2019年7月16日火曜日

加曽利E式以降の土器形式細分別遺跡数推定

縄文土器学習 193

加曽利E式以降の土器形式細分別千葉県遺跡数を案分比例で推定しました。
ある土器形式で細分情報がある場合、その細分情報の割合で全体の情報を案分比例しました。
細分情報がある割合は1割から7割と大幅に異なります。

データベースにおける土器形式細分情報の割合(%)

しかし全ての土器形式について細分情報の割合が全体の状況を反映していると仮定しました。このように案分比例で土器形式細分別遺跡数をもとめることにより、縄文社会趨勢の大局観を得ることができ、学習に役立つと考えました。

千葉県 按分比例による土器形式細分別遺跡数推定
加曽利EⅡ式の遺跡数が863で最も多く、縄文時代を通じて最高の値になります。一つだけ突出している顕著な縄文ピークです。
次いで、加曽利EⅠ式、加曽利EⅡ式、堀之内1式、加曽利B1式、加曽利B2式が500台あるいはそれに準じる遺跡数で、社会の成長期や成熟期の社会であることを示していると読み取ります。
加曽利EⅣ式と称名寺式は二つのピーク(加曽利EⅡ式、堀之内1式)の間の社会縮小期であることを示していると読みます。
堀之内2式も堀之内1式と加曽利B1式・B2式ピークに挟まれた社会縮小期であると読みました。
加曽利B2式をピークとしてそれ以降徐々に遺跡数が少なります。ただ曽谷式だけが極端に小さい値を示し、それが社会縮小の実体に対応するものかそれとも別の要因によるものかは不明です。

参考 千葉県 縄文土器形式別出土遺跡数


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