形図原票を見ると、標高点情報が多数記載されています。


地山地形図原票(部分)

3 地山地形3Dモデルの作成

地山地形図原票に記載された標高点情報をXYZ座標付ランダム点群とみなして、地山地形3Dモデルを作成することにします。ランダム点群→3Dモデル作成は、QGISでGRASSプラグインのv.surf.rstツールを使用して行う予定です。これまでに、v.surf.rstツールをつかって等高線からDEMを作成したことがありますが、ランダム点群からDEM作成ははじめての体験となりますので、楽しみです。

4 過去に作成した地山地形3Dモデル

過去には貝層断面図の断面線を利用して、BlenderのBsurfaces機能により地山地形3Dモデルを作成して学習に利用してきました。


貝層断面線(貝層断面線と地形図等高線から作成した断面線、一部推定断面を含む)


断面線からBlenderのBsurfaces機能で作成した地山地形3Dモデル

今回、QGIS(GRASSプラグインv.surf.rstツール)で作成する地山地形3DモデルはBlender(Bsurfaces機能)で作成したモデルより精緻なモデルを目指します。

5 壮大な勘違い

この数年間、上記地山地形図(崖・凹地・平坦面分布図)が等高線図であると勘違いしてきました。自分にとっては稀でスケールの大きい勘違いです。最近まで地山地形等高線図であると考えていましたので、QGIS(GRASSプラグインv.surf.rstツール)で、等高線をデジタル化すれば(QGISでなぞれば)、即3Dモデル完成とたかを括っていました。しかし、地山地形図原票からランダム点群情報を全部すくいとる必要が生まれました。作業量が思いのほか増えましたが、ランダム点群→3Dモデル作成というはじめての体験に恵まれてよかったと肯定的に解釈しておきます。


2024年12月21日土曜日

InDesignの操作を楽しむ

 Enjoying using InDesign


It's been a while since I've enjoyed using InDesign. InDesign is a tool specialized for editing page content that mainly consists of text and many images. The text addition and deletion thinking and its layout reflection are very smooth and comfortable.


久しぶりにInDesignの操作を楽しみました。InDesignは文字を主体にして多数画像を配置したページものコンテンツ編集に特化したツールです。文章加除思考とそのレイアウト反映がとても滑らかで快適です。

1 InDesignの最初画面


InDesignの最初画面(2024.12)


InDesignの最初画面(2017.01)

2 InDesignに対する親近感

大昔、PageMakerというDTPソフトが素晴らしいという話しを知人から聞いて、購入して一時使い、その後使うチャンスが無くなったことがあります。2017年にページものコンテンツを専用ソフトで編集がしたくなりました。それに特化したソフトを探しました。そして、PageMakerがInDesignに変身していることを知りました。無性にInDesignが使いたくなりましたが、単体販売がないことも知りました。当時私は、IllustratorやPhotoshopをバージョンアップの度毎に単体購入していたのですが、しかたなく、一大決心して、Creative Cloud購入に切り替えました。

特段の出版や印刷をするわけでもないのに、InDesignを利用してページものコンテンツをレイアウトすることに大きな自己満足をおぼえました。恐らくPageMakerを使った頃の良い思い出が、InDesign使用でよみがえるのだと思います。昔流行った歌を聞くと懐かしくなり心地よくなるのと同じです。

3 操作快適性

久しぶりにInDesignを使い、画像配置の変化、画像の縮小拡大と流し込まれた文字列変化の相関操作を楽しみました。その場で文章を加筆したり削除したりする思考作業と、その影響を画像配置変化や拡大縮小で最適なレイアウトに反映させる作業を楽しみました。このような操作快適性をIllustratorで味わうことはできません。InDesignは文章加除思考とそのレイアウト反映がとても滑らかで快適です。


InDesignとIllustratorの違い


2024年12月19日木曜日

千葉市人形塚古墳地割線の意味解明学習のまとめ

 Summary of learning to clarify the meaning of the Ningyozuka Kofun land division line in Chiba City


Since autumn, I have been working intensively on learning to clarify the meaning of the Ningyozuka Kofun land division line in Chiba City, and I have finally reached a conclusion and summarized my findings in a learning review.


