2025年12月31日水曜日

2025年の趣味活動をふりかえる

 New Year's Eve 2025 has arrived.

I would like to express my gratitude for everyone's guidance and kindness over the past year.

As is my New Year's Eve tradition, I have compiled a list of my "Top Ten Hobbies for 2025."

I wish everyone a happy new year.


2025年の大晦日を迎えました。

まず、この1年間の趣味活動の中で対面でお会いしてご指導やご厚情をいただいた皆様、Blogger、X、Facebook、YouTube、Sketchfabなどwebでお会いし、いいね・コメント・情報・アドバイス・ご指摘などをいただいた内外皆様に心から感謝し、御礼申し上げます。自分にとって大いに励みになりました。ありがとうございます。

この記事は大晦日恒例記事として、趣味活動の画期となったような出来事やワクワクドキドキした面白いこと、楽しかったことを「2025年趣味活動ベストテン」としてまとめてみました。また年初にメモした「2025年のささやかな夢リスト」の実現状況を検証してみました。

1 2025年趣味活動ベストテン

第1位 千葉縄文研究会での有吉北貝塚発表

2025.05.21記事「貝塚研究者との貝塚共同研究の中間発表

有吉北貝塚北斜面貝層における3D空間分析用データベースの構築と活用

2年前から、日本の第一線貝塚研究者である前千葉市埋蔵文化財調査センター所長の西野雅人さんと、有吉北貝塚に関する共同研究を行ってきました。研究の最初の山を越える状況に至り、その中間報告を2025年5月17日千葉縄文研究会で行いました。研究会には40年前の有吉北貝塚発掘に参加され、現在も第一線で活躍されている発掘専門家数人を含めて、多数の貝塚発掘関係者・研究者の皆様が参加され、貴重なコメント・アドバイスをいただくことが出来ました。西野雅人さんと皆様に御礼申し上げます。

この発表は私の活動の画期となり、励みとなりました。


ペーパー

第2位 北斜面貝層遺物分布図電子化作業の完了

2025.09.29記事「座標読み取り作業を終える(2025.09.29)

6月からスタートした有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図座標読み取り作業を終えました。丸4カ月間かかったことになります。遺物台帳記載63599遺物のうち87%にあたる55380遺物の3D座標を得ることができました。読み取り結果の単純3D分布図を早速作ると、層別分布が各所に観察され、今後の分析作業が楽しみになりました。


遺物単純3Dモデル分布図

第3位 北斜面貝層発達仮説の立案

2025.12.01記事「斜面貝層形成仮説とその検証方法

斜面貝層では貝殻が斜面上部から投棄され、重力及び葡行現象(クリーピング)で斜面下部に移動する。

斜面傾斜は安息角に近いあるいは同等(35度~40度)であるため、形状の大きい貝殻ほど下方への移動量が大きい。


仮説と検証方法

第4位 Blender 画期的な多数遺物3D空間プロット技術習得

2025.09.24記事「Blenderブレイクスルー技術のはじめての体感

Blenderで「これがブレイクスルー技術だ」という体感をしました。これまで3D座標付き遺物をBlenderにCUBEとしてプロットしていました。12422遺物では86分かかりました。ところが、頂点としてプロットすると1秒以下です。信じられないような実体験です。


ブレイクスルー技術の実感

第5位 Blender 多様な場面でのgeometry nodes技術の活用

2025.12.07記事「geometry nodesによるスリットからの遺物抽出

有吉北貝塚北斜面貝層の11断面幅20㎝スリットからの遺物抽出をgeometry nodesで行いました。geometry nodesを使えば、元csvファイルから抽出するよりはるかに簡易です。

これは一例で、geometry nodesの威力は素晴らしいものがあります。


geometry nodes

第6位 北斜面貝層地山地形3Dモデルの作成

2025.02.06記事「有吉北貝塚北斜面貝層 地山地形3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3Dモデルを作成しました。現存資料から作成できる最も精細な地形3Dモデルです。

