2025年8月20日水曜日

焼町式土器(柏市大松遺跡)のGigaMesh Software Framework展開

 GigaMesh Software Framework Deployment of Yakemachi Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City)


I created an unfolded image using the GigaMesh Software Framework from the 3D model of the observation records of Yakemachi Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City). Since there is information that two human figures are depicted, I added my own interpretation of the human figures to the unfolded image.


焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3DモデルからGigaMesh Software Frameworkで展開画像を作成しました。人体文が2つ表現されているとの情報があるので、展開画像に人体文の自分の想定を描き込んでみました。

1 焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル


焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル画像

2025.08.19記事「焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開画像


GigaMesh Software Frameworkによる展開画像(カラー)


GigaMesh Software Frameworkによる展開画像(ソリッド)

3 人体文の想定


人体文の想定

西川博孝著「柏市小山田・大松遺跡の縄紋中期土器-多様で華麗な紋様を楽しもう-」(2023.02.19講演会資料)に掲載されている次の別土器人体文想定図を参考に、自分の想定を楽しみ、その結果を画像にかきこんだものです。

手を大きく広げた人(女性?)とその人と手を結んでいる人(男性?)が踊っている様子の表現でしょうか。


西川博孝著「柏市小山田・大松遺跡の縄紋中期土器-多様で華麗な紋様を楽しもう-」(2023.02.19講演会資料)掲載資料


2025年8月19日火曜日

焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of Yakemachi Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City)


I created a 3D model of the observation record of Yakemachi pottery (more precisely, pottery that appears to have been made in Kashiwa City, Chiba Prefecture, in imitation of Yakemachi pottery), which is currently on display at the historical special exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" (Kashiwa City Local History Exhibition Room). For someone accustomed to seeing Chiba Jomon pottery, the pottery's patterns seem exotic. I plan to create a GigaMesh Software Framework unfolded diagram in the future.


開催中の歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている焼町式土器(正確には焼町式土器を模して千葉県柏市でつくられたらしい土器)の観察記録3Dモデルを作成しました。千葉縄文土器を見慣れた自分にはエキゾチックな文様の土器です。GSF展開図を今後作成予定。

1 焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

焼町式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)

撮影月日:2025年7月29日


展示の様子

3DF Zephyr v8.017 で生成 processing 200 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 資料 西川博孝著「柏市小山田・大松遺跡の縄紋中期土器-多様で華麗な紋様を楽しもう-」(2023.02.19講演会資料)抜粋

「もう一つの逸品は、図6のやはり大松遺跡のSK226から出土した土器です。上記、縄紋土器の三つの特徴をあげると、以下の点が指摘されます。

①紋様は口縁部と体部の2帯となる。口縁突起がカタツムリ状の特異な形をしている。  

② 口縁部は主紋様として斜行するヘアピン状の隆線紋様がおそらく6単位で繰り返される。体部は道訓前遺跡のような4単位の人体紋がある

③隆線と沈線による紋様が隙間無く施されている ①のカタツムリ状の突起は同じ時期の新潟県の在地土器に付く特徴的な突起で、関東地方では他に1例があるだけです。また、口縁部の主紋様である斜行するヘアピン状の隆線紋様は富山県や石川県の中期中葉に特徴的な独特の紋様で、他地域にはこうした斜行紋様はほとんどありません。さらに、器肌の色は黄色味を帯びていてこの地方の土器とよく似ています。しかし、隆線は細くて北陸の豪快な斜行隆線とは違っていますし、小さな円環が多数付くのは道訓前の土器と共通した特徴です。また、体部の人体紋は道訓前と同じ2種類が認められよく似ていますが、腕の表現が不完全です。このように、大松遺跡SK096の土器は千葉県では類を見ない異色の土器ですが、異なった地域の紋様が混合していてどこで制作されたのか理解に苦しみます。ただ、この土器の制作者は複数の地域の紋様をほぼ正確に理解していて、器肌の色までも再現しており、それらの土器を実際に見ていたのではないでしょうか。」

(webからダウンロード引用)

3 メモ

今後GigaMesh Software Frameworkによる展開図を作成する予定です。


カメラ配置

2025年8月18日月曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図座標入力作業日誌(2025.08.18)

 Log of the work to input coordinates for artifact distribution maps of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound (August 18, 2025)


I have written a log of the work to acquire 3D coordinates for all artifacts in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. With 38,245 artifacts plotted in 3D space, the overall picture is beginning to emerge, albeit vaguely. Analysis will begin once all artifacts are plotted, but it is time to consider an analysis plan tailored to the actual data situation.


