2019年5月7日火曜日

黒浜式土器 若葉台遺跡など

縄文土器学習 111

縄文土器を形式別に観察しています。
この記事では千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室に展示されている縄文前期黒浜式土器5点を観察します。

1 黒浜式土器展示の様子
展示室の早期前期土器展示コーナーには黒浜式土器が5点展示されていますのでア~オの符号をつけて区別して観察します。

千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室における黒浜式土器展示の様子

2 黒浜式土器 エ の観察 

黒浜式土器 エ 流山市若葉台遺跡出土 千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示 

黒浜式土器 エ 上半部拡大 流山市若葉台遺跡出土 千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示 

黒浜式土器 エ 下半部拡大 流山市若葉台遺跡出土 千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示 

挿図 「日本土器事典」から引用

3 黒浜式土器 オ の観察

黒浜式土器 オ 流山市若葉台遺跡出土 千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示 

4 黒浜式土器 ア の観察

黒浜式土器 ア 柏市花前Ⅰ遺跡出土 千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示 

5 黒浜式土器 ウ の観察

黒浜式土器 ウ 柏市花前Ⅰ遺跡出土 千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示 

6 黒浜式土器 イ の観察

黒浜式土器 イ 成田市新山台遺跡出土 千葉県教育庁文化財課森宮分室展示室展示

7 黒浜式土器の印象
早期土器をくらべて色が黒っぽく、表面質感がザラザラしてもろい印象を受けます。粗雑な出来のように感じます。模様が観察しにくい土器です。

8 参考 「日本土器事典」の黒浜式土器記述抜粋
「・黒浜式土器は、早期から連綿と続いた繊維土器群の最終型式であり、また、花積下層式、関山式と続いた羽条縄文系土器群の最終型式でもある。
・器形 波状口縁を有するものはやや内湾ぎみに外反し、平縁のものは、胴部中程よりやや上でくびれ外傾するものと、底部から直線的に外傾するものなどがある。器種は大小の深鉢のほか鉢も存在する。
・文様 関山式の系統を受け継ぎ単節、付加条などによる羽条縄文やループ文などの多種の縄文の多くは見られるが、組紐は姿を消し、異条縄文は極めて少ない。また関山式と比べ縄文は非常に粗く緻密さが見られず、内外面の調整も著しく劣り、非常にもろい土器が多い。黒浜式の文様は多様性に富む。
・黒浜式の土器群は、さまざまな文様を有する土器の集合であり、また資料的にも充分存在することから、今後一層の検討が加えられ整理されるであろう。
・分布ほぼ関山式に共通し、関東全域から中部地方にまで及んでいる。」
「日本土器事典」から引用

9 黒浜式土器の較正年代

黒浜式土器の較正年代
小澤政彦先生講演「東関東(千葉県域)の加曽利E式」資料(2019.02.24)では黒浜式土器の較正年代は6445~6080年前calBPとなっています。

次の記事で船橋市取掛西貝塚と八千代市ヲイノ山遺跡出土黒浜式土器を観察します。
なお、黒浜式土器の千葉県域分布は別記事で検討します。
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