2019年2月22日金曜日

2段構成連弧文土器の観察 その2

縄文土器学習 39 加曽利貝塚博物館企画展展示土器の観察 17

加曽利貝塚博物館企画展「あれもE これもE -加曽利E式土器(千葉市内編)-」(3月3日まで開催)の展示土器38点の個別観察をメモしています。この記事ではNo.16の2段構成連弧文土器を観察します。

1 2段構成連弧文土器 No.16

2段構成連弧文土器 No.16
荒屋敷貝塚出土

2 観察
・胴部中位のくびれた部分に交互刺突文と沈部・隆部からなる帯状模様があり、それを境に2段構成模様の連弧文土器となっています。交互刺突文による帯状模様は口縁部に全く同じものがあります。
・渦巻文があり、加曽利EⅡ式土器との関連も推察できて面白いと感じます。
・胴下部は被熱により色が淡褐色に変化しています。

3 3Dデータ
No.16土器は写真を5枚撮影しましたが、その写真全てを活用して3DF Zephyr Freeにより満足感の得られる3Dデータを作成することができました。3Dデータにより土器をいじくりまわしながら観察することができました。土器を正立させて観察することも可能となりました。

No.16土器3D表示

No.16土器3D表示

No.16土器3D表示

No.16土器3D表示

No.16土器3D表示

No.15土器はショーケース端に位置していて3Dデータを作成することができませんでした。ところがNo.16土器は土器左右からの写真撮影ができるので良好な3Dデータが出来たと考えられます。この体験から、展示土器のガラス越し撮影で3Dデータを作成する場合、土器の同じポイントが少なくとも異なる3方向(左、中、右)から撮影されていることが必要条件であることが判りました。

なお学習上の必要性が生じれば、土器立体物を実寸であるいは縮小して3Dプリンターでアウトプットして活用することにします。

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企画展会場風景

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