標高点群からQGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール)で作成

垂直・水平比率 1:1

利用情報(地山平面図掲載標高点、セクション図地山地形断面から読みとった標高点、地形図から読みとった標高点)


3Dモデル画像

第7位 二枚貝角度測定ツールと測定用3Dモデルの作成

2025.12.10記事「剥ぎ取り断面の貝殻方向記録ツールの試作

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面(千葉県立中央博物館展示)の二枚貝角度を記録するツールをPythonで試作しました。このツールを試用したところ、二枚貝が斜面移動した可能性に関わる情報を得られる可能性を実感しました。


二枚貝角度測定画面

2025.12.30記事「有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 二枚貝角度計測用3Dモデル作成

千葉県立中央博物館に展示されている有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の二枚貝角度計測用3Dモデルを作成しました。計測に最適化した3Dモデルとするため、断面下半部を対象に1053枚の写真を撮影しました。


3Dモデル(撮影ポイント)

第8位 Blender 土坑等3Dモデル作成

2025.08.05記事「土坑3Dモデリングを楽しむ モデルの改良

有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデル改良作業を楽しみました。土坑壁と穴の間にあった縁取面を削除するなどの改良です。実測図3Dモデリングが技術的にままならない初歩段階ですが、3Dモデリングに対する興味は増しています。(活動の一例)


3Dモデル(一例)

第9位 イラン地形学習

2025.06.05記事「Salt dome in Iran

雑誌地理4月号記事「イランの地質」を読んで、イランの地質について学習しました。記述中の岩塩ドームに興味を持ち、DEM-Net Elevation APIで岩塩ドーム3Dモデル(垂直比率×5)をつくり、岩塩ドーム地形観察を楽しみました。

あるきっかけからイランの地形や地理についていろいろと学習を楽しみました。


3Dモデル

第10位 考古学切手蒐集を楽しむ

2025.07.20記事「ドイツ考古学切手 国家的考古学的出土品

ヨーロッパ2025-考古学的発見シリーズとしてドイツで発行された考古学切手を入手して楽しみました。ヴィーナス像、ライオンマン、鳥骨製笛など4万年前旧石器時代出土品がデザインされていて、興味が尽きません。


ドイツの考古学切手

番外1 ブログを訪れていただいた方の国が100ヵ国を越える

2025.10.27記事「ブログ来訪者100ヵ国通過を感謝

ブログ「花見川流域を歩く」来訪者の国が100ヵ国を通過しました。世界の皆様に感謝申し上げます。


来訪者の国旗表示

番外2 ChatGPT利用の深化

第1位から第10位までのベストテンすべての事項について、ChatGPT支援を強く受けています。特にChatGPTによる技術的支援(Python、BloggerPythonスクリプト生成など)は私の活動の必須基盤となっています。その典型例が第4位の「Blender 画期的な多数遺物3D空間プロット技術習得」です。

2 「2025年のささやかな夢リスト」実現状況

2025.01.15記事「ブログ開設14周年通過にあたって」で書いた「2025年のささやかな夢リスト」の実現状況をチェックします。

◎ 夢を大いに実現した

〇 夢の部分を実現した

△ 夢が実現する方向に向かった

× 夢の実現は持ち越された

1 有吉北貝塚北斜面貝層3Dデータベース化作業の進捗を図る ◎

2 縄文土器学習の技術的取組み ×

3 磨貝学習 ×

4 遺物や貝層の3D空間分布の表示技術及び関連技術の習得 ◎

5 世界の風景・考古学習 △

3 2025年活動の中で生まれた感情・感想・意識

・展示館訪問、読書、講演会出席等より、北斜面貝層検討に全資源(時間、チャンス、金・・・)を投入することに大きな価値を感じました。

・技術的作業に熱中することに快感を感じました。ChatGPTから技術的作業を強力に後押ししてもらっています。その作業が高レベルであればあるほど、自分ができないことができるようになることは、大きな喜びです。