有吉北貝塚北斜面貝層の全遺物3D座標取得活動の日誌をメモしました。3D空間にプロットした遺物は38245となり、全体像がおぼろげながら見えてきました。分析活動は全遺物プロット後に開始しますが、そろそろデータ実情に合わせた分析活動計画を検討することにします。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図データ(2025.08.18現在)

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図データ(2025.08.18現在)

38245遺物データ

3DF Zephyr v8.017でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像(上から、オルソ投影)

2 メモ 1

原票(遺物分布図)からの座標読取活動とその後のデータ調整は、慣れと諸段階におけるPythonを活用した自動化により、効率化が加速しています。

3D空間にプロットできる遺物の約7割についてプロットが済んだようです。

毎日午前中は入力作業に集中し、ノルマ(最低600件入力/1日)達成は事情の有無によらず自分に義務化しています。体調の良い日には1500件ほど入力できたこともありました。


Blender画面(38245オブジェクトがプロットされている様子)

3 メモ 2

遺物平面座標入力後の活動イメージ

1 分析用データ作成

1-1 データ確認作業

入力作業の確認作業(遺物台帳、遺物分布図、グリッド別)

分析用データ整備

1-2 グリッド別基本統計作成(数値表、必要に応じグリッド別平面分布図)

グリッド別の全遺物数及び種別遺物数

グリッド別の3D空間プロット遺物数、3D空間プロット種別遺物数

2 基本分析

2-1 種別遺物分布分析

北斜面貝層全体を対象に種別遺物分布図を作成して、種別間の分布特性の違いを分析する。

2-2 地山地形と貝層区分分析

地山地形と貝層区分分布について分析し、流動特性を踏まえて、オリジナル貝層と流動貝層の違いなどについて分析する。

2-3 2-1と2-2の相関分析

流動特性を踏まえた貝層区分に基づいて、種別遺物分布特性を分析する。同じく、種別間の分布特性の違いを分析する。

3 基本分析の次のステップ 土器遺物データと土器型式の対応調査

土器遺物データ現物(遺物番号に対応する土器片)の土器型式を調査し、その結果を貝層区分に反映させることによって出土遺物と土器型式との関係を把握する。(貝層と出土遺物のおおよその年代を知る。)


2025年8月17日日曜日

技術資料 勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)の渦巻文と三叉文の分布3Dモデル

 Technical Data: 3D Model of the Distribution of Spiral and Trident Patterns on Katsusaka-style Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City) (Half-section)


I had fun creating a 3D model that simulates the distribution of spiral and trident patterns on Katsusaka-style pottery (Omatsu Site, Kashiwa City) (Half-section). I previously attempted the same thing with the wild boar line engraving on Kasori EIV-style pottery.


勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)の渦巻文と三叉文の分布だけを疑似的に抽出した3Dモデルを作成して楽しみました。以前同じ試みをイノシシ線刻画加曽利EⅣ式土器でしたことがあります。

1 勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)の渦巻文と三叉文の分布3Dモデル

勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)の渦巻文と三叉文の分布3Dモデル


3Dモデルのテクスチャ画像

3DF Zephyr v8.017でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

2 参考 イノシシ線刻画3Dモデル

イノシシ線刻画3Dモデル


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2023.02.11記事「イノシシ線刻画がある加曽利EⅣ式深鉢(市川市権現原貝塚) 観察記録3Dモデル v2

3 感想

この記事は下記記事の続きです。

2025.08.16記事「技術資料 フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャを画像編集ソフトで直接編集可能にする方法

フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャを画像編集ソフトで直接編集可能にすると、分析や表現の可能性が大きく広がる一端をこの記事で確認しました。


2025年8月16日土曜日

技術資料 フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャを画像編集ソフトで直接編集可能にする方法

 Technical Information: How to Edit the Texture of a Photogrammetry-Generated 3D Model Directly in Image Editing Software


I've been working on a method for directly editing the texture of a photogrammetry-generated 3D model in image editing software for the first time in a while, and I've finally managed to get it done. I cut a Katsusaka-style pottery vessel on display at "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" (Kashiwa City Local History Exhibition Room) in half and traced the spiral and trident patterns.


フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャを画像編集ソフトで直接編集可能にする方法に久しぶりに取組み、なんとかかんとか、形になりました。「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)展示勝坂式土器を半裁し、渦巻文と三叉文をなぞりました。

1 画像ソフトでテクスチャ編集した勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)3Dモデル

画像ソフトでテクスチャ編集した勝坂式土器(柏市大松遺跡)(半裁)3Dモデル

元3Dモデルの撮影場所:歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)

元3Dモデルの撮影月日:2025年7月29日

半裁した3Dモデルのテクスチャに、画像編集ソフトで渦巻文と三叉文を描き加えた3Dモデル


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャを画像編集ソフトで直接編集可能にする方法

この方法の原理は既に次の記事で説明しています。

ブログ花見川流域を歩く 番外編 2022.05.26記事「3Dモデル直接描画方法

3 今回の取組み

2の方法で勝坂式土器(柏市大松遺跡)のテクスチャを編集して、文様をなぞった3Dモデルを作成しようと試みました。

ところが思うようにできません。3日間程「あーだ、こーだ」と時間を浪費して、ようやく解決の糸口をみつけた段階にたどりつきました。

とりあえず、土器を半裁にして、隠れた「穴」(土器外面と内面をチューブ状につなぐ穴)を見つけて対処したところ、所望する結果に至りました。

今後、さらに技術的吟味をして、土器全体について所望する結果を得たいと思います。(3Dモデルにもともと開いている穴3箇所と、普通に見ただけでは判らない隠れた穴2箇所の対処をすれば、所望する結果を得られると期待しています。)

4 フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャと画像編集ソフトで編集できるテクスチャ


フォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャ

一般にフォトグラメトリ生成3Dモデルのテクスチャは人の目では理解できない画像となっていますから、画像編集ソフトでは編集できません。


3DF Zephyr LiteとBlenderの連携により作成した人が理解できるテクスチャ画像


同上画像に画像編集ソフト(Illustrator)で渦巻文と三叉文を書きこんだ画像


2025年8月13日水曜日

技術資料 234グリッド付近の精細地山地形3Dモデル作成

 Technical Information: Creating a High-Detail 3D Model of Natural Terrain at Near-234 Grids


I developed a technique for creating a high-detail 3D model of natural terrain from a topographical map that uses terrain boundaries (terrain borders) rather than contour lines. This technique applies techniques for creating 3D models of pits and other structures (using Bézier curves in Blender).


等高線ではない地形境界線(地形縁取線)で表現された地山平面図(地形学図)から、精細な地形3Dモデルを作成する技術を開発しました。土坑等の3Dモデル作成技術(Blenderにおけるべジェ曲線利用)を応用したものです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層234グリッド付近の地山地形3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層234グリッド付近の地山地形3Dモデル

垂直比率:×1.0

Blenderでべジェ曲線から作成


地山平面図検討図

3DF Zephyr v8.017 でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

2 作成方法

2-1 利用ツール

・Blenderでべジェ曲線から面を貼り、地形を表現する。

・ベジェ曲線描画はアドオン「Bezier Toolkit」(フリー)による。

・べジェ曲線の標高分布は自作アドオン「Bezier Z Interpolator」による。

2025.07.11記事「縄文遺構実測図の縁取線(地形変換線)の高度線形補間Blenderアドオン

・面貼り(メッシュ生成)はアドオン「Curves To Mesh」(有償)による

2-2 Blenderにおける手順

・地形境界線(地形縁取線)(=非等高線)をべジェ曲線でなぞる。べジェ曲線作成区間はメッシュ生成単位(地形面単位)に対応させる。

・アドオン「Bezier Z Interpolator」で2~3点の標高点で線形補間して、べジェ曲線の標高分布を滑らかなものとする。

・ほとんどのべジェ曲線は隣接する地形面との接合線となるので、同じものが2つ必要であることから、Shift+Dでコピーする。

・アドオン「Curves To Mesh」で、地形面単位毎に2本のべジェ曲線からメッシュ生成する。

・全ての地形面メッシュを三角面化し、ノーマルを揃えてから統合してメッシュオブジェクトとする。必要に応じて微細不都合等を調整する。

3 感想

土坑等の3Dモデル作成習熟活動の中で、自作アドオン「Bezier Z Interpolator」とアドオン「Curves To Mesh」が活躍していますが、同じことを地山平面図3Dモデル化に活用できることに気が付き、早速試してみました。その結果、とてもよい成果を得ることができました。

地山平面図に表現されている情報がそのまま、ありのまま精細3Dモデルにできるのでとても有用な技術開発ができたとうれしくなっています。

これまで公開DEM以外の資料から地形3Dモデルを作成する次の技術を試してきて、実用しています。

・等高線から3Dモデル作成(QGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール))

