2024年2月1日木曜日

標高別遺物出土頻度分布グラフの3D化

 3D graph of frequency distribution of artifacts excavated by altitude


I took on the challenge of creating a 3D graph of the frequency distribution of relics excavated by elevation in 10cm increments using a mesh (2m x 2m) in the shell layer. It is a 3D space with cross-sectional maps of shell layers, and is likely to be used as an overview of the frequency of excavation of artifacts by altitude.

貝層におけるメッシュ(2m×2m)の10㎝刻み標高別遺物出土頻度分布グラフの3D化にチャレンジしました。貝層断面図が配置された3D空間で、標高別遺物出土頻度の概観資料になりそうです。

1 Ⅱ-24メッシュ 10㎝刻み標高別遺物出土頻度分布グラフとその3D化


Ⅱ-24メッシュ 10㎝刻み標高別遺物出土頻度分布グラフとその3D化

2 3D空間における配置

Ⅱ-24メッシュの10㎝刻み標高別遺物出土頻度分布3Dグラフと遺物標高分布棒グラフおよび近隣の貝層断面図(第4断面図)の3項目を3D空間に配置しました。


3項目の3D空間配置

3 Ⅱ-24メッシュの10㎝刻み標高別遺物出土頻度分布3Dグラフと貝層断面図の3Dモデル

Ⅱ-24メッシュの10㎝刻み標高別遺物出土頻度分布3Dグラフと貝層断面図の3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

4 メモ

Ⅱ-24メッシュの10㎝刻み標高別遺物出土頻度分布3Dグラフと貝層断面図の3Dモデルを動かしてみると、遺物出土頻度分布と貝層断面の関係についてイキイキとした感想を持つことができます。近隣メッシュの3Dモデルも並べることによって、標高別遺物出土頻度の概観資料になりそうです。

遺物の3D分布分析の基本は、各個別遺物の3D座標による分析を予定しますが、メッシュ(2m×2m)別標高別出土頻度情報も副産物としてえられるので、このような概観的分析も検討して実用化することにします。

5 参考 10㎝刻み標高別遺物出土頻度分布グラフの3D化方法

5-1 Excelによる10㎝刻み標高別遺物出土頻度表の作成

ExcelのFREQUENCY関数を使って標高別遺物出土頻度表を作成します。

5-2 BlenderPythonスクリプトによる3Dグラフの作成

次のBlenderPythonスクリプトによりBlender3D空間で3Dグラフを作成しました。このスクリプトはChatGPT支援で作成したものです。

……………………………………………………………………

import bpy


def create_cylinder(name, location, scale):

    bpy.ops.mesh.primitive_cylinder_add(radius=1, depth=1, location=location, rotation=(0, 0, 0))

    cylinder = bpy.context.active_object

    cylinder.name = name

    cylinder.scale = scale


def main(file_path):

    with open(file_path, 'r') as file:

        text_data = file.read()


    lines = text_data.split('\n')


    for line in lines:

        if line:

            data = line.split(',')

            name = data[0]

            location = (float(data[1]), float(data[2]), float(data[3]))

            scale = (float(data[4]), float(data[5]), float(data[6]))


            create_cylinder(name, location, scale)


if __name__ == "__main__":

    # ここにテキストファイルのパスを指定する

    file_path = "C:\\tmp\\memo2.txt"


    main(file_path)


……………………………………………………………………

テキストファイルには次情報を記載します。

円柱名称,円柱位置x座標,円柱位置y座標,円柱位置z座標,円柱x軸スケール,円柱y軸スケール,円柱z軸スケール

頻度の数値と比例させて円柱x軸スケール,円柱y軸スケールを設定しました。

テキスト例

27.299,5,9,7.249,0.07,0.07,0.05

27.399,5,9,7.349,0.115,0.115,0.05

27.499,5,9,7.449,0.175,0.175,0.05

27.599,5,9,7.549,0.26,0.26,0.05



2024年1月30日火曜日

加曽利EⅢ式土器(043)(芝山町古宿・上谷遺跡) 観察記録3Dモデル

 Kasori EⅢ style pottery (043) (Shibayama Town,Hurujuku/Kamisaku Site) Observation record 3D model


I created a Observation record 3D model of Kasori EⅢ style pottery (043), which is on display at the Kasori Shell Mound Museum special exhibition "That's also E... Sotobo Area Edition". 