秋以降、千葉市人形塚古墳地割線の意味解明学習に集中的に取組んできましたが、ようやく結論に達し、その様子を学習感想文としてまとめました。

1 千葉市人形塚古墳地割線の意味解明にチャレンジする

千葉市人形塚古墳地割線の意味解明にチャレンジする

A4、6頁


画像(1頁目)

2 メモ

「千葉市人形塚古墳地割線の意味解明にチャレンジする」は2024年12月17日におゆみ野歴史愛好会で話題提供した時の配布資料です。学習感想文です。

要約

・これまで一部不明だった地割線の計画設計線としての意味が全て判明しました。

・同時に全ての地割線に施工実用性がないことも明らかになりました。

・施工実用性のない地割線を描いた理由は、視葬者(はぶりのつかさ)検査に対応するためだったと解釈しました。

・古墳を巡る内周溝、外周溝には流水が導水・管理され、庭園風景造成が確認できました。

・当時の人形塚古墳プロジェクトのプロセスについて考察しました。



2024年12月15日日曜日

千葉市人形塚古墳地割線の意義

 The significance of the Chiba City Ningyozuka Kofun land division line


It is believed that the Chiba City Ningyozuka Kofun land division line was drawn to pass the size inspection of the kofun by the Haburi no Mikoto, the ritual administrator of the kofun, who was dispatched by the Yamato royal authority.


千葉市人形塚古墳地割線が描かれたのは、ヤマト王権から派遣された古墳儀礼管理者である視葬者(はぶりのみこと)の古墳大きさ検査に合格するためだったと考えます。

1 千葉市人形塚古墳地割線の意義

1-1 地割線の計画設計線としての意味

千葉市人形塚古墳地割線の計画設計線としての意味は全て判明しました。

2024.12.06記事「千葉市人形塚古墳地割線の検討 後円部内円

2024.12.08記事「千葉市人形塚古墳地割線の検討 後円部外円

2024.12.14記事「千葉市人形塚古墳地割線の検討 前方部

同時に全ての地割線に施工実用性がないことも判明しました。

1-2 施工実用性のない地割線が描かれた理由

施工実用性のない地割線(計画設計線)が古墳築造直前に描かれた理由を次のように想定します。

1) 視葬者(はぶりのつかさ)検査に合格するため

 ヤマト王権から派遣される古墳儀礼の統括管理者・機関である視葬者(はぶりのつかさ)は、造成される古墳の大きさが、被葬者に与えられた規格値序列に合致しているかどうか、事前現場検査していたと想定できます。被葬者サイドは墳丘範囲で整地してA~F線を描き、特にF線を描くことで後円部直径の実測ができるようにして準備したと考えます。これが実用性がない地割線を描いたメイン理由と考えます。

2) 段階施工に関する工事関係者共通認識を深めるため

 盛土工事では圧密沈下に伴う変形などに対処するために段階施工することが一般的です。人形塚古墳では土層断面図から2段階施工であったことが想定できます。くびれ部高さ(38.2m)までの盛土(半築古墳)で一旦工事を中断して圧密沈下の収束を数か月以上待ち、盛土安定化を図ったと考えられます。その半築古墳範囲を示すのがA線とC線です。設計・施工管理集団が被葬者サイド(盛土役務実行部隊)に伝えたかった重要情報であると考えます。これが実用性のない地割線を描いたサブ理由と考えます。


地割線の意義

2 地割線意義検討から浮かび上がる古墳関係者

横穴式石室と埴輪を除いた古墳本体の築造に関して、地割線意義検討から次の3者が関係者として浮かび上がりました。

・設計施工管理集団(渡来系専門家集団)

・視葬者(ヤマト王権)

・被葬者一族(盛土実働部隊)