・ランダム標高点から3Dモデル作成(QGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール))

・複数断面線から3Dモデル作成(Blender(Bsurfaces機能、辺ループのブリッジなど))

・複数空中写真から3Dモデル作成(3DF Zephyr Lite)

空中写真を除き、これらの技術と比べると、今回の地形境界線(=非等高線)から3Dモデルをつくる方法がもっとも精度がよいと考えます。精度よいとは、資料情報をそのまま3Dモデルにできるという意味です。等高線やランダム標高点から作成する3Dモデルは「まるまっている」「空間平均的情報演算操作の中で微細凹凸が失われている」のです。


2025年8月11日月曜日

勝坂式土器(柏市大松遺跡)文様の観察

 Observing the Patterns of Katsusaka Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City)


The Katsusaka pottery (Omatsu Site, Kashiwa City), on display at the special exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" (Kashiwa City Local History Exhibition Room), features two distinct patterns. I observed the patterns on this pottery by comparing the GigaMesh Software Framework unfolded diagram with a 3D model.


企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている勝坂式土器(柏市大松遺跡)は2つの趣の違う文様を共存させて所持しています。この土器の文様をGigaMesh Software Framework展開図と3Dモデルを照らし合わせて観察しました。

1 勝坂式土器(柏市大松遺跡)展示の様子


勝坂式土器(柏市大松遺跡)展示の様子

観察記録3Dモデルを作成してGigaMesh Software Framework展開図を作成しました。

2025.08.10記事「勝坂式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル


GigaMesh Software Framework展開図

2 GigaMesh Software Framework展開図による観察


GigaMesh Software Framework展開図による観察

三角区画文優勢範囲と渦巻文優勢範囲を図示しました。それぞれの文様優勢範囲の特徴が際立っていると感じた部分の色を濃くしました。

三角区画文優勢範囲には粘土紐のジグザグ配置による文様がありますが、これは渦巻文優勢範囲にはありません。

渦巻文優勢範囲には粘土紐表面を細かく刻む装飾があります。この装飾は三角区画文優勢範囲にはありません。また土器文様最下段の区画文をみると、渦巻文優勢範囲の直下だけに刻みがみられます。


三角区画文優勢範囲の装飾


渦巻文優勢範囲の装飾

3 感想

・土器の2つの半面にそれぞれ異なる趣の文様を、意図して、造形していることを確認できます。

・しかし、三角区画文と渦巻文はそれぞれの半面で使われています。三角区画文優勢かそれとも渦巻文優勢かという違いは程度の違いであるように感じます。

・縄文人社会の何らかの2つの集団の共存関係を表現したものかもしれません。例えば三角区画文はA集団をイメージしていて、渦巻文はB集団をイメージしていて、A集団とB集団の共存共和の象徴としてこの土器を作成したのかもしれません。より具体的にはA家とB家の婚姻関係成立を寿ぐツールだったのかもしれません。

・土器製作縄文人の心境は、文様の新しい組み合わせと装飾に関する創作意欲、創造意欲にあふれていたと想像します。


技術資料 有吉北貝塚北斜面貝層グリッドの遺物出土順番動画

 Technical Information: Video of the Order of Artifact Excavation in the Grid of Shell Layers on the North Slope of the Ariyoshikita Shell Mound


I created a 3D video showing the order of artifact excavation in the grid (2m x 2m), the unit of excavation work at the shell layer on the north slope of the Ariyoshikita Shell Mound. This video commemorates the hard work of the excavation work and may be useful for data checking.


有吉北貝塚北斜面貝層の発掘作業単位であるグリッド(2m×2m)における遺物出土順番動画を3D空間のなかで作成しました。発掘作業のご苦労をしのぶとともに、データチェックなどに使えそうです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層227グリッドにおける遺物出土順番動画


有吉北貝塚北斜面貝層227グリッドにおける遺物出土順番動画

2 同 その2


同 その2(オルソ投影断面)

3 メモ

有吉北貝塚北斜面貝層の発掘作業はグリッド(2m×2m)単位で行われました。地表から順を追って遺物を発掘して遺物番号をふっています。

この動画はBlender3Dビューポートのなかで、遺物番号の若い順に0.1秒単位で累積的に遺物を表示した画面のキャプチャー動画です。

この動画は発掘作業のご苦労をしのぶとともに、データチェックなどの確認作業に使います。

Blenderにおける遺物番号順累積的遺物表示はChatGPT支援により、特製のBlenderPythonスクリプトを作成して、実行しました。


2025年8月10日日曜日

勝坂式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of Katsusaka Pottery (Omatsu Site, Kashiwa City)


I created a 3D model of the observation record of Katsusaka pottery, which is currently on display at the historical exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" (Kashiwa City Local History Exhibition Room). This is a rare piece of pottery, with spiral patterns and triangular compartment patterns covering half of each side. I was able to create a 3D model with minimal difficulty. I plan to analyze the GigaMesh Software Framework expansion diagram in the future.