This pottery is a Horizontal cooperation arc line pottery.


加曽利貝塚博物館企画展「あれもE... 外房地域編」で展示されている加曽利EⅢ式土器(043)の観察録3Dモデルを作成しました。この土器は横位連携弧線文土器です。

1 加曽利EⅢ式土器(043)(芝山町古宿・上谷遺跡) 観察記録3Dモデル

加曽利EⅢ式土器(043)(芝山町古宿・上谷遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和5年度企画展「あれもEこれもE加曽利E式土器 -外房地域編-」

撮影月日:2023.12.19


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.511 processing 116 images


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開

3 メモ

展示ではつぎのような説明がされています。

「加曽利EⅢ式土器の変容

加曽利EⅢ式では、口縁部文様帯+胴部文様の構成が崩壊し、新たな土器が生まれます。横位連携弧線文土器は、胴部懸垂文が伸びて口縁部文様帯と連携する、連弧文土器の影響のもと成立する土器です。

意匠充填系土器は、胴部にも配置される渦巻文と隆線の隙間に縄文を充填する手法が特徴で、大木式の影響のもと成立する土器です。」

043土器は横位連携弧線文土器です。


043土器の特徴

4 参考

古宿・上谷遺跡の読み(フルジュク・カミサク)を確認するためにweb検索している時に、次の論文をみつけ、おもしろいので、時間をわすれて読み通しました。

加納実「山武郡芝山町古宿・上谷遺跡の再検討-小規模集落の分析にむけて-」(千葉県教育振興財団 文化財センター 研究連絡誌82号、令和2年3月)





2024年1月28日日曜日

遺物台帳電子化データの標高別頻度分布検討

 Examination of frequency distribution of digitized relic register data by altitude


I created an altitude frequency distribution graph using the digitized data from the relic register (Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer) and roughly observed its correspondence with the cross-sectional map of the shell layer. In the example examined, the appearance of the mixed-soil shell layer, where many excavated objects are found, appears to be expressed in the frequency distribution graph.


遺物台帳(有吉北貝塚北斜面貝層)電子化データの標高頻度分布グラフをつくって、貝層断面図との対応関係を大雑把に観察しました。検討例では出土物が多い混土貝層の様子が頻度分布グラフに表現されているように見えます。

1 Ⅱ-24メッシュ 10㎝刻み標高別 遺物出土頻度分布グラフ

これまで電子化作業した中で出土遺物総数が最大のⅡ-24メッシュを事例に、遺物全部、土器、石器、骨、貝製品について標高別頻度分布グラフを作成しました。


Ⅱ-24メッシュ 10㎝刻み標高別 遺物出土頻度分布グラフ

遺物全部頻度分布は大局的には28m付近をピークとする一つの山型として観察できます。遺物全部に占める骨の割合が多いので、骨の分布も遺物全部とほとんどおなじです。土器と貝製品は分布ピークが遺物全部より50㎝高い28.5mになります。土器と貝製品の分布が似ていて、土器と石器が一緒になって3D空間の中で偏在的分布している様子を想像できます。石器は分布ピークが遺物全部とおなじ28mです。土器・貝製品と石器の分布パターンが異なる理由は不明です。

2 Ⅱ-24メッシュ 標高10㎝刻み遺物出土頻度と貝層断面との対応


Ⅱ-24メッシュ 標高10㎝刻み遺物出土頻度と貝層断面との対応

Ⅱ-24メッシュは断面3と断面4に挟まれた場所に位置しています。断面3・断面4と標高10㎝刻み遺物出土頻度グラフの対応関係をみると、つぎの感想を持つことができます。

