2019年4月21日日曜日

縄文犬 飛丸くん

Twitterしむちゃん ナウさんからリクエストがあり、縄文犬飛丸くんの3Dモデルを作成しました。飛丸くんは船橋市飛ノ台史跡公園博物館に展示されている縄文犬復元模型です。

縄文犬 飛丸くん
船橋市飛ノ台史跡公園博物館展示物 2019.04.21撮影

飛丸くんの展示風景

飛丸くんの説明

飛丸くんの説明

参考 飛丸くんの3Dモデル作成画面(3DF Zephyr Lite)

参考 撮影写真


ちば情報マップ 埋蔵文化財包蔵地

WEBサイト「ふさの国文化財ナビゲーション」が4月17日からちば情報マップに統合されました。

1 使い勝手
自分は次のような印象を受けました。
ア 埋蔵文化財包蔵地の情報そのものは旧「ふさの国文化財ナビゲーション」と同じものを使っているようです。
イ 地図表示機能が抜本的に改良されました。
・背景を案内地図(一般地図)、航空写真、数値地図から選べます。
・地図画面をモニターの大きさだけ広い領域で表示できます。自分は4枚のモニターを使っているので広大な領域を同時に表示できます。
・縮尺の変更が容易です。
・表示地図の印刷が可能となりました。紙やpdfとして印刷できます。
ウ 検索結果リストのダウンロードは出来ないようです。
エ 機能が付加しました。
・表示地図の印刷機能
・距離や面積計測
・図形の描画
・kmlファイル等の読み込み
・作図図形のkmlファイル保存

標準的な表示画面

4画面を使った広域表示 a

aを10数枚貼り合せて作成した千葉県全図 b

bの一部拡大表示

bの一部拡大表示

2 感想
ちば情報マップから点情報ではなく、面情報としての埋蔵文化財包蔵地分布図を千葉県全域を俯瞰する形で作成することができました。面情報を得ることができるので大変有用な情報源となります。
この分布図により、これまで作成してきた点情報としての遺跡分布図(GIS情報)に括り線による範囲情報を追補することが可能となります。
なお、ちば情報マップでは遺跡種別・遺跡名称・住所以外の検索(例 時期、出土物等)はできないようです。個別遺跡の情報を得るには最適のシステムですが、遺跡をいろいろな視点から分類して、そのリスト作成や分布図作成を目指すには限界があります。

2019年4月11日木曜日

大膳野南貝塚出土土器と較正年代グラフ

縄文土器学習 89 縄文土器較正年代グラフを使った学習 4

2019.03.31記事「縄文土器絶対年代推定」で作成した縄文土器較正年代グラフ(絶対年代グラフ)を様々な情報と対比させることによって縄文時代に関する基礎的な学習を行っています。
この記事では大膳野南貝塚出土土器と縄文土器較正年代グラフを対比させてみました。
参考 2017.02.03記事「大膳野南貝塚 出土土器形式リスト作成」

1 大膳野南貝塚から出土した土器
千葉県あるいは下総地域からみれば大膳野南貝塚は点にしかすぎませんが、その点としての大膳野南貝塚から出土した土器形式を次図でピンクで示し、さらに炉穴あるいは竪穴住居から出土した土器形式を赤枠で囲ってみました。

大膳野南貝塚から出土した土器
草創期の土器出土はありませんが、早期はその前半の井草式土器などの出土していて、後半には炉穴群から野島式、茅山式土器が出土しています。その後前期から後期の加曽利B2式土器までは土器形式が連続して出土しています。
前期集落からは諸磯b式土器と浮島Ⅰ式、Ⅱ式が共伴して出土しています。
後期集落からは加曽利EⅣ式、称名寺式Ⅰ式・Ⅱ式、堀之内1式・2式、加曽利B1式・B2式が連続して出土しています。

