2019年5月15日水曜日

堀之内式土器 加曽利貝塚

縄文土器学習 124

縄文土器を形式別に観察しています。
この記事では加曽利貝塚博物館に展示されている縄文後期土器様式である堀之内式土器(加曽利貝塚出土)を観察します。

1 堀之内1式土器 ア の観察

堀之内式1式土器 ア 千葉市加曽利貝塚出土 加曽利貝塚博物館展示 ガラス越し撮影

堀之内式1式土器 ア 上半部拡大 千葉市加曽利貝塚出土 加曽利貝塚博物館展示 ガラス越し撮影

堀之内式1式土器 ア 下半部拡大 千葉市加曽利貝塚出土 加曽利貝塚博物館展示 ガラス越し撮影

・突起が2つある施文具で2重沈線を描き、さらにそれを重ねて模様を描いています。
・模様の大勢は「縦方向」です。
・胴部上部にくびれがあり、その部分をめぐる沈線を描き上下に模様構成を区画しています。
・突起部頂部には凹みがあるとともに小孔2つが付いています。小孔が壁を貫通しているかどうか確認できませんが、丁寧な造形の様子が風化や削れることなく新鮮に残っています。

2 堀之内1式土器 イ の観察

堀之内式1式土器 イ 千葉市加曽利貝塚出土 加曽利貝塚博物館展示 ガラス越し撮影

堀之内式1式土器 イ 上半部拡大 千葉市加曽利貝塚出土 加曽利貝塚博物館展示 ガラス越し撮影

堀之内式1式土器 イ 下半部拡大 千葉市加曽利貝塚出土 加曽利貝塚博物館展示 ガラス越し撮影
・突起が2つある施文具で2重沈線を描き、さらにそれを3つ重ねて模様主部を描いています。
・模様の大勢は「縦方向」です。
・把手が3つあります。把手に円周方向凹み(切れ込み)があります。(この切れ込みは加曽利E式土器等でも盛んに造形されていますが、その名称と意義についてまだ知識を得ていません。残念!)
・胴にくびれはありません。

3 堀之内2式土器の観察

堀之内式2式土器 千葉市加曽利貝塚出土 加曽利貝塚博物館展示 ガラス越し撮影

・「日本土器事典」の説明の通り、器形が小型化し、模様に横位区画があります。
・突起部に貫通する小孔が復元されているようです。

4 「日本土器事典」における堀之内式土器記述の抜粋
「堀之内1式
器形は、深鉢、鉢、浅鉢、甕、注口土器がある。
文様は沈線によって蕨手文・懸垂文・渦文・倒卵文など曲線の多いものが描かれる。
東関東では縄文地に、西関東では無文地に描かれるという地域差がある。
口縁部に沈線がめぐり、3単位ないし4単位の小突起がつけられ、その部分に貼付文や刺突文が見られるのが特徴の一つである。
堀之内2式
一般に器形は小型化する。鉢とコップ型の深鉢が主体的となる。
1式では縦位に模様が展開するのに対し、2式ではそれが横位になる傾向が強くなるため、施文部の横位区画が認められるものが多い。
器面の黒色化も目立つ。」
「日本土器事典」から引用

較正年代、千葉県域分布は別記事で書きます。
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