地割線からみた人形塚古墳に関わる主要関係者

3 感想

所領の小さい被葬者(首長)が、望外の前方後円墳築造許可、埴輪使用許可を得て、一世一代のプロジェクトとして人形塚古墳プロジェクトに取り組んだと想像します。被葬者が設計管理集団に地割線描画を依頼し、描画された地割線を視葬者(はぶりのみこと)に見せるだけでなく、近隣の仲間(近隣の首長)にも見せたと想像します。これからつくる古墳について大いに自慢し、自分がヤマト王権と密接にリンクしている様子を人々に印象付けたと想像します。


2024年12月14日土曜日

千葉市人形塚古墳地割線の検討 前方部

 Examination of the Chiba City Ningyozuka Tomb Land Division Lines - Front Part


Of the six Chiba City Ningyozuka Tomb Land Division Lines, four of the front part land division lines were examined, and their significance as planned design lines was clarified. Two of them are shoulder lines of the half-built tomb.


千葉市人形塚古墳地割線6本のうち、前方部地割線4本について検討し、計画設計線としての意味が判明しました。うち2本は半築古墳の肩線です。

1 地割線の呼称


地割線の呼称

2 前方部地割線の観察

古墳築造前の整地面に描かれた地割線を発掘時古墳3Dモデルに投影して観察しました。


発掘時古墳3Dモデルに投影した地割線 左側


発掘時古墳3Dモデルに投影した地割線 右側

この観察により、A~D線の計画設計線としての意味が次の通り判明しました。

2-1 A線とC線

地割線の内、A線とC線は発掘時古墳3Dモデルで上段斜面途中の標高38.2m付近に位置します。

この標高38.2mは後円部と前方部の境のくびれ部の高さに該当します。

そして、このくびれ部の高さで盛土が一度整地的平面を形成したことが土層断面の考察(発掘調査報告書の考察)から判明しています。

盛土施工では盛土の圧密沈下による変形や災害を防止するため、一般に段階施工が行われます。つまりある程度盛土した時点で、盛土を休止し、盛土の圧密沈下を待ち、ある程度圧密沈下が促進したところで次の盛土を行うことが一般的です。こうした盛土施工技術から、人形塚古墳でも一気呵成に古墳築造がおこなわれたのではなく、段階施工され、それは2段階であり、その高度が38.2mであったことが考えられます。つまり、A線とC線は半築古墳の肩線を表示していると考えることができます。


半築古墳の肩線にA線、C線が対応する様子


A線、C線の高さ

2-2 B線

B線は前方部頂部(天端)の左肩線と考えることができます。


B線が前方部頂部(天端)左肩線である様子を示す立体図 垂直比率:×3.0

2-3 D線

D線は古墳右にだけ存在する上部テラス(37.5m)の肩線です。


D線が上部テラス肩線を示す様子

3 メモ

前方部4本の地割線の計画設計線としての意味が全て判明しました。

A線とC線は左右対応する線で、古墳に投影すると墳丘上段斜面途中に位置するためその意味がこれまで不明でした。しかし、半築古墳(盛土段階施工における盛土休止状態の古墳)という概念導入によりその意味が解明できました。

B線が前方部頂部(天端)の左肩線である可能性はすでに論文「沼澤豊「千葉市人形塚古墳のいわゆる地割線について」(研究連絡誌、2008)」で触れられています。(しかし、結論としてA~C線は何らかの計画設計線であるという表現でまとめられています。)

D線がテラス肩線である可能性もすでに沼澤論文で触れられています。今回の3Dモデルによる検討で、D線は古墳右にだけしか存在しない上部テラスの肩線であることが判明しました。右側にだけ上部テラスが設けられたのは埴輪展示のスペクタクル観を醸し出すための特別の工夫であると考えることができます。形象埴輪は古墳右側のテラス、上部テラス、前方部頂部に展示されています。

なお、前方部の地割線も盛土が始まると全て埋もれてしまいます。従って施工実用性はありません。地割線の意味は後円部、前方部含めて、全て計画設計線ですが、全ての線に施工実用性がないことがわかりました。


2024年12月12日木曜日

重要文化財 埴輪 挂甲の武人 観察記録3Dモデル

 Important Cultural Property Haniwa Warrior with Armored Armor Observation Record 3D Model


I enjoyed creating a 3D model of the observation record of the "Important Cultural Property Haniwa Warrior with Armored Armor (excavated in Serada-cho, Ota City)" exhibited at the Tokyo National Museum Special Exhibition "Haniwa."