2 感想
・点にしか過ぎない大膳野南貝塚が、早期後半から後期前半まで約5000年にわたって土器形式が連続出土する様子に驚きます。早期後半炉穴群、前期集落、後期集落が繰り返し営まれたことは飲み水の確保、薪の確保、海漁の利便、動物狩猟の利便、近隣集落との交通上の利便などの「定住が要請する要件」が満たされた場所であったことを示していると考えます。縄文人が定住したくなる場所の要件を大膳野南貝塚サイトが満たしていたことを示していると想定します。
・旧石器時代遺物は出土するのに草創期土器は大膳野南貝塚から出土しません。その理由の検討を今後行います。
・加曽利B2式土器を最後に後期後半と晩期の土器は一切出土しません。劇的といえる変化です。5000年ものあいだ利用されつづけた空間がほとんど利用されなくなった様子が感じられます。縄文社会がこの時期に劇的に変化したのかどうか、今後検討を深めます。なお弥生時代遺物は出土しています。

3 参考 大膳野南貝塚の場所と地形

大膳野南貝塚の位置

大膳野南貝塚の地形上の位置

4 参考 大膳野南貝塚学習中間とりまとめ

2019年4月9日火曜日

船橋市最大縄文土器

縄文土器学習 88

船橋市出土最大縄文土器(加曽利EⅡ式、海老ケ作貝塚出土、出土状況不明(埋ガメという記述あり))が船橋市立飛ノ台史跡公園博物館常設展示で展示されています。
この土器の3Dモデルを多数写真から作成しました。

船橋市最大縄文土器

船橋市最大縄文土器 展示風景

2019.02.09記事「縄文土器3Dデータ作成のメドが立つ」参照

この土器の近くに鏡が付いている柱があり、その場所からの撮影がしにくかったので、柱付近の3Dが不良となっています。
それ以外の部分は移動と拡大が瞬時にできるだけに、現物観察以上に正確に観察できるような印象を受けます。

2019年4月8日月曜日

千葉県縄文土器形式変遷と較正年代

縄文土器学習 87 縄文土器較正年代グラフを使った学習 3

2019.03.31記事「縄文土器絶対年代推定」で作成した縄文土器較正年代グラフ(絶対年代グラフ)を様々な情報と対比させることによって縄文時代に関する基礎的な学習を行っています。
この記事では千葉県縄文土器形式変遷情報と縄文土器較正年代グラフを対比させてみました。

1 千葉県の縄文土器形式変遷

千葉県縄文土器形式変遷の較正年代対比

2 メモ
・「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」(千葉県発行)の「2-1-2縄文時代(1)土器の変遷-縄文時代」に詳しく千葉県縄文土器変遷が挿図入りで説明されています。土器学習入門にあたって、この情報を基本テキストとして学習しています。
・土器形式名称がまだ十分に咀嚼できていない状況を脱出するために、土器挿図を較正年代に対応させて並べてみました。この作業と上記テキスト読解により土器形式の概要がかなり身近なものになり、個別土器形式に対する興味が湧きます。
・前期に浮島式土器文化圏と諸磯式文化圏があり、中期前半には浮島式土器文化圏が下小野式・阿玉台式文化圏と、諸磯式文化圏には五領ヶ台式・勝坂式文化圏が地域性を継承しながら併存していることを知りました。
・中期後半になると二分されていた地域性は加曽利E式文化圏としてより広域的な地域性を示すようになることも知りました。
・さらに中期から後期への転換は関東地方だけでなく全国規模で連鎖的に起こる様子も学習しました。
・この記事による学習により、過去講習会で得た情報の意味をより深めて理解することができました。
2019.02.25記事「小澤政彦先生講演「東関東(千葉県域)の加曽利E式」学習メモ」
2019.02.17記事「加納実先生講演「縄文時代中期終末から後期初頭の様相」学習メモ」
・前期~晩期土器は社会発展の様子とある程度リンクして土器形式を考えることができます。しかし草創期と早期土器はどのように土器形式情報を自分の問題意識(社会盛衰)に活用したらよいのか、現時点ではそのイメージが希薄です。




