縄文土器を形式別に観察しています。
この記事から加曽利B式土器の学習を始めます。
1 加曽利B式土器区分
加曽利B式土器はB1式、B2式、B3式に細分されています。その細分を示す図版を3種類示して自分の脳裏に焼き付けることにします。
「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」の加曽利B式土器細分図版
「日本土器事典」の加曽利B式土器細分図版
上赤囲みが加曽利B1式、その下囲み無しが加曽利B2式、下赤囲みが加曽利B3式
「縄文土器大観」の加曽利B式土器細分図版
・加曽利B式土器では粗製土器と精製土器が出土する。
・特殊器形としての異形台付土器が伴う。
・加曽利B1式では堀之内2式から連続性のある3単位の波状縁の深鉢が代表的である。口縁部裏に沈線が引かれるものがある。
・加曽利B2式では3単位波状縁深鉢のほかに算盤玉状に張る独特の器形が登場する。
・加曽利B3式では3単位波状縁深鉢が衰退し把手は扁平な対称形のものとなる。
2 加曽利B1式土器(加曽利貝塚出土)の観察
加曽利B1式土器(加曽利貝塚出土)
加曽利貝塚博物館展示
参考 双口異形土器(加曽利B1式)(加曽利貝塚出土)複製
加曽利貝塚博物館展示
参考 口縁部裏側に沈線のある加曽利B式土器(古期)
左は横浜市高田貝塚出土、右は千葉市矢作貝塚出土 山内清男編「日本先史土器図譜」から引用
口縁部裏側沈線は堀之内式土器からの影響であると山之内清男は述べています。
3 加曽利B式土器の較正年代
加曽利B式土器の較正年代
小澤政彦先生講演「東関東(千葉県域)の加曽利E式」資料(2019.02.24)では加曽利B式土器の較正年代が3900~3420年前calBPとなっています。
加曽利B式土器の分布は別記事で検討します。
引き続き加曽利B2式、B3式の観察を行います。
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