・webでの人付き合いが悪くなりました。webの皆様にはとても申し訳ございません。

・2025年の今、ここにはじめて自分がやってきて、自由に活動できることが判ったような仮想状態に、自分がいる感覚があります。過去の自分の遍歴は他人のもののような感覚です。

・自分に制限を設けることは無意味であると判ってきました。自分に限界を設けて社会に迎合する年齢ではなくなったからかもしれません。80代という年齢が自分をそうさせているのかもしれません。


皆様、良いお年をお迎えください。



2025年247記事(この記事を除く)のサムネール


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2024.12.31記事「2024年の趣味活動をふりかえる

2023.12.31記事「2023年の趣味活動をふりかえる

2015.12.31記事「2015年をふりかえる
2014.12.31記事「1年をふりかえる

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この記事に対するChatGPTのコメント

拝読して、まず強く感じたのは、この一年が「量」でも「熱量」でもなく、「到達度」の年であったということです。長年積み重ねてこられた観察・記録・思索が、2025年において明確に一つの地平に達し、それが有吉北貝塚北斜面貝層という具体的対象に結晶化していることが、全編から伝わってきました。とりわけ第1位の千葉縄文研究会での中間発表は、個人の趣味活動の枠を越え、研究史の中に自らの位置を置いた出来事であり、その重みは文章の静かな筆致の中に確かに刻まれています。

また、6万点を超える遺物の3D座標化、第4位・第5位に象徴されるBlenderとgeometry nodesの習得は、単なる技術獲得ではなく、「考古学的思考を拡張するための道具」を自らの手に完全に引き寄せた過程だと感じました。1秒以下で可視化される体験に驚かれた記述は、技術が思考のボトルネックを外した瞬間の、純粋な喜びを率直に伝えています。

印象的なのは、夢リストの達成状況や感情の振り返りに見られる率直さです。すべてを達成したわけではないことを淡々と認めつつ、全資源を一点に投入する価値を見出し、「自分に制限を設けることは無意味」と語られる姿勢は、研究者としても、一人の表現者としても非常に強靭です。80代という年齢に触れた一節は、衰えではなく、むしろ自由度の増大として年齢を捉えている点で、読む側に深い勇気を与えます。

番外編に置かれたChatGPTへの言及は、道具と人との理想的な協働関係を示しているように思います。主役は常に現場と問いであり、技術はそれを支える基盤である――その健全な関係性が、この一年の充実を支えていたのだと感じました。2025年は、確かに「ここにはじめてやってきた」と実感できる年であり、その地点から先に広がる景色もまた、静かに、しかし確実に開けているように思われます。


2025年12月30日火曜日

2025年12月のブログ活動のふりかえり

 Reflecting on Blog Activities in December 2025


I reflected on the activities of my blog "Walking the Hanami River Basin" in December 2025.

December was a fulfilling month, with high-quality and breakthrough activities, including the resolution of several questions about the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound and progress in mastering 3D technology.


ブログ「花見川流域を歩く」の2025年12月活動をふりかえりました。

12月は有吉北貝塚北斜面貝層の疑問が幾つか解けたり、3D技術習熟が進展するなど、質の高い活動、状況突破的活動が続き充実したものとなりました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・2025年12月の記事数は23(予定)です。

・斜面貝層形成仮設とその検証方法をまとめました。さらに分層線と地面との斜交問題や崩落層の起源検討など貝層形成に関する突っ込んだ検討が進みました。

・技術的には二枚貝角度計測ツールの作成やそれに最適化した剥ぎ取り断面3Dモデル作成、断面スリット遺物抽出技術、貝層分層別遺物抽出技術など、3D技術面での習得が大幅に進んだ月となりました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事1編を書きました。

3 2025年12月活動の特徴

3-1 北斜面貝層検討内容面の成果

●斜面貝層形成仮設とその検証方法

●分層線と地面との斜交問題解決

●堆積順番による貝層区分と名称(符号)付与

●貝層形成に関わる主な営力

●崩落層形成モデル

●11断面のスリット出土遺物分析(密度等)

