2019年7月6日土曜日

縄文土器展開写真の作成

縄文土器学習 176

見よう見まねで、かつ原始的方法で、縄文土器展開写真を作成しました。素人チャレンジとしてはそれなりの品質の展開写真ができたと思います。

1 展開写真作成対象土器と観察記録3Dモデル

展開写真作成対象土器
船橋市飛ノ台史跡公園博物館展示(2019.02)の船橋市海老ケ作貝塚出土獣面把手土器を展開写真対象土器としました。
四周から障害物なく写真が撮れる環境のため、次の質の高い観察記録3Dモデルを作成することができました。

獣面把手土器 海老ケ作貝塚 観察記録3Dモデル(展開図作成)

2 展開写真作成の方法
パソコンソフト3DF Zephyr Liteで3Dモデルを水平方向にオルソグラフィック投影しました。

水平方向にオルソグラフィック投影した3Dモデル

参考 通常投影の3Dモデル

水平方向オルソグラフィック投影した3Dモデルを4度ずつ回転させながらその都度画像を作成し、360度回転させ、90枚(実際は重複をいれて99枚)の画像を取得しました。

4度ずつ回転させてその都度作成した画像(一部)

次に99枚の写真をスリット状に切り抜いた写真を作成し、それを横に画像がつながるように並べて展開写真を作成しました。

3 展開写真

スリット状写真から作成した展開写真
土器前面は際立った難は存在しない画像となります。土器の対向後面の把手はギザギザの画像となり難となりました。

2019.07.09追記
後面把手がギザギザになったのはスリット写真を切り抜いた場所が回転軸からずれていたことが原因かもしれないと気が付きました。回転軸を探して、その軸を中心にスリット写真を作って展開写真を作り直すチャレンジをいつかしたいと思います。


参考 発掘調査報告書に掲載された土器実測図
「海老ケ作貝塚 -縄文時代中期集落祉調査報告-」(1972、船橋市教育委員会)から引用

4 感想
・通常のスナップ写真44枚から土器展開写真を気軽に作ることができました。観察記録3Dモデルが出来ている状態ですが、思い立ってから半日で完成しました。
・通常の展示土器の展開写真は対象域が狭くなるのでもっと短時間で作成できそうです。
・土器文様の理解のための学習資料として土器展開写真が活用できそうです。文様の特徴等を表現(情報発信)する際に平面図の方が適切な場合も多いと考えます。
・多量画像をPhotoshopにレイヤーとして読み込み、その多量レイヤーをファイルとして出力する方法を最近知ったので、作業が効率的に済みました。
ブログ花見川流域を歩く番外編2019.04.07記事「Photoshop 画像の一括レイヤー読み込み、レイヤーの一括ファイル書き出し
・手作業は全てバッチ処理可能と直観できますから、そのためのソフト(機能)は世の中のどこかにあるに違いありません。今回の作業はあまりに原始的です。3Dモデルからワンタッチで展開写真をつくるソフトを探したいと思います。ペーパークラフトの型紙をつくるソフトで展開写真ができないか?
・博物館や図書で縄文土器展開写真が大仰に展示・紹介されていますが、今は誰でもできるものになったことを実感しました。

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