西根遺跡出土加曽利B2式土器の観察を行っています。この記事では漆塗り算盤珠形土器を観察します。
1 446番土器
446番土器 (千葉県教育委員会所蔵)
・算盤珠形土器といわれる器形をしています。土器下部には被熱痕が観察できます。
・土器全体が黒色です。
446番土器部分拡大 (千葉県教育委員会所蔵)
西根遺跡発掘調査報告書から引用
西根遺跡発掘調査報告書から引用
446番土器観察表
西根遺跡発掘調査報告書から引用
2 発掘調査報告書における446番土器の記載
「446~462は算盤珠形の精製鉢形土器L類であり、肩部に磨消縄文帯がある。446は肩部の文様は5単位で、対弧文と円形文があり、円形文中央に縦に区画する貼付文を垂下し、その上側に連続した刻みを加え、垂下文の両側に沈線を配している。この部分の縄文のみ沈線の後で縦方向施文する。屈折部に連続した刻み、胴部上半に円形竹管文を垂下沈線と横走沈線の切れ目にほぼ2列に入れる。文様帯部分の地文に細かいLRの縄文を施している。施文順位は縄文、沈線、円形竹管の順である。胴部中位以下はミガキが施される。」
西根遺跡発掘調査報告書から引用
3 446番土器内部
446番土器内部 (千葉県教育委員会所蔵)
漆残存部分
・土器内面の一部に明瞭な漆残存を観察できます。この土器は漆塗りの鮮やかな黒色土器であったと考えられます。
・漆はC14年代測定が行われその較正歴年代は3270±60calBPという結果が出ています。
4 メモ
・第4集中地点出土、口径21.1cm、底径6.8cm、器高24.8cm、容量6.2リットルの精製鉢(算盤珠形土器)です。残存度は75%です。
・被熱を受けています。
・漆による黒色処理が行われています。低地遺跡であることから漆が残存したと想定できます。
・漆のC14年代測定は3270±60calBPという結果が出ています。
・漆のC14年代測定は3270±60calBPという結果が出ています。
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