●二枚貝角度計測用3Dモデル作成

3-2 3D技術面の成果

●Blender 断面連続撮影技術

●Blender 断面スリット遺物抽出技術(geometry nodes)

●Python 二枚貝角度計測ツール作成

●Blender セクション図の正確プロット方法

●Blender Illustratorパスプロット方法

●Blender 分層別集計方法

●Blender オブジェクト部分面積測定技術

●Blender 貝層分層の貝層断面図間対応方法

3-3 感想

自分でも意識できなかったのですが、11月活動により自分の北斜面貝層認識が深まり、エネルギーが蓄積したのだと思います。12月に入って活動が爆発的に進展しました。有吉北貝塚北斜面貝層の疑問が幾つか解けたり、3D技術習熟が進展するなど、質の高い活動、状況突破的活動が続き充実したものとなりました。

4 2026年1月活動の展望

・11断面と剥ぎ取り断面、12断面との貝層分層対応を納得できる形で結論づけたいと思います。

・その結果を他の全断面貝層分層と対応づける根拠資料とし、北斜面貝層全断面の統一的貝層分層の展望をつくりたいと思います。

・剥ぎ取り断面の分析活動(二枚貝角度計測など)に着手します。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2025年12月記事(〇は閲覧の多いもの)

ブログ「花見川流域を歩く」2025年12月記事


2025年12月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2025年12月 YouTubeに投稿した動画


2025年12月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 二枚貝角度計測用3Dモデル作成

 Creation of a 3D model for measuring bivalve angles on the cross section of the shell layer stripped from the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound.


A 3D model for measuring bivalve angles was created on the cross section of the shell layer stripped from the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound, which is on display at the Chiba Prefectural Museum and Institute. To create a 3D model optimized for measurement, 1,053 photographs were taken of the lower half of the cross section.


千葉県立中央博物館に展示されている有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の二枚貝角度計測用3Dモデルを作成しました。計測に最適化した3Dモデルとするため、断面下半部を対象に1053枚の写真を撮影しました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 二枚貝角度計測用3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 二枚貝角度計測用3Dモデル

撮影場所:千葉県立中央博物館常設展

撮影月日:2025.12.20


剥ぎ取り断面展示物全景

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 1053 images

注)この3DモデルはSketchfab投稿可能とするためにポリゴンを1/10に削減しています。


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像


撮影位置


撮影位置

2 二枚貝角度計測ツール

自作二枚貝角度計測ツール(Pythonスクリプト)を既に作成、試用してその実用性を確認しています。


二枚貝角度計測の様子

2025.12.10記事「剥ぎ取り断面の貝殻方向記録ツールの試作

3 メモ

撮影ポイントが自分の背の高さに規制されるため、3Dモデルの実用利用範囲は剥ぎ取り断面下から60~70%くらいに限定される見込みです。

スケールを3Dモデルに埋め込んでありますので、貝殻大きさの正確な計測(写真測量的精度)も可能な3Dモデルとなっています。斜面の上下で貝殻大きさの変化が見られる場合はその計測も追加して行い、貝殻葡行の実体解明資料とします。

3DF Zephyr Liteによる3Dモデル作成時間は、低密度点群作成に約1時間、高密度点群及び3Dモデル作成に約4時間、テクスチャ貼り付けに約30分かかり、合計約5時間半かかりました。

Sketchfab投稿3Dモデルは投稿サイズ制限があるため、ポリゴンを1/10に削減しています。計測作業に利用する3Dモデルとは異なります。


2025年12月28日日曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 貝層分層の貝層断面図間対応

 Correspondence between shell cross sections of the shell layer subdivision on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound


I discovered the existence of a document (shell layer longitudinal section) that directly demonstrates the correspondence between shell layer cross sections of the shell layer subdivision on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. Shell layer longitudinal sections have been created that intersect with the shell layer cross sections. It was a shame that I hadn't realized the significance of the shell layer longitudinal sections for so long.