開催中の歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている勝坂式土器の観察記録3Dモデルを作成しました。渦巻文と三角区画文が半面ずつ占める珍しい土器です。難の少ない3Dモデルができました。GigaMesh Software Framework展開図を今後分析予定。

1 勝坂式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

勝坂式土器(柏市大松遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)

撮影月日:2025年7月29日


展示の様子

3DF Zephyr v8.011 で生成 processing 207 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの動画(カラー無効化バージョン)


3Dモデルの画像(渦巻文がメインの面)


3Dモデルの画像(渦巻文がメインの面、カラー無効化)


3Dモデルの画像(三角区画文がメインの面)


3Dモデルの画像(三角区画文がメインの面、カラー無効化)

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開1


GigaMesh Software Frameworkによる展開2


GigaMesh Software Frameworkによる展開(カラー無効化)

3 資料 西川博孝著「柏市小山田・大松遺跡の縄紋中期土器-多様で華麗な紋様を楽しもう-」(2023.02.19講演会資料)抜粋

「2番目に感動したのが今回展示している大松遺跡SK096から出土した土器です。高さは道訓前と同じ62㎝で、重くて一人で持てない重量があります。上記、縄紋土器の三つの特徴で見ると、

  ①口縁部、体部の2帯に分かれ、最下段にも狭い区画帯がある

  ② 見る位置でまったく紋様が異なる二面性を持つ。一面は多数の渦巻紋様が目立つ(13 ~15個)が、その裏面は三角形を基調とした区画紋様が際立つ。

  ③ 個々の紋様、三角形区画は勝坂式の特徴だが、口縁部・体部とも紋様区画は不統一で、そうした構成を持つ勝坂式は西関東にはない。だが、見ていて違和感はない。 

 ②のとおり、この土器は異なった角度から見るとまったく別の土器に見えるのです。しかし、ぐるりと回りながら見ると、渦巻が基調となる紋様から三角基調へと次第に移り変わっていることが理解できます。いわば、一つの土器で二度楽しめ、かつ二つの世界を回り灯篭のように見ることができるすぐれた作品と言えるでしょう。また、③の特徴によりこの土器を制作したのは大松遺跡の縄紋人と考えられます。袋状土坑内に完形品として立った状態で埋納されていたので、当時の縄紋人もこの土器を特別なものと見ていたに違いありません。」(webからダウンロード引用)

4 メモ

4周をガラスで覆うショーケースに展示されているので周回撮影が可能で、難の比較的少ない3Dモデルができました。


カメラ配置の様子

一部ガラス面反射がテクスチャに焼き付いてしまっています。

引用資料のとおり、この土器は1面は渦巻文がメインで、1面は三角区画文がメインという珍しい文様となっています。

別記事でGigaMesh Software Framework展開図に色をつけて塗り絵を楽しむことにします。さらに別記事で、3Dモデルそのものの色塗りにチャレンジして遊んでみることにします。

3Dモデル色塗り技術の記事 2023.01.25記事「縄文土器3Dモデルの色塗り遊び」など




2025年8月8日金曜日

加曽利EⅡ式土器(柏市出山遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Model of Observation Records of Kasori EⅡ Pottery (Deyama Site, Kashiwa City)


I created a 3D model of the observation records of the large Kasori EⅡ pottery currently on display at the "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars" historical exhibition (Kashiwa City Local History Exhibition Room). Because there were no obstructions, the 3D model was relatively easy to create.The GigaMesh Software Framework also allowed for complete internal development.