東京国立博物館特別展「はにわ」で展示された「重要文化財 埴輪 挂甲の武人(太田市世良田町出土)」の観察記録3Dモデル作成を楽しみました。

1 重要文化財 埴輪 挂甲の武人(太田市世良田町出土)観察記録3Dモデル

重要文化財 57 埴輪 挂甲の武人(太田市世良田町出土)観察記録3Dモデル

古墳時代・6世紀

土製、天理大学附属天理参考館

撮影場所:東京国立博物館特別展「はにわ」

撮影月日:2024.11.21


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v7.531 processing 59 images


3Dモデル画像


3Dモデル動画

2 展示説明

昭和初期まで武人埴輪として最も良く知られていた。胡籙を腰に提げ、下半身の袴は無文である。腕が硬直したように下がり、整然と立つ姿が印象的である。5体ある挂甲の武人で最も新しく製作された。

3 挂甲の武人切手

東京国立博物館特別展「はにわ」では5体の挂甲の武人が展示されました。

そのうち「55埴輪挂甲の武人(太田市飯塚町出土)」は次の切手のモデルとなりました。


55埴輪挂甲の武人(太田市飯塚町出土)


国宝切手1989年シリーズ はにわの兵士(※修復前の埴輪)


第4次国宝シリーズ第3集 埴輪 挂甲の武人(2022年)(※修復後の埴輪)

2024年12月8日日曜日

千葉市人形塚古墳地割線の検討 後円部外円

 Examination of the land division lines of Ningyozuka Kofun in Chiba City - Outer circle of the rear mound


Of the six land division lines of Ningyozuka Kofun in Chiba City, I have examined the outer circle of the rear mound. The land division lines are unrelated to the shape of the mound at that point and have no practical use for construction. The assumed outer circle is the boundary line of the mound, but it was found that it was not drawn as a land division line.


千葉市人形塚古墳地割線6本のうち、後円部外円について検討しました。出土地割線はその箇所の墳丘形状とは無関係で、施工実用性はありません。想定される外円は墳丘境界線ですが、それは地割線として描かれなかったことが判明しました。

1 地割線の呼称


地割線の呼称

2 整地面範囲の詳細検討

次の3資料を対照させながら詳細に検討し、整地面の分布について検討しました。


地割線出土空中写真

左は生の地割線出土状況、右は地割線を現場で塗色した状況

千葉県教育委員会所蔵


墳丘出土空中写真(表土流土を除去した古墳写真)

地割線を投影描画している 千葉県教育委員会所蔵


土層断面図 発掘調査報告書掲載

その結果、次の整地面分布を作成することができました。


整地面分布図

3 メモ

整地面(地割線が描かれた、古墳築造直前の人工造成面)は旧地表面の上に約10cmの黒土を盛土して造成されています。この整地面は墳丘形状でつくられたことが整地面分布図から判明しました。

広い整地面がつくられ、その場所に地割線外円(F線)が全部描かれ、その地割線を手がかりにして掘削し、墳丘形状に仕上げたのではないのです。

設計図にある外円情報を基に整地面を造成し、地割線は墳丘形状に無関係な部分だけ描いたのです。

この事実から、発掘調査報告書、沼澤論文で指摘する地割線外円(F線)の施工実用性の論拠は完全に崩れます。

逆に墳丘形状に無関係な地割線外円(F線…下図の実線部分)をわざわざ描いた理由を見つける必要があり、重要な検討になります。その場の墳丘造成に無関係な設計線(外円の一部)を描いた特段の理由を説明しなければなりません。


地割線の立体分布