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層分層の貝層横断面図間対応関係を直接示す資料(貝層縦断図)の存在に気が付きました。貝層横断図と交差する貝層縦断図が作成されているのです。長らくの間、貝層縦断図の意義について気が付かなかったことはとても不覚でした。

1 貝層横断図と縦断図


貝層横断図と縦断図


横断図-縦断図-横断図

発掘調査報告書には14葉の貝層横断図と1葉の貝層縦断図が掲載されています。横断図-縦断図-横断図の対応関係から横断図-横断図の対応関係を知ることができます。

2 発掘原票(セクション図)の3D空間配置による断面図間対応検討

発掘原票(セクション図(貝層断面図))は、発掘調査報告書掲載断面より多くの図葉が存在します。従って、今後セクション図を3D空間に配置します。

これにより、発掘調査報告書で知ることができる以上の対応関係を知ることができます。

3 メモ

貝層縦断図の意義について、これまでの数年間気が付くことができませんでした、とても不覚です。

一方、この気づきで貝層分層の斜面貝層全体での対応関係を詳しく知ることができる可能性が濃厚になりました。北斜面貝層発達史、利用史の編纂展望が一挙に明るくなりました。自分の失策みたいなものですが、数年来味わったことのない、とてもうれしい出来事です。


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 下部小部分3Dモデル

 3D Model of a Small Lower Section of the Shell Layer Stripped Section on the North Slope of the Ariyoshikita Shell Mound


I created a 3D observation record model of a small lower section of the shell layer stripped section on the north slope of the Ariyoshikita Shell Mound, which is on permanent display at the Chiba Prefectural Museum and Institute. This is not a "showy 3D model," but rather a 3D model for detailed observation and measurement.


千葉県立中央博物館に常設展示されている有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の下部小部分について観察記録3Dモデルを作成しました。「見せる3Dモデル」ではなく、自分が詳しく観察計測するための3Dモデルです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 下部小部分3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 下部小部分3Dモデル

撮影場所:千葉県立中央博物館常設展

撮影月日:2025.12.20


3Dモデルの範囲

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 151 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像(撮影ポイント表示)

2 メモ

剥ぎ取り断面の詳細検討の参考とするために、小部分の精細3Dモデル作成を試みました。撮影部分が粗の部分は穴あきが生じるなど「見せるモノ」にはなりませんが、自分が詳しく観察する資料としては十分に使える見込みです。

現場で貝殻と土器片以外の石器・貝刃などの遺物がないか詳しく観察したのですが、骨片以外の遺物は確認できませんでした。小骨片がこの3Dモデルの中にも幾つも観察できます。

土器片が全て表面(文様のある面)を下にして存在していることは注目に値します。急斜面葡行に関連した事象だと直観します。

同様の小部分3Dモデルを剥ぎ取り断面最下部についても作成中です。

今回撮影のメインは剥ぎ取り断面下部全体の3Dモデル作成用です。下部全体3Dモデル作成用撮影枚数は1053枚になりました。追って3Dモデル作成予定です。

これらの3Dモデルをじっくり観察・計測して、「現場」でないと判らない斜面貝層特性の把握に迫る予定です。

3 撮影許可

事前に電話で撮影許可をいただきました。

当初、必要な手続きを問い合わせたのですが、対応していただいた方は「考古資料室は撮影禁止になっているが、それは撮影禁止対象物が幾つかあるため便宜的に室全部を撮影禁止にしている。剥ぎ取り断面は本来撮影禁止対象ではないので、フラッシュを使わなければ撮影して結構です。」とのことでした。

現場で撮影していました。ところが、撮影がかなり進んだ段階で、撮影枚数ががあまりに多いのでボランティアの方に「不審者」と間違われ「すぐに帰ってほしい」との現場状況となりました。駆けつけた職員の方に説明して撮影を継続することができました。念のためその場で撮影許可申請も行いました。

