2020年5月5日火曜日

津軽海峡と対馬海峡の海底地形

縄文社会消長分析学習 12

ブログ芋づる式読書のメモ2020.05.04記事「早期の環境」で縄文早期初頭の海水面はマイナス40mであり、現在と海岸線の位置が大いに違うことから、過去の海岸線の復元についてその方法を検討しています。
その検討の一環として、Google earth proで海底地形断面図作成が可能であることを知りましたので、その方法をメモします。

最終氷期の最盛期には、「当時は現在よりも寒冷な時期であり、地球上の水が氷河や雪など氷の形で陸上に固定されていたため、海水の量は現在よりも少なく、海水面は今よりも100メートルほども低かったと考えられている。最近の研究では、現在の津軽海峡や朝鮮海峡にあたる部分は水深が深く、海水面が100メートル低下しても陸橋とはならなかったので、大陸と本州・四国・九州がつながることはなかったとされている。」(山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)から引用)と記述されていますが、Google earth proでそれを実際に確かめてみました。

1 Google earth proでの海底地形断面図の作成方法
(事前にサイドバーのレイヤーの地形にチェックを入れておく)
1 メニューバーの「パス」をクリック
新期パスWindowが開く
アイコンが四角になる
2 断面図視点にマウスを移動してクリック→終点にマウスを移動してクリック→クリック
3 新期パスWindowで「標高」をクリックして「地面に固定」を「海底に固定」に変更する→OKをクリック

新期パスWindow
4 サイドバーの場所の当該パスを右クリックして「高度プロファイルを表示する」をクリック
海底を含む地形断面図が表示されます。

2 対馬海峡の海底地形

対馬海峡の海底地形
朝鮮半島と九州を結ぶ任意の断面線において最深部がマイナス180mとなっています。
海水面がマイナス100m程度ならば対馬と朝鮮半島の間に狭い水道が存在していたと捉えることができます。

3 津軽海峡の海底地形

津軽海峡の海底地形
任意の断面線において最深部がマイナス248mとなっています。
海水面がマイナス100m程度ならば津軽海峡に狭い水道が存在していたと捉えることができます。

2 件のコメント:

  1. グーグルの海底地図は「現時点」の形状だと思いますから、古代の海底を想定するのは不適切と思います。従って、国土地理院の海底地図を観ると中国大陸の大陸棚が日本海の南西部まで拡がっているという相対的な地形図を前提にして想定すれば、朝鮮半島南部と北部九州一帯が陸地かしていることは確実で山田康弘氏の「繋がっていない」という学説は誤りです。
    まず、繋がっていないと縄文人の渡来ルートが確定できない。
    ナウマン象の最新の化石は3万年前の日本の地層から発掘されている。
    淡水魚は歩けないのに、朝鮮半島南部と北部九州一帯に同じ淡水魚が生息している。日本列島の形成の歴史のシミュレーションを観ても繋がっていないのは津軽海峡のみと判断されます。

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  2. titanistさん コメントありがとうございます。自分は素人なので感想しかいえないのですが、津軽海峡の現況の深さマイナス250mという地形状況が最終氷期に、それとは全く異なっていた(例-350m、-100m)とは思えません。やはり現況地形を参考にするのが入口です。氷期ですから結氷により渡ることはできた可能性があります。過去地形から生物分布を解釈するのは強い思考だと思いますが、生物分布から過去地形を解釈するのは弱い思考だと思います。

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