2019年2月9日土曜日

縄文土器3Dデータ作成のメドが立つ

縄文土器学習 19

縄文土器学習を1月から始めていますが、学習ツールとして展示土器の形状、模様、各種特徴を立体画像として自分のパソコンの中で詳しく観察できる仕組みづくりを目指してきています。そのような学習ツールができれば展示土器の生の観察を補助することができ、繰り返し観察する場合に生まれる移動の手間や時間の制約から大幅に逃れることができ、より効果的な土器学習が可能となります。
一言でいえば縄文土器の3Dデータ化による私家版立体縄文土器図鑑の作成です。
その縄文土器3Dデータ化のメドが立ちましたのでメモしておきます。

1 3Dデータ化テスト対象土器
飛ノ台史跡公園博物館常設展展示の「船橋市出土最大土器」(加曽利E2式、海老ケ作貝塚出土、出土状況不明(埋ガメという記述あり))をテスト対象としました。この土器は360度からの写真撮影が可能な展示となっています。
次の25枚の写真を用意しました。

船橋市出土最大土器の写真

2 3Dデータ化ソフト
3DF Zephyr Freeを使いました。WEBでの評判等を参考にしました。ソフトは日本語化されていて、チュートリアルも動画・テキスト等豊富で英文テキストはWEB翻訳機能でほぼ完全に理解できました。また機能制限もほとんどなくデータの書き出しもできます。アニメ作成はできません。良いソフトを見つけることができてラッキーだと思います。イタリア製のようです。

3 3Dデータ作成の結果
用意した写真25枚のうち実際に使われたのは11枚だけでした。写真の撮り方に改善の余地が大いにあることが判明しました。そうした半身不随的状況で作業をスタートし、本来するべき詳細設定を全て省略して、なにはともあれ3Dデータを作成しました。

3Dデータができ上がった画面
ゴミだらけです。右奥に鏡に映った姿片までゴミとなっています。

3Dデータができ上がった画面 拡大
仕上がりは予想以上に良好です。拡大縮小、くるくる回せます。

拡大画面
細部を拡大すると模様や凹凸が予想以上に精細であり、縄文土器学習の意欲が強く湧いてきます。

拡大画面
この土器の底部は摩滅していて、この土器の素性を考える時重要な特徴であると感じたのですが、その様子も判ります。

3 3Dデータの書き出し
3Dデータの書き出しは4つの形式で可能です。例としてObj/Mtlで出力し、ObjファイルをWindows10標準アプリのPrint 3Dで表示してみました。

Print 3Dによる「船橋市出土最大土器」3Dデータの表示
ゴミだらけですがシッカリと縄文土器を3Dプリンターにいれることができました。ゴミを取り除き、通常の調整をすれば「船橋市出土最大土器」のミニチュアあるいは現物サイズの立体物プリントさえ可能です。
立体物プリントは目的にしていませんが、パソコンの中で、あるいはWEBの共有環境の中で縄文土器3D画像を操作しながら学習できるツール実現の技術的メドは立ちました。あとは写真撮影を改善し、3DF Zephyr Freeの操作に習熟すればよいだけです。

4 感想
3Dデータ化ソフトにはどんなものがあるのか渉猟し出したのが今朝で、夕方にはゴミだらけですが3Dデータがそれなりに完成しました。偶然の幸運により優秀なソフトにめぐりあったからだと思います。このような利用して気持ちがよくなるソフトは、free版から有料版(149ユーロ)に乗り換えて動画撮影もはやく行えるようにしたくなります。



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