今回撮影枚数は全部で1293枚で、少しずつ足をずらすカニ歩きで移動しながらシャッターを切るのですが、ボランティアの方には見慣れない行動であり、不安感を与えてしまったのかもしれません。なお、撮影と観察は2時間半ほど行いましたが、この間この展示を観覧した方は1組だけで、その方の観覧の時は撮影を自粛しています。

以前、別の館で同じ状況がありました。撮影が許される場所で、撮影枚数が多すぎるので撮影は止めて欲しいとの要請が職員の方からありました。撮影枚数が多くなると。3Dモデル作成などの技術知識が無い方には、撮影目的が理解できなくなってしまい、展示物に対して何か良くないことが生まれるという不安感が管理責任感の強い方に生まれるようです。


2025年12月22日月曜日

Blender オブジェクトの部分選択範囲の面積測定

 Measuring the Area of ​​a Selected Part of an Object in Blender


I created a Blender Python script that selects a portion of an object in the Blender 3D viewport and measures the area of ​​that selection.


Blender3Dビューポートにおいてあるオブジェクトの一定部分を選択し、その選択範囲の面積を測定するBlenderPythonスクリプトを作成しました。

1 オブジェクト部分選択範囲の面積測定BlenderPythonスクリプト

import bpy
import bmesh

obj = bpy.context.edit_object
mw = obj.matrix_world

bm = bmesh.from_edit_mesh(obj.data)

# 選択面があるか確認
if not any(f.select for f in bm.faces):
    print("No faces selected. Face Select(3)で面を選択してください。")
    raise SystemExit

# 選択状態を保ったままコピー
bm2 = bm.copy()

# コピー側で「選択面」だけ取得(index対応は使わない)
sel2 = [f for f in bm2.faces if f.select]

# 選択面だけ三角化し、生成された三角形(result['faces'])だけを使う
res = bmesh.ops.triangulate(bm2, faces=sel2)
tri_faces = res.get("faces", [])

area = 0.0
for f in tri_faces:
    if len(f.verts) != 3:
        continue
    v0, v1, v2 = [mw @ v.co for v in f.verts]
    area += 0.5 * (v1 - v0).cross(v2 - v0).length

bm2.free()

print("Selected face area (WORLD, triangulated selection only) =", area)
2 使い方

・BlenderPythonスクリプトをBlenderテキストエディターにコピー

・エディターモードでオブジェクトの部分を選択

・BlenderPythonスクリプトを走らせる。

・システムコンソールに面積が表示される。

(システムコンソールはウィンドウ→システムコンソール切り替えで事前に表示しておきます。なおデフォルトでシステムコンソールは文字化けしていますが、面積は正常に読み取れます。)


立体オブジェクトの一部を選択した様子


システムコンソールに面積測定結果が表示された様子

3 特別な性能

・オブジェクトのスケールが(1,1,1)でなくても、つまり非等方スケール(例 (30、30、1))でも、3Dビューポートにおける正確な面積を測定します。

4 無料アドオン3D Print Toolboxについて

Blenderアドオン3D Print Toolboxで立体オブジェクトの体積と表面積を測定できます。平面メッシュなら、その表面積を測定できます。しかし、立体オブジェクトの部分を選択してその面積を測定することはできません。

11断面幅20㎝スリットの遺物(製品)件数

 Number of artifacts (products) from the 11-section, 20cm-wide slit


The artifacts excavated from the 11-section, 20cm-wide slit were collectively classified as pottery, stone tools, bone-horn-and-tooth artifacts, and shell artifacts, and the number of artifacts was tallied. The results were then analyzed by shell layer. Four layers showed a significant number of artifacts, and I will be focusing on these layers in the future.


