千葉県域をメイン対象空間として縄文土器を形式別に観察学習しています。この記事では参考として伊那谷の唐草文土器を観察します。3月に偶然伊那市創造館を訪問するチャンスがあり、その時に写真撮影したものです。なお、その時に観覧した顔面付釣手形土器は2019.03.20記事「顔面付釣手形土器の発掘調査報告書を読む」等で観察結果を既にメモしています。
1 唐草文土器の観察
唐草文土器 伊那市島崎遺跡出土 伊那市創造館展示 ガラス越し撮影
唐草文土器 上部拡大 伊那市島崎遺跡出土 伊那市創造館展示 ガラス越し撮影
唐草文土器 下部拡大 伊那市島崎遺跡出土 伊那市創造館展示 ガラス越し撮影
唐草文土器 伊那市島崎遺跡出土 伊那市創造館展示 ガラス越し撮影
唐草文土器 上部拡大 伊那市島崎遺跡出土 伊那市創造館展示 ガラス越し撮影
唐草文土器 下部拡大 伊那市島崎遺跡出土 伊那市創造館展示 ガラス越し撮影
展示における説明
深鉢(埋甕)
中期後葉(唐草文Ⅲ期)
(伊那市手良)
島崎遺跡 5号住居
2 発掘調査報告書の挿図と出土状況写真
深鉢(埋甕)の挿図
「伊那市手良地区県営ほ場整備事業埋蔵文化財緊急発掘調査報告書 島崎遺跡 1990.3 上伊那地方事務所・伊那市教育委員会」から引用
深鉢(埋甕)の出土状況写真
「伊那市手良地区県営ほ場整備事業埋蔵文化財緊急発掘調査報告書 島崎遺跡 1990.3 上伊那地方事務所・伊那市教育委員会」から引用
3 メモ・感想
・唐草文Ⅲ期は曽利Ⅲ式・Ⅳ式にほぼ併行することから加曽利EⅡ式・EⅢ式頃に併行すると推定しました。
・唐草文Ⅲ期は文様構成が加曽利E式から影響を受けていると「日本土器事典」等に記述されていて、曽利式土器分布域を挟んで加曽利E式土器から影響を受けていることに興味を持ちました。土器の文様は隣接形式が相互に影響するものと考えますが、生活が活性化している地域(資源豊富でその開発が進んでいる地域)の土器形式の方がより影響力が強いと仮定すると、加曽利E式土器圏の資源開発の程度は隣接域とくらべてどうだったのだろうかと較べたくなります。
・唐草文土器と連弧文土器の模様の雰囲気に似ている側面があります。弧状模様と鋭角的要素が似ているように感じます。両者に関連があるのかないのか調べることにします。
・埋甕として出土しているということはこの土器の最終用途が胞衣壺であったと推定します。
・なお2019.05.04記事「船橋市最大縄文土器 3Dモデル改良版」の加曽利EⅡ式土器も埋甕として出土していますから、この時代には巨大な土器が埋甕(胞衣壺)として使われたことを知りました。
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