縄文土器3Dモデル素材集サイトの開設

縄文土器学習 86

縄文土器3Dモデル素材集サイトを開設しました。
このブログで作成した縄文土器3Dモデルを集成し、今後作成する3Dモデルを順次加えて行きます。
将来的には千葉県出土縄文土器形式の主要なもの全てについて3Dモデルを作成し、図鑑化することを目指します。
現状では3Dモデル作成テクニック習得が入門段階のためいずれのモデルも試作的レベルです。
縄文土器3Dモデル素材集サイトはBloggerのブログ構造(動的ビュー、フリップカード)を利用して作成しています。

縄文土器3Dモデル素材集サイト画面(パソコン)

縄文土器3Dモデル素材集サイト画面(モバイル)



2019年4月6日土曜日

異形台付土器の資料

縄文土器学習 85

八千代市立郷土博物館を訪問した際、過去の企画展パンフレットを販売していて、その中に異形台付土器企画展パンフレットがあり、興味が刺激されたので入手しました。

八千代市立郷土博物館で入手した資料
1995年企画展ですから24年前になります。20点以上の異形台付土器を展示したことが記録されています。

私は異形台付土器は前代における器台の特殊機能を引き継いだ新時代の(原理を異にする)特殊機能土器であると仮説(空想)していますので興味を持っています。
2019.03.27記事「器台「大麻炙り台」仮説に関連する超空想」

パンフレットには多数の異形台付土器写真が掲載されていますので、自分にとって大変貴重な資料です。

パンフレットに掲載されている異形台付土器写真

パンフレットでは異形台付土器は「容器としての非実用性」と「継承されることもありうる」土器であることや出土状況から祭祀に使われた土器であると説明されています。

なお、「継承されることもありうる」根拠は佐倉市井野長割遺跡出土の2点の異形台付土器の形状が少し異なり、これが時間差を表す証拠であり、その2点が一緒に出土していることに求めています。
この説明は4半世紀前の説明であり、現在の専門家見解は2点の形状相違は時間差を表現するものではなく別の対象を表象している2種セットの土器であるとしているようです。
2つ同時出土は井野長割遺跡の他、広袴遺跡、加曽利貝塚、下ヶ戸宮前遺跡で見られます。祇園原貝塚では3つがセットになっています。
私は2つセットは夫婦(男女)を表現し、3つセットは家族(夫婦と子供)を表現し、各々死んだ親族と話す時に使われた祭具であると空想しています。

パンフレットには異形台付土器の分布図も掲載されています。

異形台付土器分布図 東日本

異形台付土器分布図 千葉県

2019年4月5日金曜日

八千代市立郷土博物館の観覧

縄文土器学習 84

八千代市立郷土博物館を訪問して縄文時代コーナーを観覧しました。

八千代市立郷土博物館縄文時代陳列棚
土器学習入門者の自分にとっては興味深い陳列物ばかりです。

ガラス面がなく半周しながら写真撮影できる空間があれば陳列棚そのものの3Dモデル作成が可能であることを確認できました。
また個別陳列土器を対象とした3Dモデル化も実行し、それが十分に可能であることを確認しました。
ブログ花見川流域を歩く番外編2019.04.04記事「ガラス無し棚陳列縄文土器の3Dモデル」

陳列棚3Dモデルのために撮影した写真は次の33枚です。33枚すべてをソフトが採用しました。少しづつ視点を移動する写真が多数あれば3Dモデルが難無く作成できるという実感をもちました。

陳列棚3Dモデルのために撮影した写真

なお、1階ロビーに展示されている縄文丸木舟(複製)の3Dモデル化は満足感あるものは作成できませんでした。

満足感のもてない縄文丸木舟(複製)3Dモデル

撮影した写真

撮影した写真は14枚で、ソフトが採用した写真は5枚だけです。1階ロビーには柱や物があり自由に写真撮影できないため、このような結果になりました。ただし、1枚の写真に丸木舟全体を入れようとして写真枚数が少なくなったことが失敗の原因であると考えます。つぎはぎで写真を多数とれば満足感のある3Dモデルが作成できる可能性がありますから、再度3Dモデル作成チャレンジをめざします。