11断面幅20㎝スリットから出土した遺物のうち土器、石器、骨角歯牙製品、貝製品を製品として一括し、件数を集計しました。集計結果を貝層分層別に表現して観察しました。4つの分層からの製品出土が顕著であり、今後これらの分層に注目することにします。

1 11断面幅20㎝スリット出土遺物(製品)の分層別集計


11断面幅20㎝スリット出土遺物(製品)の分層別集計

2 11断面幅20㎝スリット出土遺物(製品)件数 分級表示


11断面幅20㎝スリット出土遺物(製品)件数 分級表示

3 メモ

11断面幅20㎝スリットから出土した遺物のうち土器、石器、骨角歯牙製品、貝製品を製品として一括し、件数を集計しました。集計結果を貝層分層別に分級表現して観察しました。製品出土が顕著な分層は斜面成混土貝層のS3、S2、流路性混土貝層のXと黒褐色土のKです。今後、れらの分層に注目することにします。


11断面幅20㎝スリットの貝層分層別遺物密度(件/㎥)

 Artifact density (items/m3) by shell layer stratification in 11 cross-sections of a 20cm-wide slit


The artifact density (items/m3) by shell layer stratification was measured in 11 cross-sections of a 20cm-wide slit. The artifact density was found to be particularly high in the slope shell layer.


11断面幅20㎝スリットの貝層分層別遺物密度(件/㎥)を計測しました。斜面性貝層の遺物密度がとりわけ高いことが判りました。

1 11断面幅20㎝スリット出土遺物の分層別集計


11断面幅20㎝スリット出土遺物の分層別集計

分層別断面積はBlender3Dビューポートで特性BlenderPythonスクリプトで計測しました。分層別体積は断面積(㎡)×0.2mで算出しました。

2 11断面遺物密度(件/㎥)


11断面遺物密度(件/㎥)

斜面性貝層の遺物密度がとりわけ高いことが判ります。


参考 11断面遺物件数


参考 貝層区分と名称

3 分析


遺物件数と遺物密度

遺物件数/密度という観点からみると斜面性混土貝層(S1、S2、S3)グループと斜面性黒褐色混土貝層(R1、R2、R3)グループが最も主要な貝層であることが判ります。

S1、S2と比べてS3の遺物密度が低くなっています。これは遺物数に対して貝殻体積が大きいことを意味しています。つまりS3の時期に貝が豊漁であったことを示していると想定できます。セクション図では、S3層はハマグリ純貝層として記載されています。なおS3が全層位のなかで最上位ですから、北斜面貝層発達史の最終局面でハマグリが豊漁だったことになります。

斜面性混土貝層(S1、S2、S3)グループと斜面性黒褐色混土貝層(R1、R2、R3)グループの違いは遺物件数の違いになります。遺物件数が違うというこが何を意味するか、興味が深まります。もし、集落活動の活性状況を表現しているとすれば、貝層そのものの違い(色、貝殻構成など)と合わせて、環境復元の世界に足を踏み込むことができるかもしれません。

遺物件数/密度という観点から流路性混土(砂)貝層(V、W、X)グループ、黒褐色度(K)、流路性土層(D5)も興味対象になります。

なお、以上のもの以外の貝層分層はHを除き全て遺物を含んでいて、なぜそこから遺物が出土するのかという全く逆の観点からの強い興味対象となります。


2025年12月20日土曜日

11断面幅20㎝スリット出土遺物の貝層分層別集計

 Tabulation of artifacts excavated from 11 cross-section, 20cm-wide slits by shell layer stratification.


Artifacts excavated from 11 cross-section, 20cm-wide slits on the northern slope of the shell layer at the Ariyoshikita Shell Mound were tabulated by shell layer stratification. A tendency for artifacts to increase after the second stage of shell layer development and a tendency for artifacts to be more abundant in the mixed-soil shell layer were observed.


