2019年7月19日金曜日

井草式土器の分布

縄文土器学習 197

縄文土器形式別出土遺跡分布図を作成しています。この記事では縄文早期最初期の井草式土器について検討します。

1 千葉県 井草式土器出土遺跡分布図

千葉県 井草式土器出土遺跡分布図
101遺跡がプロットされました。

千葉県 井草式土器出土遺跡分布ヒートマップ
縄文草創期の遺跡密集域(成田空港付近)と近い場所に最大の遺跡密集域が位置しています。

2 考察

千葉県 縄文早期井草式遺跡ヒートマップ及び考察 円半径は20km
井草式土器が出土する日本最古の西之城貝塚が遺跡密集域中心から20km離れた場所に存在します。この関係から縄文早期のまだ海が狩場から遠かったころは狩のための本村と海の幸を獲得するための貝塚集落(出村)のセットが社会構造を形成していたと仮説します。
貝塚を伴わない本村と貝塚(出村)の関係は、図書「千葉県の歴史 資料編考古4(遺跡・遺構・遺物)」掲載図面からも、その文章記載はありませんが、読み取ることができます。

縄文時代Ⅰa期(早期前葉・撚糸文期) 貝塚分布図
「千葉県の歴史 資料編考古4(遺跡・遺構・遺物)」から引用

この早期社会構造仮説「貝塚を伴わない分水界台地の本村+貝塚を伴う到来海岸の出村」セットを草創期遺跡にも適用して既に2019.07.18記事「縄文草創期遺跡集中域が成田空港付近にある理由」を書いています。

3 千葉県 大丸式土器出土遺跡分布図

千葉県 大丸式土器出土遺跡分布図
2遺跡がプロットされています。
 
4 参考 千葉県縄文土器形式別等出土遺跡数

千葉県縄文土器形式別等出土遺跡数

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