ア 混貝土層(黄色)より混土貝層(緑色)の方が遺物出土量が圧倒的に多く、その様子が標高別遺物出土頻度グラフに表現されている可能性があります。

イ アの結果から次の作業イメージをより確実にもつことができました。

●将来遺物分布図から遺物平面座標(X、Y)を取得して遺物台帳から取得した標高(Z)と組み合わせて遺物3D座標を入手できます。この遺物3D座標と遺物台帳から取得した層位情報(及び精細な貝層分布図)を組合わせることによって、より精細な遺物-貝層層位対応関係を知ることができることがみえてきました。

●Ⅱ-24メッシュの例でいえば、緑色の混土貝層が層状に斜めに空間分布しているのですが、この空間分布に対応して遺物密集域の分布を観察できることになります。そして、混土貝層では土器・貝製品あるいは石器などが偏在的に分布している様子が観察できることになります。


2024年1月27日土曜日

エジプト発行ネフェルティティ図案切手

 Nefertiti pattern stamp issued by Egypt


Recently, I acquired two types of Nefertiti pattern stamps issued by Egypt. One of these has a "Palestine" reprint. It looks like a stamp that was distributed in the Gaza Strip after the Second Middle East War.


最近、エジプト発行ネフェルティティ図案切手を2種入手しました。考古学切手収集趣味の一環です。そのうち1種は「パレスチナ」加刷があります。第二次中東戦争後のガザ地区で流通した切手のようです。

1 エジプト ネフェルティティ図案切手 1953年発行


エジプト ネフェルティティ図案切手 1953年発行


エジプト ネフェルティティ図案切手 1953年発行

1956年に入手した切手です。当時切手収集が社会の一大ブームで小学校5年生の自分も切手収集に熱中していました。道端の紙屑が全部切手に見えてしまい、一つ一つ確認して歩いていたほどです。

2 エジプト 国際美術館週間切手 1956年10月発行


エジプト 国際美術館週間切手 1956年10月発行

最近切手商から購入(¥200)したものです。

3 アラブ連合共和国 パレスチナ ネフェルティティ図案切手 1959年発行


アラブ連合共和国 パレスチナ ネフェルティティ図案切手 1959年発行

エジプト発行ネフェルティティ図案切手に国名「アラブ連合共和国(UAR)」(エジプトとシリアの合同国家)と流通領域「パレスチナ(PALESTINE)」を加刷した切手です。この切手が流通した領域は第二次中東戦争後のガザ地区のようです。

最近メルカリで購入しました。メルカリで考古学切手掘り出し物を見つけるのが楽しみの時間です。切手商には考古学切手入荷はほとんどありません。

4 参考


トーゴ切手 2013年発行 ネフェルティティ胸像発見100年小型シート


フジャイラ首長国切手 1966年発行 (無目打切手)


グレナダ切手 1980年発行


加曽利EⅠ式土器(009)(銚子市粟島台遺跡) 観察記録3Dモデル

 Kasori EI style pottery (009) (Choshi City,Awasimadai Site) Observation record 3D model


I created a Observation record 3D model of Kasori EI style pottery (009), which is on display at the Kasori Shell Mound Museum special exhibition "That's also E... Sotobo Area Edition". 

The S-shaped spirals and barbed spirals are arranged side by side on the rim of the mouth, creating a crank between them, which deepens my interest.