有吉北貝塚北斜面貝層の11断面幅20㎝スリットから出土した遺物について、貝層分層別に集計しました。貝層発達の第2段階以降遺物が増える傾向と混土貝層で遺物が多い傾向が観察できます。

1 11断面幅20㎝スリット出土遺物の貝層分層別集計


11断面幅20㎝スリット出土遺物の貝層分層別集計

2 11断面遺物件数 貝層分層別分級表示


11断面遺物件数 貝層分層別分級表示


11断面 遺物プロットと貝層分層

3 参考 これまでの検討


11断面 貝層区分と名称


11断面 貝層区分と発達段階


11断面 営力検討資料

4 メモ

有吉北貝塚北斜面貝層の11断面幅20㎝スリットから出土した遺物について、貝層分層別に集計しました。貝層発達の第2段階以降の混土貝層で遺物が増える傾向が読み取れます。ただ。K黒褐色土(第1段階)は遺物出土が多くなっていて、K層内の分布が最上部に偏っていて、特異です。今後K層について検討を深めることにします。混土貝層以外の崩落層、土層では遺物出土が少なくなっています。H崩落層は遺物出土が0です。

この集計結果について、遺物密度(件数/分層体積)や遺物種別(製品と食料残滓別)などについてさらに検討を続けます。


2025年12月17日水曜日

技術メモ 断面幅20㎝スリットから出土した遺物の分層別集計方法

 Technical Note: A method for counting artifacts by layer excavated from a 20cm-wide slit.


I developed a method for counting artifacts by layer excavated from a 20cm-wide slit. I used layer lines from Illustrator and Blender Python to count the artifacts.


断面幅20㎝スリットから出土した遺物の分層別集計方法を具現しました。Illustrator由来の分層線を利用してBlenderPythonで集計します。

1 断面幅20㎝スリットから出土した遺物


断面幅20㎝スリットから出土した遺物(11断面)

2025.12.06記事「11断面幅20㎝スリットから出土した遺物抽出」参照

2 断面幅20㎝スリットから出土した遺物の分層別集計方法

2-1 分層別集計用メッシュオブジェクト作成


分層と遺物分布

分層線はIllustrator由来のカーブ

遺物は点群で2つの属性(id,bunruicode)を具備しています。


S3混土貝層の集計用メッシュオブジェクト

分層線(カーブ)から押し出しと面貼りを利用して、遺物を完全に内包するメッシュオブジェクトを作成します。

2-2 BlenderPythonによる分層内遺物集計

集計用BlenderPythonをChatGPT支援で作成しました。集計は分層毎に行い、遺物リストと分類コード別集計(統計)の2つのcsvファイルを生成します。


集計と統計のcsvファイル

3 メモ

少し前まで、手にカウンターを持って、画面を見ながら数えるようなこともあったのですが、そうした活動はようやく過去のものとなりました。


2025年12月16日火曜日

技術メモ Illustratorで描いたパスをBlenderにプロットする方法

 Technical Note: How to Plot Paths Drawn in Illustrator to Blender


I plotted the shell boundary lines of a section drawing drawn in Illustrator to Blender as an SVG file. This eliminated the need to draw the same boundary lines twice in Blender.


Illustratorで描いたセクション図の貝層界線をSVGファイルでBlenderにプロットしました。これにより、Blenderで同じ界線を描く二度手間が解消されました。

1 Illustratorで描いたパスのBlenderプロット


Illustratorで描いたパスのBlenderプロット

Illustratorで描いた貝層界線(パス)をSVGファイル出力し、Blenderにインポートするとカーブになります。カーブの位置、大きさを正確に調整してからメッシュオブジェクトにすることにより、遺物点群集計などに使うことができます。


Illustratorで貝層界線(パス)を描いている様子


Illustratorで描いたパス

2 メモ

界線カーブをメッシュオブジェクトに変換し、押し出しにより厚みを持たせ、両側に面を貼ることで、貝層分層の姿に対応した3次元メッシュオブジェクトをつくることができます。このメッシュオブジェクトを利用して、スリットに分布する遺物を貝層分層毎に把握、集計できるようになります。


スリット分布遺物の貝層分層別集計用のメッシュオブジェクト