8年前、この丸木舟に関して八千代市立郷土博物館の協力を得て次の記事を書いています。
2011.4.08.10記事「縄文丸木舟と大賀ハス8」(この記事では早稲田大学考古学研究室提供丸木舟現物写真を掲載しています。)

1月から始めた土器学習で訪問した縄文土器展示施設は次の5か所となりました。
・千葉市立加曽利貝塚博物館
・船橋市立飛ノ台史跡公園博物館
・千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室
・伊那市立創造館
・八千代市立郷土博物館

2019年4月2日火曜日

縄文時代草創期頃の社会の様子

縄文土器学習 83 縄文土器較正年代グラフを使った学習 2

2019.03.31記事「縄文土器絶対年代推定」で作成した縄文土器較正年代グラフ(絶対年代グラフ)を様々な情報と対比させることによって縄文時代に関する基礎的な学習を行っています。
この記事では縄文草創期頃の社会発展の様子資料2点と縄文土器較正年代グラフを対比させてみました。

1 勅使河原彰著「縄文時代史」(新泉社)資料

縄文時代草創期の発達の諸段階と縄文土器編年の較正年代による対比

2 小林謙一ほか編「縄文はいつから!?」(新泉社)資料

縄文時代草創期頃の狩猟具の変遷と縄文土器編年の較正年代による対比

3 メモ
・双方の資料とも同じ較正年代資料、同じ気候変動資料を使っているので類似した内容になっています。
・別著者の図書から類似した情報を得ることによって、初級学習者にとっては縄文草創期頃の自然と社会の様子の大局観を得やすくなりました。
・2月に千葉県教育庁文化財課森宮分室で閲覧した一鍬田甚兵衛山南遺跡出土隆起線文土器の時代が1万5000年前~1万3000年前頃であり、その頃は一時的な温暖期であり、有舌石鏃や矢柄研磨機が使われていた時代です。閲覧では確かに有舌石鏃や矢柄研磨機も閲覧しました。
・同じ縄文土器でも、加曽利E式土器はそれに近い時代の大膳野南貝塚学習などを行ったので、また器形がわかり、関連する情報も豊富なので学習をすすめる手ずるがあります。
・ところが、縄文草創期土器にはそうした過去の学習体験や豊富な情報がないので、学習を深める手づるが見つかりません。
・現在はまだ時代イメージ実感がろくに湧かないので、現物土器・石器を閲覧した感想は書物知識とだけ記号的に結合させているだけです。本当の知的咀嚼はできていません。この状況を早く脱出したと考えています。
・一つの脱出方法として土器や石器の3Dモデルを作成して、その詳細観察体験(一種の学習成功体験)を突破口にしようとしたのでしたが、その初回はお見事に失敗しました。


縄文土器全国編年と較正年代対比

縄文土器学習 82 縄文土器較正年代グラフを使った学習 1

2019.03.31記事「縄文土器絶対年代推定」で作成した縄文土器較正年代グラフ(絶対年代グラフ)を様々な情報と対比させることによって縄文時代に関する基礎的な学習を行うことにします。較正年代(絶対年代)という共通物差しを媒介にして専門家縄文研究成果や世界原始・古代社会情報を対比させて、自分の頭のなかにあったバラバラの興味・情報を結び合わせることにします。較正年代対比により事象間の関連性や同時代性意義の学習を深めることができると期待します。
この記事では縄文土器全国編年資料との対比を行いました。

1 縄文土器の全国編年と較正年代(絶対年代)対比

縄文土器の全国編年と較正年代(絶対年代)対比
「縄文土器の全国編年」は勅使河原彰著「縄文時代史」(新泉社)から引用・加色
縄文土器絶対年代グラフは小澤政彦講演資料(2019.02.24)から作成

2 メモ
・全国の主要土器形式名称が時期区分ごとに一覧表になっている判りやすい資料と較正年代グラフを対比させた自分専用の初級学習資料を作成することができました。
・この基礎資料を使うことにより、聞きなれない縄文土器形式名が出てきた時その時間的・空間的位置を確認することができます。