加曽利貝塚博物館企画展「あれもE... 外房地域編」で展示されている加曽利EⅠ式土器(009)の観察記録3Dモデルを作成しました。口縁部にS字渦巻文と有棘渦巻文が並んで配置され、その間がクランクになっている様子に興味が深まります。

1 加曽利EⅠ式土器(009)(銚子市粟島台遺跡) 観察記録3Dモデル

加曽利EⅠ式土器(009)(銚子市粟島台遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和5年度企画展「あれもEこれもE加曽利E式土器 -外房地域編-」

撮影月日:2023.12.19


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.511 processing 148 images


3Dモデル画像


3Dモデル画像


3Dモデル動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開

3 口縁部文様

口縁部にS字渦巻文と有棘渦巻文が並んで配置されています。この様子から、S字渦巻文と有棘渦巻文はその意義(意味)が兄弟的関係にある文様だと感じます。

双方の文様ともに口縁部には小渦中心が、頸部近くには大渦中心が描かれています。

S字渦巻文と有棘渦巻文の間の空間はクランク状になっていて、クランク文の萌芽のように感じます。


S字渦巻文と有棘渦巻文の様子

土器を立体的に観察すると、S字渦巻文と有棘渦巻文双方の小渦中心が実は土器開口部を仮想渦と見立てた場合の中心のように妄想することもできます。


S字渦巻文(有棘渦巻文)の小渦中心部が実は土器開口部(仮想渦巻)の中心であるとする妄想



2024年1月26日金曜日

38年前遺物台帳(63000遺物)電子化日誌(2024.01.25)

 38 years ago relics ledger (63000 relics) Digitized diary (2024.01.25)


I have begun work on digitizing the 38 years ago relics ledger (Ariyoshi Kita Shell Mound north slope shell layer, 63,000 relics). After testing and analyzing the processed data, issues regarding data accuracy emerged.


38年前遺物台帳(有吉北貝塚北斜面貝層、63000遺物)の電子化作業を進めています。作業済データでテスト分析したところ、データ精度に関する課題が浮かび上がりました。

1 電子化作業進捗状況


電子化作業進捗 2024.01.25


遺物台帳電子化割合 2024.01.25

2 電子化済区域の種別遺物数


電子化済区域の種別遺物数 2024.01.25

3 3D分析検討のためのテスト表示(2024.01.25)

電子化作業済データを使って、メッシュ別遺物標高分布棒グラフを3D空間に表示してみました。メッシュ(2m×2m)別に遺物出土標高最高点と最低点を棒グラフで表現したものです。

3D分析検討のためのテスト表示(2024.01.25)


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

このテスト表示をする中で、データ精度に関する次の課題が浮かび上がりました。

1 遺物台帳入力作業チェックの必要性

作業済みデータの中に自分の入力ミスが幾つか見つかりました。今後電子化作業において、作業済データチェック作業工程を組み入れることにして、入力作業ミスの根絶を目指します。

2 遺物台帳ケアレスミスチェックの強化

遺物台帳電子化活動のなかで、ケアレスミス(標高計算間違いなど)を発見し訂正する活動を意識して行っていますが、より一層注意して電子化作業を進めたいとおもいます。38年前の作業では遺物出土標高の計算を電卓を使いつつ暗算併用で行っていたと考えられ、ケアレスミスが存在します。

3 現場調査時点におけるミス疑義想定

Ⅱ-32メッシュとⅡ-29メッシュでは周囲とくらべて遺物出土最低標高が突出して低くなっています。今後地山標高図などと対比して検討する必要がありますが、現場調査時点における測量ミスの可能性を排除できません。このような現場調査ミス疑義(異常データ)をメモしておき、分析活動で参考データとして活用することにします。


3D分析のためのテスト表示を実施したことによる課題抽出


2024年1月25日木曜日

加曽利EⅠ式土器3点 展示状況素3Dモデル

 3 pieces of Kasori EⅠ style pottery,  exhibition status 3D model


I created 3D models of 3 pieces of Kasori EⅠ style pottery that is on display at the Kasori Shell Mound Museum special exhibition "That's also E... Sotobo Area Edition".

In the exhibition, these potteries are explained as Daigi style spiral patterns transforming into Kasori EI style crank patterns and horizontal S-shaped patterns.