開催中の歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)で展示されている巨大な加曽利EⅡ式土器の観察記録3Dモデルを作成しました。遮るものがないので難の少ない3Dモデルができました。GigaMesh Software Frameworkでは内面も完全に展開できました。

1 加曽利EⅡ式土器(柏市出山遺跡)観察記録3Dモデル

加曽利EⅡ式土器(柏市出山遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」(柏市郷土資料展示室)

撮影月日:2025年7月29日


展示の様子

3DF Zephyr v8.011 で生成 processing 323 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像(内面 上から)

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開(内面)


GigaMesh Software Frameworkによる展開(Non-Photorealistic Rendering)

3 メモ

遮るものがない展示なので、難の少ない3Dモデルができました。

底部が欠損しています。(廃用段階で意図して底部を壊したものと想像します。※)


カメラ配置の様子

4 超空想

縄文女性が亡くなると、その女性が使っていた(所有していた)土器を全て廃用にする。土器自体がこの世で再利用されないように破壊する。底部を壊せば容器としての再利用は出来なくなるから、確実な破壊行為である。この世での物質としての土器を確実に破壊することで、亡くなった女性は土器(の魂)を安心してあの世に持っていける。あの世で女性はいつも使っていた土器で調理して幸福に暮らせる。


2025年8月6日水曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図座標入力作業日誌(2025.08.06)

 Artifact Distribution Map Coordinate Input Log for the Shell Layer on the North Slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound (August 6, 2025)


We are continuing our efforts to acquire 3D coordinates for all artifacts in the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. To date, 30,477 artifacts have been plotted in 3D space. The 3D distribution of artifacts allows for the identification of specific dumping sites and stratification. Analysis will begin once all artifacts have been plotted.


有吉北貝塚北斜面貝層の全遺物3D座標取得活動を継続しています。これまでに3D空間にプロットした遺物は30477になります。遺物の3D分布をみると特定の投棄場所や成層構造が確認できます。分析活動は全遺物プロット後に開始します。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図データ(2025.08.06現在)

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物分布図データ(2025.08.06現在)

30477遺物データ

3DF Zephyr v8.017でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像(上から、オルソ投影)

2 メモ

遺物の3D分布をみると特定の投棄場所や成層構造が確認できます。分析活動は全遺物プロット後に開始します。

原票(遺物分布図)からの座標読取活動とその後のデータ調整は、諸段階におけるPythonを活用した自動化により、当初と較べるとかなり効率化しています。


Blender画面(30477オブジェクトがプロットされている様子)


2025年8月5日火曜日

土坑3Dモデリングを楽しむ モデルの改良

 Enjoying 3D Pit Modeling: Model Improvements


I enjoyed improving the 3D models of the Ariyoshikita Shell Mound Pit SK657A/B/C/D. This included removing the border between the pit wall and the hole. While I'm still in the early stages of technically mastering 3D modeling of actual measurements, my interest in 3D modeling is growing.


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデル改良作業を楽しみました。土坑壁と穴の間にあった縁取面を削除するなどの改良です。実測図3Dモデリングが技術的にままならない初歩段階ですが、3Dモデリングに対する興味は増しています。

1 有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデル(改良バージョン)

有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/Dの3Dモデル(改良バージョン)

3DF Zephyr v8.017でアップロード


3Dモデル(改良バージョン)の動画


3Dモデル(改良バージョン)の画像


3Dモデル(改良バージョン)の画像

2 メモ

ブーリアン合成における特異点の存在が判ったのでブーリアン失敗がなくなり、改良作業は順調に進みました。


縁取面を生じさせないブーリアン合成の様子

3 参考 改良必要箇所


改良必要箇所

改良必要箇所の対応は全て行いました。

4 感想メモ

現在行っている3Dモデリング作業は土坑形成プロセスとは無関係の、単なる実測図の3Dモデリング作業です。

また、特定のBlenderツール特性に左右されていて、できた3Dモデルは大雑把な3Dモデル「もどき」に過ぎません。

自分がつくりたい3Dモデルは、実測図に合わせた3Dモデルではなく、縄文人が作成した形状そのものの3D復元です。そのように考えると、3Dモデリングには次の技術、プロセスが大切なような気がします。

●3Dモデリングの多様な技術(技能)の獲得。現在は1つの形状をつくる技術(技能)を1つしか知らないレベルです。1つの形状をつくる技術(技能)を3つも4つも知って、その特性を理解しておきたいです。

●遺構(例 土坑)は縄文人による形成プロセスを経て最終的な形状になっています。従って、形成プロセスを追って3Dモデリングを進めれば、最も合理的な3Dモデルができます。実測図を忠実に表現しようとするのではなく、実測図から読みとれる(想定できる)形成プロセスの順番に従って3Dモデリング作業を行うことができれば、それにより最も的確な3Dモデルをつくることができると考えます。