加曽利貝塚博物館企画展「あれもE... 外房地域編」で展示されている加曽利EⅠ式土器のうち3点の展示状況素3Dモデルを作成しました。展示では、これらの土器が大木式渦巻文が加曽利EⅠ式でクランク文や横S字文に変容する様子として説明されています。

1 加曽利EⅠ式土器3点 展示状況素3Dモデル

加曽利EⅠ式土器3点 展示状況素3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和5年度企画展「あれもEこれもE加曽利E式土器 -外房地域編-」

撮影月日:2023.12.19


展示の様子

展示土器のキャプション

097 加曽利EⅠ式土器(東金市・大網白里市養安寺遺跡)

009 加曽利EⅠ式土器(銚子市粟島台遺跡)

060 加曽利EⅠ式土器(横芝光町東長山野遺跡)

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.511 processing 148 images


3Dモデル画像


3Dモデル動画

2 展示説明

「文様:渦巻文

写真の009の土器は、クランク文のような形で区画上端から流れるモチーフが下端で渦巻になる文様が描かれます。

渦巻文は、大木8a/8b式の横方向に展開する胴部文様の主要な要素ですが、加曽利EⅠ式の口縁部文様帯に配置される渦巻文は、097の土器のように、クランク文や横S字文が変容あるいは曲線化した形で描かれます。」


2024年1月21日日曜日

千葉市埋蔵文化財調査センター特別展関連講座「幸福を祈る-古代人の願いと造形」のzoom受講

 Zoom lecture on  "Praying for Happiness - The Wishes and Creations of the Ancients" related to the special exhibition of the Chiba City Buried Cultural Properties Research Center


I attended a lecture related to the special exhibition of the Chiba City Buried Cultural Properties Research Center,  "Praying for Happiness - The Wishes and Creations of the Ancients" (lecturer: Masato Nishino) via zoom. The lecture further deepened my understanding of incense stamps and other aspects of viewing the exhibition, and my interest deepened.

千葉市埋蔵文化財調査センター特別展関連講座「幸福を祈る-古代人の願いと造形」(講師:西野雅人先生)をzoom受講しました。展示観覧における香印盤などの理解が、講演でより一層深まり、興味がさらに深まりました。

1 講演諸元

主催:千葉市埋蔵文化財調査センター

題名:千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「幸福を祈る-古代人の願いと造形」関連講座 第1回「幸福を祈る-古代人の願いと造形」

講師:西野雅人(千葉市埋蔵文化財調査センター所長)

場所:千葉市生涯学習センター

月日:2024.01.21

参加方式:会場参加及びzoom参加

配布資料:展示パンフレット「幸福を祈る-古代人の願いと造形」(32ページ)(zoom参加者にはPDFダウンロードURL配布)


展示パンフレット(pdf)

2 講演の様子


講演の様子(zoom画面) 仏像墨画土器説明


講演の様子(zoom画面) 香印盤説明

3 講演内容と感想

この講演はzoomで受講しました。

展示の章立てに従って西野講師からの興味深い話しがつづきました。

第1章 聖武天皇の願い -国分寺と民衆仏教の開花-

第2章 神仏に祈りを -悔過と祓い-

第3章 星に願いを -古代房総の星信仰-

第4章 幸福の印 -「福」施印土器と宝印-

話しの内容が必ずしも古代学専門家とすり合わせしているわけではないことや、仮説的な考えが含まれていることが最初に述べられ、否が応でも興味が深まりました。第3章星に願いを-古代房総の星信仰-の話しのなかでは、メインコンテンツはまだ関係者に十分に受け入れられていないため、地元市原歴史博物館では展示されていていない旨の状況がポロリと紹介されました。そうした状況が生まれるほど今回の展示物解釈には重要な意義が含まれていて、発見的であり、それだけ講演者が自信を深めていると感じました。

自分は話しの中で次の諸点に興味を持ちました。

・墨書土器集中出土場所2ヶ所が神祈願系と仏祈願系にわかれているらしいこと。

・市川市北下遺跡出土仏像墨画土器には2つの仏像が描かれていて、大きい仏像は奈良の大仏を、小さい仏像は地元仏像を表現している可能性があること。

・市原市川焼第遺跡出土香印盤形土器は正倉院御物に匹敵する意義があること。


市原市川焼第遺跡出土香印盤形土器 展示の様子

・香印盤が使われた古代悔過とおなじ行事が、実は東大寺修二会で現在も伝わっていること。

・香印盤の使い方(型に香と灰を乗せ、盆を被せて、裏返して、盆の上で香を燃やす)

・成田市稲荷山遺跡出土の七星剣は天皇家所有物が宮中から持ち出されたと考えざるを得ないこと。

・古印は古代研究者が研究し、宝印は中世研究者が研究していて、研究は連続していないが、「福」施印土器の存在は宝印が古代からあったことを示している。





縄文時代研究講座「GISでみる千葉市の縄文時代」聴講

 Attendance at the Jomon period research course “Jomon period in Chiba city seen through GIS”


I attended the 3rd Kasori Shell Mound Museum Jomon Period Research Course, “Jomon period in Chiba city seen through GIS”. This is a lecture on the use of QGIS in archaeological research and archaeological administration. It was very insightful and helpful for me, who uses QGIS to study archeology.


加曽利貝塚博物館縄文時代研究講座第3回「GISでみる千葉市の縄文時代」を聴講しました。考古研究及び考古行政におけるQGIS活用に関する講演です。QGISを活用して考古学習をする私にとって、とても示唆に富むもので、参考になりました。

1 講演諸元

主催:千葉市立加曽利貝塚博物館

題名:縄文時代研究講座第3回「GISでみる千葉市の縄文時代」

講師:武田芳雅(千葉市教育委員会文化財課)

場所:千葉市生涯学習センター

月日:2024.01.20

参加者:web申し込み先着順、限定40名

配布資料:Powerpoint画面A4両面印刷7ページ

2 講演風景


講演風景


講演風景


講演風景


講演風景

画像はいずれもリーニュクレール画像

3 講演内容と感想

QGISを使って千葉県あるいは千葉市の縄文時代遺跡分布の概説がありました。

メインのコンテンツは、DEM(5mメッシュ地形情報)を使った千葉市縄文遺跡の相互可視性分析です。

小流域内の主要貝塚集落が相互に見えていたという結果は面白ものでした。

また、景観重心指標という新しい概念により分析し、視線が集中する場所が下総台地の分水嶺であり、その分水嶺が下野-北総回廊(旧石器時代からの移動ルート)であるという発見も面白いものでした。


2024年1月19日金曜日

加曽利EⅠ式土器(094)(東金市・大網白里市養安寺遺跡) 観察記録3Dモデル

 Kasori EI style pottery (094) (Togane City/Oamishirasato City,Yoanji Site) Observation record 3D model


I created a Observation record 3D model of Kasori EI style pottery (094), which is on display at the Kasori Shell Mound Museum special exhibition "That's also E... Sotobo Area Edition". 

The sharp spines and spirals (barbed scroll pattern) derived from the Daogi style on the rim of the pottery leave a lasting impression.


加曽利貝塚博物館企画展「あれもE... 外房地域編」で展示されている加曽利EⅠ式土器(094)の観察記録3Dモデルを作成しました。口縁部の大木式由来の尖った棘と渦巻(有棘渦巻文)が印象に残ります。

1 加曽利EⅠ式土器(094)(東金市・大網白里市養安寺遺跡) 観察記録3Dモデル

加曽利EⅠ式土器(094)(東金市・大網白里市養安寺遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和5年度企画展「あれもEこれもE加曽利E式土器 -外房地域編-」

撮影月日:2023.12.19


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v7.511 processing 138 images


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開

3 感想

口縁部の大木式由来の尖った文様と渦巻(有棘渦巻文)が印象に残ります。


尖った棘